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■BIND 9.20.xの脆弱性(ACLのバイパス)について(CVE-2026-3591)
- フルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)/権威DNSサーバーの双方が対象、
バージョンアップを強く推奨 -
株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
初版作成 2026/03/26(Thu)
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▼概要
BIND 9.20.xにおける実装上の不具合により、namedに対する外部からの攻撃
が可能となる脆弱性が、開発元のISCから発表されました。本脆弱性により、
提供者がnamedの設定で制限しているDNSサービスへのアクセスが、誤って許
可される可能性があります。
本脆弱性はフルリゾルバー(キャッシュDNSサーバー)及び権威DNSサーバー
の双方が対象となります。
該当するBIND 9のパッケージを利用しているユーザーは、各ディストリビュー
ションベンダーからリリースされる情報の収集やバージョンアップなど、適
切な対応を速やかに取ることを強く推奨します。
本脆弱性は、BIND 9.20系列のみ対象となります。
▼詳細
▽本脆弱性の概要
SIG(0)はRFC 2931で定義される、DNSの通信(トランザクション)に署名を
付加し、安全性を高めるための仕組みです。同様の仕組みとしてRFC 8945で
定義されるTSIGがあり、TSIGでは共有鍵が使われるのに対し、SIG(0)では公
開鍵暗号による鍵ペアが使われます。
BIND 9.20.xにはSIG(0)で署名されたDNSメッセージの処理に不具合があり、
特別に細工されたDNS問い合わせを処理する際にサーバーの管理者がnamedの
アクセスコントロールリスト(ACL)で拒否しているIPアドレスからのアクセ
スを、誤って許可してしまう可能性があります。
そのため、外部の攻撃者がこの状況を発生させることができた場合、サーバー
の管理者がnamedのACLでアクセスを拒否しているIPアドレスから、DNSサー
ビスを不正に使用することが可能になります。
▽対象となるバージョン
本脆弱性は、以下のバージョンのBIND 9が該当します。
・9.20系列:9.20.0-9.20.20
▽影響範囲
ISCは、本脆弱性の深刻度(Severity)を「中(Medium)」と評価していま
す。本脆弱性は、フルリゾルバー及び権威DNSサーバーの双方が対象となる
ことから、広い範囲での適切な対策が必要となります。
本脆弱性については、以下の脆弱性情報[*1]も併せてご参照ください。
[*1] CVE Record | CVE
<https://www.cve.org/CVERecord?id=CVE-2026-3591>
▼一時的な回避策
本脆弱性の一時的な回避策は存在しません。
▼解決策
本脆弱性を修正したパッチバージョン(BIND 9.20.21)への更新、あるいは、
各ディストリビューションベンダーからリリースされる更新の適用を、速や
かに実施してください。
▼参考リンク
以下に、ISCから発表されている情報へのリンクを記載します。また、各ディ
ストリビューションベンダーからの情報や前述のCVEの情報なども確認の上、
適切な対応を取ることを強く推奨します。
- ISC
セキュリティアドバイザリ
CVE-2026-3591: A stack use-after-return flaw in SIG(0) handling
code may enable ACL bypass
<https://kb.isc.org/docs/cve-2026-3591>
パッチバージョンの入手先
BIND 9.20.21
<https://ftp.isc.org/isc/bind9/9.20.21/bind-9.20.21.tar.xz>
▼連絡先
本文書に関するお問い合わせは <dnstech-info@jprs.co.jp> までご連絡くだ
さい。
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▼更新履歴
2026/03/26 11:00 初版作成
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