日本語JPナビ仕様書
「日本語JPナビ」は 2009年3月15日(日)に提供を終了しました。
→日本語JPナビ終了のお知らせ
2004年2月12日(木) 公開
2006年4月28日(金) 更新
2006年4月28日(金) 実施
株式会社日本レジストリサービス
目次
日本語JPナビの目的
インターネットユーザが日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを用いていない場合、日本語JPドメイン名のURIにアクセスしようとしてもエラーとなってしまいます。この時、
- インターネットユーザはブラウザのエラー画面を目にするだけで、自分がなぜ日本語JPドメイン名のURIを用いたWebサイトにアクセスできなかったのかがわからない。
- 日本語JPドメイン名の登録者は、日本語JPドメイン名のURIを用いたWebサイトにアクセスしてもらいたいが、ユーザに日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザが必要であるということを知ってもらうことが難しい。
- ユーザが日本語JPドメイン名に対応していないWebブラウザを使っていると、技術標準に定められていない形のDNS問い合わせやWeb接続要求が発生し、インターネットの運用者にとっての障害となる。
という問題が発生します。これらの問題を解決するため、日本語JPドメイン名のURIにアクセスしようとしたユーザに、日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを紹介し、アクセスすることができるようにする仕組みが「日本語JPナビ」です。
日本語JPナビの概要
日本語JPドメイン名に対応していないWebブラウザを用いているユーザが、日本語JPドメイン名のURIにアクセスしようとしたとき、現在は「ページが見つからない」や「DNSエラー」などのエラーメッセージがブラウザの画面に表示されます。
日本語JPナビでは、このような場合に、エラーメッセージではなく、次のように日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを導入するための案内を表示します。
これにより、日本語JPドメイン名のURIにアクセスしようと思ったユーザは、日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを導入することができ、Webサイトにアクセスできるようになります。
一度日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを導入したユーザは、そのWebブラウザを利用している限り、その後は日本語JPナビを利用することはありません。
日本語JPナビの効果
日本語JPナビの提供により、次の効果が期待できます。
- インターネットユーザは、日本語JPドメイン名に対応していないWebブラウザを使っていても、日本語JPドメイン名のURIにアクセスしようとすることにより、アクセスする方法がわかるようになる。
- 日本語JPドメイン名の登録者は、ユーザが日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを持っているかどうかを気にすることなく、日本語JPドメイン名のURIを用いたWebサイトを展開することができる。
- 標準外のDNS問い合わせやWeb接続要求は、日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザを利用するユーザが増えるにしたがって、減少していく。
なお、日本語JPナビは、登録されている日本語JPドメイン名のみを対象とするため、ASCII文字のドメイン名や、登録されていないドメイン名へのあらゆるアクセスに対して影響を及ぼしません。
動作条件
アクセスされる日本語JPドメイン名の条件
- 登録されている日本語JPドメイン名であること
- 日本語JPナビは、登録されている日本語JPドメイン名へのアクセスのみを対象とします。
- 登録されていない日本語JPドメイン名へのアクセスの場合は、日本語JPナビは動作しません。通常通りDNSは「そのドメイン名は存在しない」という応答を返します。
- 日本語JPドメイン名の登録者が日本語JPナビの利用を申し込んでいること
- 日本語JPナビは、日本語JPドメイン名の登録者が自分のドメイン名にこのサービスを必要としている場合にのみ動作するようにします。
- 日本語JPドメイン名の登録者は、指定事業者を通じてJPRSに日本語JPナビの申し込み手続を行っていただきます。
- ネームサーバ設定手続が行われている日本語JPドメイン名であること
- ネームサーバ設定手続が行われていない(ドメイン名のネームサーバが指定されていない)日本語JPドメイン名は、運用されていない日本語JPドメイン名と見なし、日本語JPナビを適用しません。
アクセスするユーザ側の条件
- URI入力は「http://株式会社ABCカンパニー.jp/」という形式であること
- 先頭に「http://」が半角文字で付加されていること。
- 日本語JPドメイン名の最後に「.jp」が半角文字で付加されていること。
- 日本語JPドメイン名中の英数字が全て半角で入力されていること。
- 日本語JPドメイン名中の片仮名が全て全角で入力されていること。
- (同様の形式でHTML中でリンクとして記述されている場合を含む。この場合のHTMLの文字コードはUTF-8もしくはShift JISであること)
- OSはWindows XP、もしくはWindows 2000であり、ブラウザはInternet Explorer 6以降であること
- その他のOS、ブラウザの組み合わせについては保証していません。
- Webアクセスについてプロキシサーバを用いていないこと
- プロキシサーバを経由してWebアクセスを行っている場合の動作については保証していません。
- 利用しているDNSキャッシュサーバが最新版であること。
- BINDの9.2.3、9.2.2、8.3.7において動作することを確認しています。
- djbdnsのdnscacheにおいて動作することを確認しています。
