DNS関連技術情報のトップへ戻る

---------------------------------------------------------------------
■(緊急)BIND 9.xの脆弱性(過剰なCPU負荷の誘発)について(CVE-2025-8677)
  - バージョンアップを強く推奨 -

                                株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
                                            初版作成 2025/10/23(Thu)
---------------------------------------------------------------------
▼概要

  BIND 9.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からの攻撃が
  可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。本脆弱性により、
  namedにおいて過剰なCPU負荷が誘発され、結果としてサービスの停止や品質
  低下などが発生する可能性があります。

  該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
  ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
  切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。

▼詳細

▽本脆弱性の概要

  DNSSECでは、公開鍵暗号技術により応答を検証します。検証に用いる公開鍵
  はDNSKEYリソースレコード(RR)の形で、ゾーンデータとして公開されます。

  BIND 9.xにはDNSKEY RRの取り扱いに不具合があり、特別に細工された
  DNSKEY RRを含むゾーンの名前を検証する際にCPUリソースが枯渇し、named
  のパフォーマンスが低下する可能性があります。

  そのため、外部の攻撃者がこの状況を発生させることができた場合、named
  のパフォーマンスが低下し、サービスが妨害される可能性があります。

▽対象となるバージョン

  本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。

  ・9.20系列:9.20.0-9.20.13
  ・9.18系列:9.18.0-9.18.39

▽影響範囲

  ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「高(High)」と評価しています。

  本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*1]も併せてご参照ください。

  [*1] CVE Record | CVE
       <https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2025-8677>

▼一時的な回避策

  本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。

▼解決策

  本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.20.15/9.18.41)への更新、
  あるいは、各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適
  用を、速やかに実施してください。

▼参考リンク

  以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
  ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
  適切な対応を取ることを強く推奨します。

  - ISC

   セキュリティアドバイザリ

    CVE-2025-8677: Resource exhaustion via malformed DNSKEY handling
    <https://kb.isc.org/docs/cve-2025-8677>

   パッチバージョンの入手先

    BIND 9.20.15
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.20.15/bind-9.20.15.tar.xz>

    BIND 9.18.41
    <https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.18.41/bind-9.18.41.tar.xz>

▼連絡先

  本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
  さい。

---------------------------------------------------------------------
▼更新履歴
  2025/10/23 11:00 初版作成

株式会社日本レジストリサービス Copyright©2001-2025 Japan Registry Services Co., Ltd.