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■BIND 8.4.3 の問題について
2003/12/10(Wed)
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▼概要
BIND 8.4.3 には特定の環境下で query を出し続ける不具合があったため、
ISC がこのバージョンを破棄し、使用しないよう呼びかけています。ここで
はその問題点と解決策について記します。
▼問題点
ISC から2003年11月27日にリリースされた BIND のバージョン 8.4.3 には
次のような問題があることが判明しています。
BIND 8.4.3 を使用している DNS キャッシュサーバに IPv4, IPv6 アドレス
の両方が割り当てられていて、かつ名前解決が正しくできないドメイン名を
その DNS キャッシュサーバ経由で検索すると無駄なパケットを発生し続け
ます。
例えばexample.jpというドメイン名について、次のようにJPゾーンに登録し
てあったとします。
$ORIGIN jp.
example.jp. IN NS ns0.example.jp.
IN NS ns1.example.jp.
ns0.example.jp. IN A 10.10.10.10
ns1.example.jp. IN A 172.20.172.20
ここで example.jpのネームサーバーである、ns0.example.jp と
ns1.example.jp の両方ともがDNS的に正常な応答を返さない場合、つまり
・ IP的な接続が得られない (ホストが停止している等)
・ ホストは動いているがネームサーバーのプログラムが停止している
・ ネームサーバーのプログラムは動いているが、example.jpゾーンの
必要な情報が存在しない
などの場合に、example.jp のホストに関する問い合わせ(例えば
www.example.jp の IP アドレスを検索する)が、BIND 8.4.3 経由で行われ
ると、ns0.example.jp と ns1.example.jp のAAAA レコードの問い合わせを
延々と繰り返し、無駄なパケットを発生し続けます。
この場合、トラフィックの無駄になるばかりか、named プログラム自体も相
当な CPU リソースを消費し、そのサーバーのパフォーマンスもかなり低下
することとなります。
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▼当面の解決策
ISC ではこの問題を解決する BIND 8.4.4 をリリースするとアナウンスして
いますが、それまでの対応策には次のものが考えられます。
BIND 8.4.3 の named に -4 オプションをつけて起動する、
または BIND 8.3.7 を利用する
named に -4 オプションを利用すると、IPv6 の対応の機能が停止し、こ
の問題を回避できます。しかし IPv6 の機能を利用しないのであれば、
BIND 8.3.7 を利用するのが望ましいと考えられます。
なおBIND 8.4.3より前の8.4系(8,4.0~8.4.2)については、別のセキュリ
ティホールがあるため利用は控えてください。
IPv6 の機能が必要な場合は BIND 9.2.3 を利用する
BIND 9の最新版である BIND 9.2.3 は IPv6 に対応しており、BIND 8.4.3
のような問題はありませんので、IPv6 機能を利用するのであれば、こち
らを利用するのが望ましいといえます。
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