株式会社日本レジストリサービス(JPRS)

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地域型JPドメイン名の見直しの背景と課題

2010年6月24日
地域型JPドメイン名再構築検討部会

1. 背景

地域型JPドメイン名は、1993年12月に個人や地域に密着した組織(小中学校、役所など) を収容する際のドメイン名選択の幅を拡大することを目的として実験プロジェクトとして登録が開始されたドメイン名で、1996年4月から本格的な運用が開始されました。

この地域型JPドメイン名は、他の属性型JPドメイン名と同様に、1組織1ドメイン名の制約のもとで登録が行われており、1998年12月の ED.JP の登録開始、2001年2月の汎用JPドメイン名の導入、2002年10月の LG.JP の登録開始、2003年~2005年に行われた市町村の廃置分合 (いわゆる平成の大合併) などを経て、2010年4月現在で 2849件が登録されている状況にあります。(最大登録時は、2002年6月の 4338件)

地域型JPドメイン名は、「一般地域型ドメイン名」と「地方公共団体ドメイン名」があります。

一般地域型ドメイン名は、以下に示すように第2レベルドメイン名と第3レベルドメイン名には、申請者の住所に基づいて決まるラベル名が固定で割り当てられ、第4レベルに希望する名称(例えば、EXAMPLE等)を登録することが出来ます。

<組織ラベル>.<市区町村ラベル>.<都道府県ラベル>.JP
例:EXAMPLE.KUMAMOTO.KUMAMOTO.JP

地方公共団体ドメイン名は、一般地域型ドメイン名と同じ構成か以下の構成のいずれかになります。

【都道府県・政令指定都市の場合】
  (METRO|PREF|CITY).<都道府県・政令指定都市ラベル>.JP
  例:PREF.FUKUOKA.JP
       CITY.FUKUOKA.JP
【市町村・東京都特別区の場合】
  (CITY|TOWN|VILL).<市区町村ラベル>.<都道府県ラベル>.JP
  例:CITY.KUMAMOTO.KUMAMOTO.JP

汎用JPドメイン名の導入に伴い、新しい政令指定都市名を地域型JPドメイン名の第2レベルドメイン名に使用できない事例も発生する様になりました。

そこで、JPRS では地域型JPドメイン名が抱えている課題を挙げて、再構築の基本方針および実現方針を検討することに致しました。

2. 地域型JPドメイン名の課題

2.1. 汎用JPドメイン名との整合性に関する課題

  1. (1)汎用 JP ドメイン名の導入に伴い、新たに指定された政令指定都市名を第2 レベルドメイン名に使用できない事例が発生している。
    このため、「city.<政令指定都市名>.jp」が汎用JP ドメイン名で利用されているか地域型JPドメイン名で利用されているかを判別することができない
  2. (2)県を統合する案(道州制)が出ているが、それに対応できる状態で無い

2.2. 属性型JPドメイン名との整合性に関する課題

  1. (3)1組織1ドメイン名の制約ため、属性型JPドメイン名を登録すると地域型JPドメイン名が登録できない(逆も同様に登録できない)
  2. (4)地方公共団体のWebページが、地域型JPドメイン名とLG.JPドメイン名で混在しており判りづらい

2.3. 他の JPドメイン名との割当て基準の違いに関する課題

  1. (5)ドメイン名が長くて使いづらい
  2. (6)都道府県名直下の登録ができない(市区町村名以下の第4レベルドメイン名への登録となる)
  3. (7)現在のニーズに合わなくなっており、新規登録数や累計登録数が減少している
  4. (8)組織や個人に対して割り当てられる地域型JPドメイン名の第3レベルドメイン名は、登録時の住所表記に基づいて定められるため、市町村合併などで住所表記が変更になり、存在しなくなった市区町村名も利用者からの変更申請がされなければ、そのまま使い続けられる
  5. (9)地域型JPドメイン名は、登録者の住所に基づいたドメイン名しか割り当てられることはなく、登録者の住所に基づかない活動地域のドメイン名割り当てを受けることはできない
  6. (10)全ての市区町村名に対する第3レベルドメイン名が存在している訳でない
以上