メニュー

委員会資料

第10回JPドメイン名諮問委員会議事録

  株式会社日本レジストリサービス  第10回JPドメイン名諮問委員会議事録


1. 日    時: 2004年8月24日(火) 13:00 ~ 16:00


2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス内会議室
	   東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F


3. 出 席 者: 後藤滋樹委員長
              松本恒雄副委員長
              飯塚久夫委員
              加藤真代委員
              加藤雄一委員
              島田精一委員


4. 陪 席 者:  佐野晋(JPRS 代表取締役副社長)
              渡邊哲男(JPRS 取締役)
              堀田博文(JPRS 取締役)
              宇井隆晴(JPドメイン名諮問委員会事務局)


5. 次  第:

   1. 開会
   2. 議題
       (1) JPドメイン名の登録に関わる基本的な手続への柔軟性の導入について
       (2) 第3期 JP ドメイン名諮問委員会委員の選任方法について
       (3) その他
   3. 閉会


6. 資  料

   資料1 JPドメイン名諮問委員一覧
   資料2 第9回JPドメイン名諮問委員会における 諮問書JPRS-ADV-2004001
	 に関する議論のまとめと事務局における検討内容
   資料3 諮問書JPRS-ADV-2004001に対する答申骨子(案)

   参考資料 JPドメイン名諮問委員会規則


7. 議  事(◎は委員長、○は委員、●は JPRS 取締役および事務局の発言)

《開催の挨拶》

●本日6名全員の委員にご出席をいただき、諮問委員会規則での議決定足数を
満たしている。また、本日は、JPRSの役員として、副社長の佐野、役員の堀田、
渡邊、および事務局より宇井が陪席させていただくことをご了承お願い申し上
げたい。

 《JPドメイン名の登録に関わる基本的な手続きへの柔軟性の導入について》

◎まず、前回議論のまとめと、実際の手続としてそれが実行可能かどうかとい
う検討について、事務局の方からご説明いただきたい。

   資料2「諮問書:JPRS-ADV-2004001 第9回JPドメイン名諮問委員会における
   諮問書に関する議論のまとめと事務局における検討内容」と、資料3「諮問
   書JPRS-ADV-2004001に対する答申骨子(案)」について説明した参考資料
   につき、事務局より説明が行われた。

●事務局における検討内容をふまえ、前回の議論をまとめると、
    1.JPドメイン名の新規登録後、一定期間の登録撤回期間を設ける。
    2.JPドメイン名の廃止後、一定期間の登録回復期間を設ける。
  のが妥当であると考える。

これら2つの手続導入に関しては、規定を明確にして公開し、公平な適用を行
うことが必要。これらの手続の導入が、手続を利用しない登録者・指定事業者
への負担増加とならないよう配慮することも必要であり、受益者負担として手
続への課金も検討すべきである。

◎それでは、ただいまのご説明に対する質問、あるいは、答申の骨子に盛り込
むべき件についてご意見をいただきたい。

○「受益者負担として手続きへの課金も検討すべきである」というのはもっと
もとは思うが、受益者負担と言った場合、登録者と指定事業者では責任も負担
能力も重みが違う。エンドユーザーの保護ということを考えると、登録者と指
定事業者を分けて議論をすべきか、指定事業者間の自然な競争に期待すべきか
ということが問題。

また、もう一つ質問として、「課金」というのはいくらくらいのイメージでい
るのか。

●課金のボリュームは、すでにそういった手続きを導入している他のドメイン
名の事例を見ると、だいたい登録料と同じくらいか、もしくはその数倍以内の
ところが多い。

○それを負担するのが登録者なのが事業者なのかは別として、レジストリ側か
ら要求する料金がそういうことなのか。

●レジストリが事業者に課金する料金が、そのようになっている。実際に、そ
の責任が登録者に帰するものである場合には、おそらく登録者が支払うという
契約が事業者と登録者の間にあるだろうから、事業者がさらに登録者に請求す
る、という形になるかと思う。

○数倍ということもあるのか。

●ある。特に登録の回復については、少し高めの値付けをしているところがあ
る。これは悪用防止という理由もあるようだ。逆に登録の撤回については無料
もしくは非常に安価である。

○課金の相手を指定事業者とするのか、登録者とするのかということについて
はどう思われるか。

●課金についてはレジストリから指定事業者に対して行い、責任の追及のしか
たもレジストリから指定事業者に対して行うのが一般的。実際にそういったト
ラブルが指定事業者の責によって起こったのか登録者の責によって起こったの
か、ということについては、レジストリとしては関知せず、レジストリからの
課金や責任についてどちらが負担するのかということについては、事業者とユー
ザーとの間の契約の中で定められていると考えている。

