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■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(メモリリークの発生)について(CVE-2022-38178)
- バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2022/09/22(Thu)
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▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からの攻撃が
可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。本脆弱性により
namedを含む当該サーバーで動作しているプログラム/システムがメモリ不
足に陥り、異常動作や停止が発生する可能性があります。
該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
EdDSAはD. J. Bernstein氏のチームが開発したデジタル署名の方式で、従来
の方式と比べ、高速かつ高いレベルのセキュリティを実現できます。EdDSA
の実装であるEd25519とEd448は、DNSSECの署名アルゴリズムの一つとして使
われています。
BIND 9.xにはDNSSEC署名検証の実装に不具合があり、不正なEdDSA署名を持
つDNS応答の検証において、メモリリークが発生する可能性があります。
本脆弱性を利用して、外部の攻撃者がnamedプロセスのメモリ消費量を増大
させ、namedを含む当該サーバーで動作しているプログラム/システムをメ
モリ不足に陥らせることで、異常動作や停止を誘発させることが可能になり
ます。
また、namedプロセスのメモリ使用量がオペレーティングシステムによって
制限されていない場合、システムで使用可能なすべてのメモリが枯渇し、シ
ステム全体に悪影響が及ぶ可能性があります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。
・9.18系列:9.18.0-9.18.6
・それ以外の系列:9.9.12-9.9.13、9.10.7-9.10.8、9.11.3-9.16.32
なお、ISCではサポートを終了した系列のセキュリティパッチはリリースし
ないと発表しています。
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*1]も併せてご参照ください。
[*1] CVE - CVE-2022-38178
<https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-38178>
▼一時的な回避策
namedの設定ファイル(通常はnamed.conf)において、disable-algorithms
オプションでED25519とED448アルゴリズムを無効にすることで、本脆弱性を
回避できます。
なお、当該オプションを設定した場合、これらのアルゴリズムで署名されて
いるゾーンは安全ではない(Insecure)と扱われます。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.18.7/9.16.33)への更新、
あるいは、各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適
用を、速やかに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2022-38178: Memory leaks in EdDSA DNSSEC verification code
<https://kb.isc.org/docs/cve-2022-38178>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.18.7
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.7/bind-9.18.7.tar.xz>
BIND 9.16.33
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.16.33/bind-9.16.33.tar.xz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2022/09/22 10:00 初版作成
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