DNS関連技術情報のトップへ戻る

---------------------------------------------------------------------
■BIND 9.xの脆弱性(サービス性能の劣化及びパケットの連続送信)について(CVE-2017-3140)
  - バージョンアップを強く推奨 -

                                株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
                                            初版作成 2017/06/15(Thu)
---------------------------------------------------------------------

▼概要

  BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からの攻撃が
  可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。本脆弱性により、
  提供者が意図しないサービス性能の劣化や、特定の権威DNSサーバーに対す
  るパケットの連続送信が発生する可能性があります。

  本脆弱性は、namedにおいてRPZを有効にしている場合にのみ対象となります
  (デフォルトでは無効)。該当するBIND 9.xを利用しているユーザーは関連
  情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を取ることを推奨します。

▼詳細

▽本脆弱性の概要

  RPZ(Response Policy Zones)はフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)
  がクライアントに返す応答内容を、そのフルリゾルバーの運用者のポリシー
  により制御可能にする機能を提供します。RPZの技術的詳細については、以
  下の情報をご参照ください。

  (*1)DNS Response Policy Zones
        <https://dnsrpz.info/>
        DNS Response Policy Zones (RPZ)
        <https://tools.ietf.org/html/draft-ietf-dnsop-dns-rpz-00>

  RPZはBIND 9.8.0以降でサポートされています。ただし、デフォルトでは無
  効に設定されています。

  BIND 9.xにはRPZの内部処理に不具合があり、以下の条件をすべて満たした
  場合、当該クエリの処理において、namedが無限ループの状態に陥ります。

  1. RPZが有効に設定されている
  2. RPZにおいて、NSDNAMEまたはNSIPのポリシールールが使われている
  3. 受信したDNSクエリにより、上記のポリシールールが処理される

  無限ループに陥ったnamedは、特定の権威DNSサーバーにパケットを送り続け
  る状態となります。この状況を発生させることができた場合、namedのサー
  ビス性能を劣化させることが可能になります。

▽対象となるバージョン

  本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。

  ・9.11系列:9.11.0~9.11.1
  ・9.10系列:9.10.5
  ・9.9系列:9.9.10

▽影響範囲

  ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「中(Medium)」と評価していま
  す。

  本脆弱性は、namedにおいてRPZを有効に設定しており(デフォルトでは無
  効)、かつ、RPZにおいてNSDNAMEまたはNSIPのポリシールールが使われてい
  る場合にのみ影響を受けます。

  本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。

  (*2)CVE - CVE-2017-3140
        <https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-3140>

▼一時的な回避策

  RPZにおいてNSDNAMEとNSIPのポリシールールを使用しないようにすることで、
  本脆弱性を回避できます。

▼解決策

  本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.11.1-P1/9.10.5-P1/
  9.9.10-P1)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリ
  リースされる更新の適用を、速やかに実施してください。

▼参考リンク

  以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
  ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
  適切な対応を取ることを強く推奨します。

  - ISC

   セキュリティアドバイザリ

    CVE-2017-3140: An error processing RPZ rules can cause named to
                   loop endlessly after handling a query
    <https://kb.isc.org/article/AA-01495>

   パッチバージョンの入手先

    BIND 9.11.1-P1
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.11.1-P1/bind-9.11.1-P1.tar.gz>
    BIND 9.10.5-P1
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.5-P1/bind-9.10.5-P1.tar.gz>
    BIND 9.9.10-P1
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.10-P1/bind-9.9.10-P1.tar.gz>

▼連絡先

  本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
  さい。

---------------------------------------------------------------------
▼更新履歴
  2017/06/15 11:00 初版作成


株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2024 Japan Registry Services Co., Ltd.