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■(緊急)BIND 9.18.0の脆弱性(DNSサービスの停止)について
(CVE-2022-0667)
- BIND 9.18.0のみが対象、バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2022/03/17(Thu)
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▼概要
BIND 9.18.0における実装上の不具合により、namedに対する外部からのサー
ビス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されまし
た。本脆弱性により、提供者が意図しないDNSサービスの停止が発生する可能
性があります。
該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。
本脆弱性は、BIND 9.18.0のみが対象となります。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
DSレコード[*1]は、親ゾーンに設定されるリソースレコードです。DNSSEC検
証を実施するフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)では、親ゾーンの
DSレコードの内容と子ゾーンのDNSKEYレコード[*2]の情報を照合することで、
DNSSECの信頼の連鎖を検証します。
[*1] JPRS用語辞典|DSリソースレコード(ディーエスリソースレコード)
<https://jprs.jp/glossary/index.php?ID=0213>
[*2] JPRS用語辞典|DNSKEYリソースレコード(ディーエヌエスキーリソース
レコード)
<https://jprs.jp/glossary/index.php?ID=0214>
BIND 9.18.0では、名前解決を実行する部分の実装がリファクタリング[*3]
されました。しかし、リファクタリングによる不具合のため、DSレコードを
要求する部分の処理において、namedが異常終了する可能性があります[*4]。
[*3] プログラムの動作を変えずにソースコードの内部構造を整理して、保
守性を向上させること。
[*4] 本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、assertion failureを引き
起こした旨のメッセージがログに出力されます。
そのため、外部の攻撃者がこの状況を発生させることができた場合、当該サー
バーのDNSサービスを停止させることが可能になります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。
・9.18系列:9.18.0
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*5]も併せてご参照ください。
[*5] CVE - CVE-2022-0667
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-0667>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.18.1)への更新、あるいは、
各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を、速や
かに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2022-0667: Assertion failure on delayed DS lookup
<https://kb.isc.org/docs/cve-2022-0667>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.18.1
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.1/bind-9.18.1.tar.xz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2022/03/17 10:00 初版作成
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