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■Unbound 1.xのDNSエラーメッセージ送信処理の不具合を利用したDoS攻撃について
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
2011/05/27(Fri)
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▼概要
キャッシュDNSサーバーの一つであるUnboundの1.0から1.4.9までのバージョ
ンには、DNSエラーメッセージの送信処理に実装上の不具合があり、特定の
条件下においてリモートからのサービス不能(DoS)攻撃が可能になる脆弱
性が存在することが、開発元のNLnet Labsより発表されました。該当する
Unboundを利用しているユーザは、関連情報の収集やソフトウェアのバージョ
ンアップなど、適切な対応を取ることを強く推奨します。
▼詳細
UnboundはNLnet Labsが開発している、キャッシュDNSサーバー/DNSSECバリ
データーの実装の一つです。Unboundはオープンソースで開発されており、
無償で入手・使用できます。
バージョン1.0から1.4.9までのUnboundには、DNSエラーメッセージを作成・
送信する際の処理に実装上の不具合があり、Unboundの構成(configure)の
際に--enable-checkingまたは--enable-debugオプションを指定することで
assertion機能を有効にし、かつ、実行時に設定ファイル(デフォルトでは
unbound.conf)のinterface-automaticオプションにおいてyesを指定してい
た場合、特定のDNSパケットを作成・送信することにより、DNSサービスをリ
モートから停止させることが可能となります。
なお、本脆弱性はUnboundの構成時に上記オプションを指定し、かつ実行時
に上記オプションにおいてyesを指定している場合にのみ該当します。
本脆弱性の詳細については以下の脆弱性情報(*1)をご参照ください。
(*1)CVE - CVE-2011-1922
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2011-1912>
Vulnerability Note VU#531342
<https://www.kb.cert.org/vuls/id/531342>
JVNVU#531342: Unbound DNS リゾルバにサービス運用妨害 (DoS) の脆弱性
<https://jvn.jp/cert/JVNVU531342/>
▼一時的な回避策
Unboundの構成時に--enable-checking及び--enable-debugオプションのいず
れも指定しない、または実行時に設定ファイルのinterface-automaticオプ
ションにおいてyesを指定しないようにすることにより、本脆弱性を回避で
きます。
▼解決策
Unbound 1.4.10へのバージョンアップ、または各ディストリビューションベ
ンダなどからリリースされるアップデートの適用が必要となります。
▼参考リンク
以下にUnboundの開発元であるNLnet Labdからの情報へのリンクを記載
します。また、各ディストリビューションベンダからの情報や上記の脆弱
性情報などもご確認の上、適切な対応をお願いいたします。
CVE-2011-1922 VU#531342 Unbound empty error packet handling assertion failure
<http://unbound.nlnetlabs.nl/downloads/CVE-2011-1922.txt>
Unbound 1.4.10
<http://unbound.net/downloads/unbound-1.4.10.tar.gz>
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▼更新履歴
2011-05-27 11:00 初版作成
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