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■BIND 9.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2020-8620)
- バージョンアップを推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2020/08/21(Fri)
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▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサービ
ス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。
本脆弱性により、提供者が意図しないDNSサービスの停止が発生する可能性
があります。
該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
切な対応を取ることを推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
libuvはマルチプラットフォームをサポートする、非同期I/Oのためのライブ
ラリです。BIND 9.xの安定版では9.16系列から、libuvが使われています。
BIND 9.xにはlibuvを使用する際の最大バッファサイズの指定に不具合があ
り、特別に作成された大きなTCPメッセージを受信した場合、namedが異常終
了する可能性があります[*1]。
[*1] 本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、tcpdns.cでassertion
failureを引き起こした旨のメッセージがログに出力されます。
そのため、外部の攻撃者がサーバーにTCPで接続して当該データを送信する
ことで、当該サーバーのDNSサービスを停止させることが可能になります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。
・9.16系列:9.16.0~9.16.5
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「中(Medium)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*2]も併せてご参照ください。
[*2] CVE - CVE-2020-8620
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8620>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.16.6)への更新、あるいは、
各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を実施し
てください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2020-8620: A specially crafted large TCP payload can trigger
an assertion failure in tcpdns.c
<https://kb.isc.org/docs/cve-2020-8620>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.16.6
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.16.6/bind-9.16.6.tar.xz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2020/08/21 10:00 初版作成
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