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■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2015-8704)
- フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)/権威DNSサーバーの双方が対象、
バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2016/01/20(Wed)
最終更新 2016/01/20(Wed)
(「本脆弱性の概要」の脆弱性に該当する処理の例の一つを修正)
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▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ
ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。
本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ
ります。
本脆弱性はBIND 9.3.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が影響を受けるこ
とから、対象が広範囲にわたっています。該当するBIND 9.xを利用している
ユーザーは関連情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を速やかに
取ることを強く推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
BIND 9.xには文字列のフォーマット処理に不具合があり、不正なレコードを
受け取った際の内部処理において、namedが異常終了を起こす障害が発生し
ます(*1)。
(*1)本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、apl_42.cにおいて
"INSIST" assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに
出力されます。
ISCでは本脆弱性に該当する処理の例として、以下のものを挙げています。
しかし、対象はこれらに限られたものではないとしています。
・ゾーンファイルにテキストフォーマットを使用しているスレーブ(セカン
ダリ)サーバーにおいて、マスター(プライマリ)サーバーからゾーン転
送で不正なレコードを受け取る
・ゾーンファイルにテキストフォーマットを使用しているマスター(プライ
マリ)サーバーにおいて、Dynamic Updateで送られた不正なレコードを受
け入れる
・悪意を持つ権威DNSサーバーにおいて意図的に作成された不正なレコード
を受け取ったフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)において、デバッ
グログが記録される
・不正なレコードがキャッシュされているフルリゾルバーにおいて、rndc
dumpdbコマンドを実行する
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、BIND 9.3.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が該当します。
・9.10系列:9.10.0~9.10.3-P2
・9.9系列:9.9.0~9.9.8-P2、9.9.3-S1~9.9.8-S3
・上記以外の系列:9.3.0~9.8.8
なお、ISCでは9.8以前の系列のBIND 9のサポートを終了しており、これらの
バージョンに対するセキュリティパッチはリリースしないと発表しています。
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。
(*2)CVE - CVE-2015-8704
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2015-8704>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.10.3-P3/9.9.8-P3)への更
新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の
適用を、速やかに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2015-8704: Specific APL data could trigger an INSIST in apl_42.c
<https://kb.isc.org/article/AA-01335>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.10.3-P3
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.3-P3/bind-9.10.3-P3.tar.gz>
BIND 9.9.8-P3
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.8-P3/bind-9.9.8-P3.tar.gz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。
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▼更新履歴
2016/01/20 11:00 初版作成
2016/01/20 16:00 脆弱性に該当する処理の例の一つを修正
- ログが記録される → デバッグログが記録される
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