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■PowerDNS Recursorの脆弱性(DNSサービスの停止)について(2014年9月11日公開)
- バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2014/09/11(Thu)
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▼概要
PowerDNS Recursorにおける実装上の不具合により、外部からのサービス不
能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のPowerDNS.COM BVから発表さ
れました。本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する
可能性があります。
該当するシステムを運用しているユーザーは、関連情報の収集やバージョン
アップなど、適切な対応を取ることを強く推奨します。
▼詳細
PowerDNSはオランダのPowerDNS.COM BVが開発している、DNSサーバーの実装
の一つです。オープンソースで開発されており、無償で入手・使用できます。
PowerDNSでは権威DNSサーバーとキャッシュDNSサーバーが別パッケージとなっ
ており、それぞれPowerDNS Authoritative Server、及びPowerDNS Recursor
として公開されています。
今回、PowerDNS Recursor 3.6.0におけるパケットの処理の不具合により、
特定の順番で不正なパケットを受信した場合、サーバープログラムが異常終
了を起こす障害が発生することが、開発元から発表されました。
本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、
本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です。
なお、開発元では、本脆弱性に起因するサーバーシステムそのものの危殆
(きたい)化やスタックオーバーフローといった悪影響は発生しないと発表
しています。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、最新版であるPowerDNS Recursor 3.6.0のみが対象となります。
3.6.0以外のバージョンや権威DNSサーバーであるPowerDNS Authoritative
Serverは、本脆弱性の対象となりません。
▽影響範囲
影響範囲の詳細につきましては、参考リンクに掲載したPowerDNS.COM BVか
ら公開されている情報をご参照ください。また、以下の脆弱性情報(*1)も
併せてご参照ください。
(*1)CVE - CVE-2014-3614
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2014-3614>
▼影響軽減策
開発元のPowerDNS.COM BVでは、設定ファイルにおけるallow-fromの設定に
よるアクセス制限、及びサーバーシステム側における自動的な再起動の設定
を、本脆弱性の影響軽減策としています。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(3.6.1)への更新、あるいは各ディ
ストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を実施してくだ
さい。
▼参考リンク
以下に、PowerDNS.COM BVから発表されている情報へのリンクを記載します。
また、各ディストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報な
ども確認の上、適切な対応をとることを強く推奨します。
- PowerDNS.COM BV
公式マニュアル
13. PowerDNS Security Advisory 2014-01: PowerDNS Recursor 3.6.1
can be crashed remotely
<https://doc.powerdns.com/html/powerdns-advisory-2014-01.html>
公式ブログ
Security Update: PowerDNS Recursor 3.6.1
<http://blog.powerdns.com/2014/09/10/security-update-powerdns-recursor-3-6-1/>
パッチバージョンの入手先
PowerDNS Downloads
<https://www.powerdns.com/downloads.html>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。
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▼更新履歴
2014/09/11 11:00 初版作成
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