---------------------------------------------------------------------
■BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2019-6471)
- バージョンアップを推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2019/06/20(Thu)
---------------------------------------------------------------------
▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービス
不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。
本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ
ります。
本脆弱性はBIND 9.11以降のすべての系列が影響を受けます。該当するBIND
9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビューションベンダー
からリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を取る
ことを推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
BIND 9.xには実装上の不具合があり、名前解決において異常なパケットを破
棄する際に引き起こされる競合状態(race condition)により、namedが異常
終了を起こす障害が発生します[*1]。
[*1] 本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、dispatch.cでassertion
failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力されます。
本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、
本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、BIND 9.11以降の系列が該当します。
・9.14系列:9.14.0~9.14.2
・9.12系列:9.12.0~9.12.4-P1
・9.11系列:9.11.0~9.11.7
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「中(Medium)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*2]も併せてご参照ください。
[*2] CVE - CVE-2019-6471
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-6471>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.14.3/9.12.4-P2/9.11.8)へ
の更新、あるいは各ディストリビューションベンダーからリリースされる更
新の適用を実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2019-6471: A race condition when discarding malformed packets
can cause BIND to exit with an assertion failure
<https://kb.isc.org/docs/cve-2019-6471>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.14.3
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.14.3/bind-9.14.3.tar.gz>
BIND 9.12.4-P2
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.12.4-P2/bind-9.12.4-P2.tar.gz>
BIND 9.11.8
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.11.8/bind-9.11.8.tar.gz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
---------------------------------------------------------------------
▼更新履歴
2019/06/20 11:00 初版作成
株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2024 Japan Registry Services Co., Ltd.