●指定事業者が登録者に対して十分な説明をするという義務に関しては、指定
事業者の業務の適正さを見るという責任はレジストリにあり、その部分につい
てはきちんと行う。その上で間違いが起こったのであれば、指定事業者と登録
者の間で解決すべき問題であると考える。

○登録撤回の手数料が登録の手数料と同じくらいだということは、ユーザーが
誤ってドメイン名を登録した場合、撤回手続を使う方が良いのか、もう一つ別
のドメイン名を登録する方が良いのか。

●他のTLDの相場から言うと、登録の撤回の際は無料かもしくは非常に安価で
ある。登録の回復は、登録料と同じか登録料の2倍か3倍くらいの値段である。

ここから先は推測だが、登録の撤回については撤回することで起こるトラブル
もあまり想定できず、起こるリスク等も少ない。また、レジストリから見ると、
登録が撤回された後には正しいドメイン名の登録が期待できるために課金は行っ
ていないのではないか、と思う。

○誤って廃止てしまったのを復活させるときについては、もう一度登録しなお
しと同じ、あるいはそれ以上のコストがかかるが、従来のを引き続き使えると
いうメリットがそのコストよりはあるだろうという判断か。

●登録回復の場合は、登録を回復したいというユーザに対するメリットが大き
いため、レジストリとしては適切なコスト回収ができるという状況があると考
えられる。

○廃止ドメイン名に関して一時凍結期間を置く理由の説明が資料中にあるが、
属性型・地域型は6ヶ月、汎用は1ヶ月とした理由は何か。

●属性型・地域型JPドメイン名の方は、非常に長期に渡って使われる傾向が強
い状況にあった。co.jpなどは一回登録されるとなかなか廃止されず、また会
社が使うため、廃止後半年ぐらいは一時凍結期間として、ということでこの6ヶ
月が設定されている。その後、汎用JPドメイン名の導入の検討がなされたが、
もっと短期での登録や廃止が繰り返されることも想定され、非常に入れ替わり
が活性的なドメイン名となる可能性が高く、1ヶ月でも運用上支障はないだろ
うという判断をした。

○今までの運用の実体論ということで、感覚的にも合っているように思う。

◎答申の骨子の中では、手続きとして登録の撤回、廃止の直後において登録の
回復というという2つを決めて、これは明確に決めて公開し、公平に適用する
と言うことをねらう。そのときに具体的な期間の長さ等については、他に同様
の施策が行われている実例や、実際に業務にかかわるような人のご意見を聞い
たほうがよかろうということで、具体的な手続きの詳細についてはJPRSとそれ
らの方々の相談にゆだねるということになる。

料金についても同じように合理的な理由に基づいて決めていただくということ
で、答申案としては基本的な考え方として必要な手続き等を明確に定めて公開
するというところを書くというところが今回の答申の骨子となるが、それでよ
いか。

骨子がそれでよいということであれば、具体的な文言についてはこの委員会の
場でやるのは少し手数がかかるため、再び事務局の方に答申の案を文章として
まとめていただき、後日委員の方々にはメールあるいは郵送等でご確認をいた
だいて答申案を作っていく、ということでよいか。

この場では、骨子については了承した、ということにしたい。

        資料3「諮問書JPRS-ADV-2004001に対する答申骨子(案)」に基づき、
        答申書案の作成を行い、委員による確認をもって、諮問書「JPドメイ
        ン名の登録に関わる基本的な手続への柔軟性の導入について
        (JPRS-ADV-2004001)」に対する答申とすることが承認された。


 《第3期 JP ドメイン名諮問委員会委員の選任方法について》

◎当委員会は、委員会規則により2年を一期として、2年ごとに委員の改選を行
う、という形で運営しており、来年の2月で2004年度の委員会活動の終了後、
第3期の改選を行う予定である。

前回の改選時に現在の第2期の委員を選出した際には、JPRSから選任方法に関
する諮問をいただき、公平性・中立性を重視する観点から、それぞれ異なる分
野の視点や専門知識をお持ちの方々にご意見をいただくという目的で、6つの
団体等より、それぞれを一名ずつ選出し、委員のメンバについては、委員会自
身で推薦を行う、という内容の答申を行った。

今回も、JPRSから改めて委員の選任に関する諮問をいただくことになるかと思
うが、これに先立ち次期委員の選任方法についてこの場でご相談させていただ
きたい。

○本委員会発足時におけるJPNICからの推薦状では、インターネットユーザの
場合は消費者を代表する団体であること、という形になっているが、やはり同
様の形を踏襲したほうが良いのか。

