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■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(メモリ不足の発生)について(CVE-2023-6516)
- バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2024/02/14(Wed)
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▼概要
BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からの攻撃が
可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。本脆弱性により
namedを含む当該サーバーで動作しているプログラム/システムがメモリ不
足に陥り、異常動作や停止が発生する可能性があります。
該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)は名前解決で得られた応答をキャッ
シュし、次回以降の名前解決に使います。キャッシュデータベースの効率を
維持するため、namedは非同期のものを含むいくつかの方法で、データベー
スをクリーンアップするキャッシュクリーニングを試みます。
BIND 9.xにはキャッシュクリーニングの実装に不具合があり、namedが特定
のタイプのキャッシュクリーニングを誘発する問い合わせパターンを継続的
に処理することでキャッシュクリーンアップのイベントを適時に処理できな
くなり、処理が滞る可能性があることが判明しました。
これを利用し、外部の攻撃者がnamedプロセスのメモリ消費量を増大させ、
namedを含む当該サーバーで動作しているプログラム/システムをメモリ不
足に陥らせることで、異常動作や停止が誘発される可能性があります。
また、namedプロセスのメモリ使用量がオペレーティングシステムによって
制限されていない場合、使用可能なすべてのメモリが枯渇し、システム全体
に悪影響が及ぶ可能性があります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。
・9.16系列:9.16.0-9.16.45
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*1]も併せてご参照ください。
[*1] CVE Record | CVE
<https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2023-6516>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.16.48)への更新、あるいは、
各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を、速や
かに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2023-6516: Specific recursive query patterns may lead to an
out-of-memory condition
<https://kb.isc.org/docs/cve-2023-6516>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.16.48
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.16.48/bind-9.16.48.tar.xz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2024/02/14 11:00 初版作成
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