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■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2016-8864)
- バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2016/11/02(Wed)
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▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ
ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。
本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ
ります。
本脆弱性は、フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)の機能が有効に設
定されている9.0.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が影響を受けること
から、対象が広範囲にわたっています。該当するBIND 9.xを利用しているユー
ザーは関連情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を速やかに取る
ことを強く推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
BIND 9.xにはDNS応答の処理に不具合があり、DNAMEレコードがanswer
secionに含まれている応答を処理する際、namedが異常終了を起こす障害が
発生します(*1)。
(*1)本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、resolver.cまたはdb.cで
assertion failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力され
ます。
本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、
本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、BIND 9.0.0以降のすべてのバージョンのBIND 9が該当します。
・9.11系列:9.11.0
・9.10系列:9.10.0~9.10.4-P3
・9.9系列:9.9.0~9.9.9-P3
・上記以外の系列:9.0.0~9.8.x
ISCでは、本脆弱性のリスクは主にフルリゾルバーにおけるものであり、権
威DNSサーバーではわずか(minimal)であると発表しています。
なお、ISCでは9.8以前の系列のBIND 9のサポートを終了しており、これらの
バージョンに対するセキュリティパッチはリリースしないと発表しています。
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報(*2)も併せてご参照ください。
(*2)CVE - CVE-2016-8864
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2016-8864>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.11.0-P1/9.10.4-P4/
9.9.9-P4)への更新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリリー
スされる更新の適用を、速やかに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2016-8864: A problem handling responses containing a DNAME
answer can lead to an assertion failure
<https://kb.isc.org/article/AA-01434>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.11.0-P1
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.11.0-P1/bind-9.11.0-P1.tar.gz>
BIND 9.10.4-P4
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.10.4-P4/bind-9.10.4-P4.tar.gz>
BIND 9.9.9-P4
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.9.9-P4/bind-9.9.9-P4.tar.gz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.jp> までご連絡ください。
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▼更新履歴
2016/11/02 11:00 初版作成
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