◎発足時には推薦をいただかないと構成ができなかったという経緯でJPNICか
ら委員の推薦をいただいたが、現在の委員については委員会自身の推薦で選任
されている。考え方としては、団体ではなくそれぞれの委員個人の経歴や知識
等に基づいて就任をお願いしている。

○インターネットユーザ代表としては、できるだけ消費者の声を反映すべく、
いろいろな団体の意見をもらって進めていたが、意見を取りまとめるのが難し
い側面もある。前回の選任の際には、企業の委員会に消費者団体の役員を選出
することの難しさもあり、一時的にインターネットユーザjの代表が不在だっ
た期間もあった。

●インターネットユーザ代表に関しては、初期的にJPNICからご推薦をいただ
いたなかで、まずは主婦連合会という組織のなかでご参加をお願いしたが、趣
旨としては、実質的に消費者の立場を代表していただける方ということであり、
委員会自身による推薦という形であれば、この趣旨に鑑みて適任の方をご推薦
いだだければと考えている。

○確認になるが、委員会発足時のJPNICによる推薦理由は、カテゴリー自体に
ついてはある程度踏襲するとしても、厳密な意味ではこのままとは限らない、
あくまで初期的にはこの理由で推薦がなされた、という理解でよいか?

◎その通り。

◎それでは、委員の選任に関しては、次回第11回の委員会のなかでJPRSからあ
らためて諮問書という形でいただき、本日の趣旨と具体的な推薦メンバを答申
書にまとめて、正式なやりとりを行う、ということにしたい。

        第3期 JP ドメイン名諮問委員会委員の選任方法につき、第11回の委員
        会においてJPRSから諮問書の提出を受け、具体的な委員の推薦と答申
        を行うことが承認された。


 《その他(JPドメイン名登録管理業務における公平性・中立性について)》

◎JPドメイン名登録管理業務の公平性・中立性に関しては、これまで継続的に
議論してきた。今回も関連する話題があれば、事務局からご紹介いただきたい。

●これまでにいただいたご意見を受け、いくつか実施した関連施策がある。
ここではその施策について報告する。

JPドメイン名登録管理業務の公益性を確保するためには、JPNICとJPRSの連携
が必要である。これまで、JPNIC内に設置された評議委員会にJPRSがリエゾン
メンバーとして参加、活動報告をすることにより、定期的な連携を図ってきた。
しかし、今年、評議委員会という機能がなくなったため、JPNIC執行理事会と
JPRSが協力して連絡会を設置し、適宜活動報告をしながら連携するという方策
を検討し始めたところである。

また、これまで、委員にコミュニティに対する情報発信が非常に重要であると
いうご意見をいただいてきたことから、情報発信施策の一つとして、「JPドメ
イン名レジストリレポート」及び「JPドメイン名登録管理業務について」とい
う冊子を作成した。

「JPドメイン名レジストリレポート」は、今後毎年、JPドメイン名のレジスト
リ業務の実績と展望を報告し、JPドメイン名のレジストリ業務をご理解いただ
くことを目的としている。今回のレポートでは、2001年、2002年、2003年、
2004年上半期の分をまとめて報告している。内容は、JPRSが目指すもの、課題、
及びこれまでの取り組みの総括、さらに、中期ビジョンとなっている。加えて、
ドメイン名の登録数、指定事業者の推移等関連資料を掲載した。「JPドメイン
名登録管理業務について」は、そもそも登録管理業務、レジストリ業務とは何
かを説明した資料である。

○これら冊子はどこに配布されているか。

●指定事業者の皆様をはじめとする、インターネットに関わりのある方々に配
布している。また、JPRS Webサイト上でも公開している。ぜひご活用いただき
たい。

○JPドメイン名の登録管理を行っている組織、JPドメイン名の登録のためにな
されている配慮等を一般の方々が知るために、国民生活センター等の消費者機
関にも配布するのが良い。

●いろいろご指摘をいただき、適切なところにお配りしたい。

○特にWeb上で公開するのであれば、登録業務に関わっていない方のために、
もう少し基本的な解説を作ったほうが良いのではないか。

●情報量は豊富だが解説が少なく理解しにくいということにならないようにし
ていきたい。

◎公平性・中立性に関しては、引き続き折を見て委員からのご意見をいただき、
JPRSからも関連の話題をご紹介いただきたい。

        JPドメイン名の登録管理業務における公平性・中立性につき、委員会
        にて継続して検討を行う旨が合意された。


◎これにて本日の議案を全て終了し、第10回JPドメイン名諮問委員会を閉会す
る。

《閉会》
                                                                      以上

PAGE TOP