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■BIND 9.7.x/9.8.xのトラストアンカー自動更新機能の実装上のバグについて
- バージョンアップを推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
2011/09/01(Thu)
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▼概要
BIND 9.7.x/9.8.xでは実装上のバグにより、DNSSECバリデーター(キャッシュ
DNSサーバー)におけるトラストアンカー自動更新の処理において不具合が
発生する可能性があったことが、開発元のISCより発表されました。該当す
るBIND 9において本機能を有効に設定している場合、ルートサーバーにおい
て将来予定されているトラストアンカーの更新の際、予期しない障害が発生
する可能性があります。
このため、該当するBIND 9.7.x/9.8.xにおいてDNSSEC検証を有効にし、かつ
managed-keysステートメントによりトラストアンカー自動更新機能を有効に
している場合、バグが修正されたバージョンへのバージョンアップを推奨し
ます。
▼詳細
トラストアンカーの自動更新機能はRFC 5011により定義され、DNSSEC検証の
際の信頼の拠点となるトラストアンカーの自動更新を実現することにより、
DNSSECバリデーター(キャッシュDNSサーバー)の運用の負荷を軽減します。
BIND 9では本機能を、BIND 9.7以降のバージョンでサポートしています。
2011年8月31日(米国時間)にリリースされたBIND 9.8.1、及び同年8月1日
(同)にリリースされたBIND 9.7.4 のリリースノートの「Bug Fixes(バグ
の修正)」に、以下の記述があります。
* During RFC5011 processing some journal write errors were not
detected. This could lead to managed-keys changes being committed
but not recorded in the journal files, causing potential
inconsistencies during later processing. [RT #20256]
この記述は、RFC 5011による更新処理の際にジャーナルファイルの書き込み
エラーが検知されない場合があり、managed-keysステートメントによる変更
がコミットされているにもかかわらずジャーナルファイルへの記録が実施さ
れない可能性があったこと、その結果として、その後の処理に不整合を引き
起す場合があったことを示しています。
▼参考リンク
* ISC
BIND 9.8.1
<ftp://ftp.isc.org/isc/bind9/9.8.1>
BIND 9.7.4
<ftp://ftp.isc.org/isc/bind9/9.7.4>
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▼更新履歴
2011-09-01 12:00 初版作成
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