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■(緊急)BIND 9.18.xの脆弱性(DNSサービスの停止)について(CVE-2022-1183)
- BIND 9.18系列のみが対象、バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2022/05/19(Thu)
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▼概要
BIND 9.18.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からのサー
ビス不能(DoS)攻撃が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されまし
た。本脆弱性により、提供者が意図しないDNSサービスの停止が発生する可
能性があります。
該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。
本脆弱性はBIND 9.18系列のnamedにおいて、DNS over HTTPSでの接続を有効
にしている場合のみ対象となります。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
DNS over HTTPSはRFC 8484で定義される、DNSクライアントとフルリゾルバー
(キャッシュDNSサーバー)の間の通信をHTTPSで暗号化することで、利用者
のプライバシーを保護するための機能です。
BIND 9.18系列にはDNS over HTTPSの実装に不具合があり、DNS over HTTPS
での接続を有効にしているnamedにおいて、TLSの接続が早期に破棄された際、
namedが異常終了する可能性があります[*1][*2]。
[*1] 本脆弱性によりnamedが異常終了した場合、assertion failureを引き
起こした旨のメッセージがログに出力されます。
[*2] TLSはDNS over TLSとDNS over HTTPSの双方で使われていますが、DNS
over TLSのみを有効にしている場合は、本脆弱性の対象外となります。
そのため、外部の攻撃者がこの状況を発生させることができた場合、当該サー
バーのDNSサービスを停止させることが可能になります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。
・9.18系列:9.18.0-9.18.2
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
本脆弱性は、namedの設定ファイル(通常はnamed.conf)の「listen-on」ス
テートメントにおいて、「http」が設定されている場合のみ対象となります。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*3]も併せてご参照ください。
[*3] CVE - CVE-2022-1183
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-1183>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.18.3)への更新、あるいは、
各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を、速や
かに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2022-1183: Destroying a TLS session early causes assertion
failure
<https://kb.isc.org/docs/cve-2022-1183>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.18.3
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.3/bind-9.18.3.tar.xz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2022/05/19 10:00 初版作成
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