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■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2016-2776)
  - フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)/権威DNSサーバーの双方が対象、
    バージョンアップを強く推奨 -

                                株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
                                            初版作成 2016/09/28(Wed)
                                            最終更新 2016/10/03(Mon)
                       (PoCが公開され、危険性が高まっている旨を追加)
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▼概要

  BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ
  ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。
  本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ
  ります。

  本脆弱性はBIND 9.0.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が対象となり、か
  つフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)及び権威DNSサーバーの双方が
  対象となることから、対象が広範囲にわたっています。該当するBIND 9.x
  を利用しているユーザーは関連情報の収集やバージョンアップなど、適切な
  対応を速やかに取ることを強く推奨します。

  (2016年10月3日追加)本脆弱性のPoC(Proof of Concept:実証コード)が
  ネット上で公開され、攻撃発生の危険性が高まっています。改めて即時の対
  応を強く推奨します。

▼詳細

▽本脆弱性の概要

  BIND 9.xにはDNS応答を作成する処理に不具合があり、特定の問い合わせに
  対応する応答メッセージをパケットに構築する際、namedが異常終了を起こ
  す障害が発生します(*1)。

  (*1)本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、buffer.cにおいて
        assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力され
        ます。

  本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、
  本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です。

▽対象となるバージョン

  本脆弱性は、BIND 9.0.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が該当します。

  ・9.11系列:9.11.0a1~9.11.0rc1
  ・9.10系列:9.10.0~9.10.4-P2
  ・9.9系列:9.9.0~9.9.9-P2
  ・上記以外の系列:9.0.x~9.8.x

  なお、ISCでは9.8以前の系列のBIND 9のサポートを終了しており、これらの
  バージョンに対するセキュリティパッチはリリースしないと発表しています。

▽影響範囲

  ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
  本脆弱性は、

  ・外部から該当する問い合わせパケットを一つ送りつけるだけで、namedを
    異常終了させられること

  ・フルリゾルバー及び権威DNSサーバーの双方が対象となること

  ・多くのバージョンのBIND 9が対象となること

  ・namedの設定ファイル(named.conf)によるアクセスコントロール(ACL)
    や設定オプションの変更では、影響を回避・軽減できないこと

  などから、広い範囲での適切な緊急対策が必要となります。

  本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。

  (*2)CVE - CVE-2016-2776
        <https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2016-2776>

▼一時的な回避策

  本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。

▼解決策

  本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.10.4-P3/9.9.9-P3)への更
  新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の
  適用を、速やかに実施してください。

▼参考リンク

  以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
  ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
  適切な対応を取ることを強く推奨します。

  - ISC

   セキュリティアドバイザリ

    CVE-2016-2776: Assertion Failure in buffer.c While Building
                   Responses to a Specifically Constructed Request
    <https://kb.isc.org/article/AA-01419>

   パッチバージョンの入手先

    BIND 9.10.4-P3
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.4-P3/bind-9.10.4-P3.tar.gz>
    BIND 9.9.9-P3
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.9-P3/bind-9.9.9-P3.tar.gz>

▼連絡先

  本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。

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▼更新履歴
  2016/09/28 11:00 初版作成
  2016/10/03 13:00 PoCが公開され、危険性が高まっている旨を追加


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