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■(緊急)BIND 9.10.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(2014年6月12日公開)
- キャッシュ/権威DNSサーバーの双方が対象、バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2014/06/12(Thu)
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▼概要
BIND 9.10.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサー
ビス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されまし
た。本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性
があります。
本脆弱性は影響が大きく、かつキャッシュDNSサーバー及び権威DNSサーバー
の双方が対象となることから、該当するシステムを運用しているユーザーは、
関連情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を速やかに取ることを
強く推奨します。
▼詳細
BIND 9.10.xにはEDNS0のオプションの処理に不具合があり、特別に作成され
たDNS問い合わせの処理において、namedが異常終了を起こす障害が発生しま
す(*1)。
(*1)本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、"REQUIRE" assertion
failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力されます。
本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。本脆弱
性を利用した攻撃はリモートから可能であり、かつ、キャッシュDNSサー
バー/権威DNSサーバーの双方が対象となります。
また、本脆弱性はBIND 9に付属のDNSライブラリ内に存在するため、当該ラ
イブラリを使用しているnamed以外のプログラムやアプリケーションなどに
おいても、影響を及ぼす可能性があります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、BIND 9.10系列のみが対象となります。
・9.10系列: 9.10.0~9.10.0-P1
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「重大(Critical)」と評価して
います。本脆弱性は、
・キャッシュDNSサーバー及び権威DNSサーバーの双方が対象となること
・namedの設定ファイル(named.conf)によるアクセスコントロール(ACL)
の設定では、影響を回避・軽減できないこと
・インターネットに直接接続していないキャッシュ/権威DNSサーバーも、
攻撃の対象となりうること
などから、広い範囲での適切な緊急対策が必要となります。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。
(*2)CVE - CVE-2014-3859
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2014-3859>
▼一時的な回避策
現時点において、本脆弱性の一時的な回避策は知られておりません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.10.0-P2)への更新、あるい
は各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を、速
やかに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応をとることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2014-3859: named can crash due to a defect in EDNS printing processing
<https://kb.isc.org/article/AA-01166/>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.10.0-P2
<http://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.0-P2/bind-9.10.0-P2.tar.gz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。
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▼更新履歴
2014/06/12 11:00 初版作成
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