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■BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2019-6476)
- バージョンアップを推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2019/10/17(Thu)
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▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービス
不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。
本脆弱性により、提供者が意図しないサービスの停止が発生する可能性があ
ります。
本脆弱性は、BIND 9.14以降の系列が影響を受けます。該当するBIND 9のパッ
ケージを利用しているユーザーは、各ディストリビューションベンダーから
リリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適切な対応を取ること
を推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
QNAME minimisationはRFC 7816で定義される、プライバシー保護の観点から、
フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)の名前解決アルゴリズムを変更
する仕組みです。
通常の名前解決アルゴリズムでは、フルリゾルバーは利用者が問い合わせた
ドメイン名・タイプを、ルートサーバーやTLDの権威DNSサーバーにそのまま
問い合わせます。これに対し、QNAME minimisationでは名前解決に必要な最
低限の情報である子のNSレコードを問い合わせるように、アルゴリズムを変
更します。BIND 9では9.14.0からQNAME minimisationが、デフォルトで有効
(relaxed)になっています。
BIND 9.xのQNAME minimisationには実装上の不具合があり、フォワード先と
して設定しているリゾルバーから委任応答(referral)を受け取った際、
namedが異常終了を起こす障害が発生します。
本脆弱性により、DNSサービスの停止が発生する可能性があります。また、
本脆弱性を利用した攻撃はリモートから可能です[*1]。
[*1] 攻撃者が当該ゾーンを事前準備し、そのゾーンの名前解決を実行する
ように仕向けるなどの方法が考えられます。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、BIND 9.14以降の系列が該当します。
・9.14系列:9.14.0~9.14.6
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「中(Medium)」と評価していま
す。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*2]も併せてご参照ください。
[*2] CVE - CVE-2019-6476
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-6476>
▼一時的な回避策
設定ファイル(通常はnamed.conf)のglobal options sectionで
"qname-minimization disabled;" を設定し、QNAME minimisationを無効
(disabled)にすることで、本脆弱性を回避できます。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.14.7)への更新、あるいは
各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を実施し
てください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2019-6476: An error in QNAME minimization code can cause BIND
to exit with an assertion failure
<https://kb.isc.org/docs/cve-2019-6476>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.14.7
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.14.7/bind-9.14.7.tar.gz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2019/10/17 11:00 初版作成
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