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■(緊急)BIND 9.xの脆弱性を利用したサービス不能(DoS)攻撃について
- キャッシュ/権威DNSサーバーの双方が対象、バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2011/07/05(Tue)
更新 2011/07/08(Fri)
(ISCの日本語情報/JPCERT/CC/JPNICの注意喚起へのリンク追加)
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▼概要
BIND 9.xには実装上の不具合があり、namedに対するリモートからのサービ
ス不能(DoS)攻撃が可能であることが、開発元のISCより発表されました。
本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ
ります。
本脆弱性は危険度が高く、かつキャッシュDNSサーバー及び権威DNSサーバー
の双方が対象となることから、該当するBIND 9.xを利用しているユーザーは、
関連情報の収集、緊急パッチの適用など、適切な対応を速やかに取ることを
強く推奨します。
▼詳細
BIND 9.xでは実装上の不具合により、特別に作成されたDNSパケットを受信
した場合に、namedが異常終了する問題が発生します。これにより、攻撃者
は当該namedによるサービスを、リモートから停止させることが可能となり
ます。
本脆弱性は、キャッシュDNSサーバー及び権威DNSサーバーの双方が対象となっ
ています。かつ、設定ファイル(named.conf)によるアクセスコントロール
(ACL)の設定や、コンパイル時・実行時の機能の無効化では、本脆弱性を
回避することができません。
本脆弱性の対象となるBIND 9.xのバージョンは以下の通りです。
・9.6系列: 9.6.3, 9.6-ESV-R4, 9.6-ESV-R4-P1, 9.6-ESV-R5b1
・9.7系列: 9.7.0, 9.7.0-P1, 9.7.0-P2, 9.7.1, 9.7.1-P1, 9.7.1-P2,
9.7.2, 9.7.2-P1, 9.7.2-P2, 9.7.2-P3, 9.7.3, 9.7.3-P1, 9.7.3-P2, 9.7.4b1
・9.8系列: 9.8.0, 9.8.0-P1, 9.8.0-P2, 9.8.0-P3, 9.8.1b1
上記に加え、9.5.3b1及び9.5.3rc1についても本脆弱性の対象となりますが、
ISCではBIND 9.5のサポートを終了しており、サポートされているバージョ
ンへのアップグレードを推奨しています。
なお、上記以外のバージョンのBIND 9.xは、本脆弱性の対象となりません。
開発元であるISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評
価しています。本脆弱性は、
・キャッシュDNSサーバー及び権威DNSサーバーの双方が対象となること
・named.confによるACLの設定や、コンパイル時・実行時の機能の無効化で
は回避できないこと
・多くのバージョンのBIND 9.xが対象となること
などから、広い範囲での適切な緊急対策が必要となります。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*1)も併せてご参照ください。
(*1)CVE - CVE-2011-2464
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2011-2464>
▼一時的な回避策
外部に公開しているサーバーに対する、本脆弱性の一時的な回避策はありま
せん。
外部に公開していないサーバーについては、ファイアーウォールやパケット
フィルターによるアクセス制限の適用により、本脆弱性による危険性を低減
できます。ただし、本方法は根本的な問題解決とならないため、以下に示す
解決策の速やかな追加実施が必要となります。
▼解決策
BIND 9.6-ESV-R4-P3/9.7.3-P3/9.8.0-P4へのアップグレード、または各ディ
ストリビューションベンダーからリリースされるパッチの適用を、速やかに
実施してください。
なお、本脆弱性の対策によりパッチ番号(patch number)が2つ更新されて
おります。アップグレード/パッチの適用の際には、十分にご注意ください。
▼参考リンク
以下に、開発元であるISCから発表されている情報(英語/日本語)、及び
JPCERT/CCから公開されている注意喚起へのリンクを記載します。また、各
ディストリビューションベンダーからの情報やCVEの情報(*1)などもご確
認の上、適切な対応をお願いいたします。
* ISC
ISC BIND 9 Remote packet Denial of Service against Authoritative and Recursive Servers
<https://www.isc.org/software/bind/advisories/cve-2011-2464>
ISC BIND 9の権威およびキャッシュサーバに対する遠隔サービス妨害攻撃
<https://www.isc.org/software/bind/advisories/CVE-2011-2464-JP>
BIND 9.6-ESV-R4-P3
<ftp://ftp.isc.org/isc/bind9/9.6-ESV-R4-P3>
BIND 9.7.3-P3
<ftp://ftp.isc.org/isc/bind9/9.7.3-P3>
BIND 9.8.0-P4
<ftp://ftp.isc.org/isc/bind9/9.8.0-P4>
* JPCERT/CC
ISC BIND 9 サービス運用妨害の脆弱性に関する注意喚起
<https://www.jpcert.or.jp/at/2011/at110019.html>
* JPNIC
ISC BIND 9 に関する脆弱性について
<http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2011/20110706-01.html>
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▼更新履歴
2011-07-05 23:15 初版作成
2011-07-08 13:00 ISCの日本語情報/JPCERT/CC/JPNICの注意喚起へのリンク追加
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