- Windows 2000 Server、Windows Server 2003において動作することを確認しています。
- 利用しているDNSキャッシュサーバにdelegation-onlyの設定がされていないこと
※ユーザ側の条件により日本語JPナビが動作しない環境において日本語JPドメイン名のURIへアクセスする場合には、事前に日本語JPドメイン名に対応したブラウザをインストールしておく必要があります。
日本語JPナビの手続と提供期間
- 日本語JPナビをご利用いただくためには、登録されている日本語JPドメイン名に対して、指定事業者を通して日本語JPナビの有効化を設定する手続が必要となります。
- 日本語JPナビに関する手続の開始・終了日時、方法、費用については、指定事業者が独自に定めます。
- 日本語JPナビの有効化を設定・解除する手続は指定事業者がJPRSに対して行い、その完了をもってJPRSへの設定・解除の手続が完了したものとします。
- 日本語JPナビの登録情報は、申請処理完了後15分程度(※)をめどに順次更新します。日本語JPナビが有効となるタイミングの詳細については指定事業者にお問い合わせください
※メンテナンスやその他の理由により更新を一時停止することがあります。また、申請の集中等による負荷の変動や運用の都合により、一時的に更新までの時間が延びる可能性があります。
- 日本語JPナビの設定内容は、日本語JPドメイン名の登録情報の一部として扱います。
- 日本語JPナビの対象となる日本語JPドメイン名の登録更新手続が行われた際、日本語JPナビの設定内容もそのまま更新されます。
- 日本語JPナビの対象となる日本語JPドメイン名を指定事業者変更した場合も、日本語JPナビの設定内容はそのまま維持されます。
- 日本語JPナビの対象となる日本語JPドメイン名を移転登録した場合も、日本語JPナビの設定内容はそのまま維持されます。
- 日本語JPナビは、日本語JPドメイン名の利用環境が十分に普及するなど、JPRSが日本語JPナビの継続が不要であると判断した時、十分な事前周知期間を置いた後に終了するものとします。
日本語JPナビの仕組み
日本語JPナビは、下図のような仕組みで動作します。
日本語JPドメイン名に対応したWebブラウザは、ドメイン名をDNSで検索する際に、日本語JPドメイン名をPunycodeと呼ばれるコード変換アルゴリズムで変換してから検索します。しかし、日本語JPドメイン名に対応していないWebブラウザはPunycode変換を行いません。
Windows 2000およびXPでInternet Explorer 6以降を利用している場合、日本語JPドメイン名に対応していない状況では、DNS検索はUTF-8というエンコード方式で行われます。日本語JPナビでは、このUTF-8による日本語JPドメイン名のDNS検索を受け付け、日本語JPナビ専用のWebサーバのIPアドレスを返します。
これにより、日本語JPドメイン名に対応していないWebブラウザからのアクセスが行われた際に、日本語JPナビの画面を表示することができます。
JP DNSへのリソースレコード追加
日本語JPナビを設定した日本語JPドメイン名は、通常のPunycodeによるリソースレコードの他に、以下のリソースレコードをJP DNSに登録します。
<UTF8> IN A <日本語JPナビのIPアドレス>
<UTF8> IN MX 10 <ダミーホスト名>
セキュリティ・プライバシへの考慮
日本語JPナビのWebサーバは、HTTPアクセスの履歴として、アクセス元のIPアドレスと、アクセスしようとしたURIを知ることができます。言い換えれば、日本語JPドメイン名に対応していないWebブラウザを利用しているユーザのIPアドレスと、そのユーザがどの日本語JPドメイン名にアクセスしようとしたかを知ることができます。
ユーザのアクセスに関する情報を保護するため、JPRSでは、日本語JPナビのWebサーバのHTTPアクセスログを厳重に管理し、第三者に漏洩しないために可能な措置を取ります。
また、日本語JPナビはWebアクセスを対象としたものですが、日本語JPドメイン名に対応していない電子メールソフトウェアからの電子メール送信のための接続要求を受ける可能性があります。この際、電子メールの送信に関わるプライバシー情報の漏洩を防ぐため、日本語JPナビでは以下の措置を取ります。
- UTF-8で表現した日本語JPドメイン名にMXレコードを設定します。この時、存在しないホスト名を指定することで、電子メール送信のための接続が行われないようにします。
- 一部の電子メールソフトウェアでは、MXレコードで設定されたホストに接続できない場合、Aレコードに記述されたアドレスに接続しようとします。このようなソフトウェアへの対策として、日本語JPナビのWebサーバでは、SMTPサービスを立ち上げないものとします。
この2点の措置により、日本語JPドメイン名に対応していない電子メールソフトウェアからの接続を完全に遮断し、誰がどのドメイン名のユーザに電子メールを送ろうとしたかという情報をJPRSが得ることができない状態にします。
免責
- JPRSは、ユーザが利用するブラウザなどのアプリケーションやプロキシサーバ、その他のアプリケーション・サービスの仕様や、ネットワーク条件の変更などにより、日本語JPナビの仕様を変更することがあります。また、同様の理由で日本語JPナビの動作条件が変更となることがあります。
- JPRSは、アプリケーションその他の仕様変更など、やむを得ない事由により日本語JPナビを提供できない状況となることがあります。
- JPRSは、日本語JPナビに関する手続により登録された情報について、JP DNSの運用や、その他サービスの運用上の理由等により、その内容を変更することがあります。
- JPRSは、請求の原因のいかんにかかわらず、日本語JPナビの利用、提供、不提供および仕様変更によって発生したいかなる損害についても、利用者を含む何人に対しても一切の責任を負わないものとします。
更新履歴
- 2004年2月12日(木) 公開
- 2004年3月2日(火) タイプミスの修正
- 2006年4月3日(月) DNSの更新間隔変更に伴う修正
- 2006年4月28日(金) 古い記述が残っていた部分の削除