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■DNSホスティングサービスの利用におけるネームサーバーホスト名の設定について

                                株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
                                            初版作成 2017/07/27(Thu)
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▼概要

  権威DNSサーバーを提供するDNSホスティングサービスにおいて、サービスプ
  ロバイダーが指定したネームサーバーホスト名と異なる名前、特に、内部名
  (*1)を利用者が設定していることに起因する、トラブルの発生が報告され
  ています。

  (*1)本文書では内部名を「委任先のネームサーバーの名前がNSレコードの
        ownerの子孫、またはそのもの」の意味で使用します。詳細はJPRS用
        語辞典の以下の項目をご参照ください。
        JPRS用語辞典 - 内部名
        <https://jprs.jp/glossary/index.php?ID=0190>

  トラブルの発生を防ぐため、DNSホスティングサービスを利用する場合、サー
  ビスプロバイダーがマニュアル、約款などに記載した内容に従って設定する
  ようにしてください。

▼問題となる設定

  DNSにおいて内部名を設定する場合、管理対象のゾーンの権威DNSサーバーの
  ホスト名に加え、そのサーバーのIPアドレスを親ゾーンに登録する必要があ
  ります。登録したIPアドレスはグルーレコードとして親ゾーンに埋め込まれ、
  名前解決において利用されます。

  一方、DNSホスティングサービスでは、

    ・管理対象のゾーンの権威DNSサーバーの管理者:サービスプロバイダー

    ・親ゾーンへの登録を含む、ゾーンデータの管理者:サービスの利用者

  というサービス形態が一般的であり、権威DNSサーバーの管理者とゾーンデー
  タの管理者が異なっています。

  そのため、この状況においてDNSホスティングサービスの利用者が、権威DNS
  サーバーのIPアドレスを内部名として勝手に設定した場合、サービスプロバ
  イダーが管理している権威DNSサーバーのIPアドレスがグルーレコードとし
  て、親ゾーンに埋め込まれることになります。

  これにより、

    ・サービスプロバイダーが権威DNSサーバーのIPアドレスを変更した場合、
      内部名を勝手に設定しているゾーン(ドメイン名)において、本来であ
      れば発生しない名前解決障害が発生する

    ・前述した名前解決障害の発生を回避するための工数の増大により、サー
      ビスプロバイダーにおける権威DNSサーバーの構成変更(サービス増強
      のためのサーバーの追加、IPアドレスの変更など)が困難になる

  などのトラブルが発生します。

  なお、ネームサーバーホスト名における内部名の概要と設定・利用における
  推奨事項につきましては、以下の技術解説を参照してください。

▼参考リンク

  ■技術解説:内部名の概要と設定・利用における推奨事項について
  <https://jprs.jp/tech/notice/2017-07-27-nameserver-in-bailiwick.html>

▼連絡先

  本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡く
  ださい。

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▼更新履歴
  2017/07/27 11:00 初版作成


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