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委員会資料

第24回JPドメイン名諮問委員会 議事録

株式会社日本レジストリサービス  第24回JPドメイン名諮問委員会  議事録


1. 日    時: 2008年6月2日(月) 16:30 ~ 17:55


2. 場    所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
              東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F


3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長
              松本恒雄 副委員長
              遠藤紘一 委員
              加藤雄一 委員
              高瀬哲哉 委員
              唯根妙子 委員


4. 同 席 者: 堀田博文  (JPRS 取締役)
              濱川渡    (JPRS 取締役)
              谷島隆彦  (JPRS 事務局)
              松丸真紀子(JPRS 事務局)


5. 次    第:

   1. 開会
   2. 議題
      (1) 答申書「フィッシング被害防止においてドメイン名レジストリが担う
          べき活動の方針について」(JPRS-ADVRPT-2007001)へのJPRSの対応
          に関するご報告
      (2) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況に関するご説明
      (3) その他
   3. 閉会


6. 資    料:

    資料1 JPドメイン名諮問委員会 委員一覧 
    資料2 JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2007001への対応 
    資料3 JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について 
    参考資料1 諮問書JPRS-ADV-2007001 
    参考資料2 答申書JPRS-ADVRPT-2007001 

7.議    事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役および事務局の発言)
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<開  会>

《開会の挨拶》

《出席状況の報告》

●本日の委員会には、後藤滋樹委員長、松本恒雄副委員長、遠藤紘一委員、加藤
雄一委員、高瀬哲哉委員、唯根妙子委員、以上6名全員のご出席を頂いている。
従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な定
足数の「全委員の過半数」を満たしていることを報告する。

本日、JPRSからは、堀田博文、濱川渡、谷島隆彦、松丸真紀子が同席する。

<議題(1) 答申書「フィッシング被害防止においてドメイン名レジストリが担う
          べき活動の方針について」(JPRS-ADVRPT-2007001)へのJPRSの対応
          に関するご報告>

◎本年2月22日に開催された第23回委員会のなかで、「フィッシング被害防止に
おいてドメイン名レジストリが担うべき活動の方針について」について議論し、
3月18日に答申書として確定した。その後の検討・対応などについて、本答申へ
のJPRSの対応の報告をお願いしたい。

[取締役堀田博文より答申書について説明]
 - JPドメイン名諮問委員会の答申JPRS-ADVRPT-2007001への対応

○具体的に検討を開始したとあるが、いつまでに何を決めるのか。

●現在、JPCERT/CCやIAjapanのインターネット・ホットラインセンターと、フィッ
シングかどうかの判定状況に関する情報の共有について相談している。決定時期
は未定であるが、今後、そのような判定状況に関する情報に基づくフィッシング
対策の仕組みやガイドラインを作りたいと考えている。

◎現在すでに存在している団体と相談をして、近いうちに第三者機関を設立する
ということか。

●もう少し具体的に言えば、JPCERT/CCは、フィッシングではないかという申告
を受けた際に、その事象をWebなどで調べ、フィッシングの疑わしさのレベルを
評価しているとのことである。その情報をJPRSに提供してもらい、JPRSから指定
事業者に連絡し、必要な対応ができるとすれば、新たに第三者機関を設立しなく
てもJPCERT/CCにある程度役割を果たしてもらえるのではないかと考えている。
有効でなければ次の手を打つことを考えるが、まずはJPCERT/CCと協力すること
で進めることを考えている。

JPCERT/CCを例に挙げたが、IAjapanのインターネット・ホットラインセンターで
も、違法・有害情報などを収集し、選別しているので、JPCERT/CCと同じような
対応ができるのではないかと考えている。

○JPCERT/CCがフィッシングの疑わしさのレベルを評価している目的は何か。

●JPCERT/CCでは、ISPにその評価の情報を提供している。ISPによっては、Webサ
イトを閉鎖するなどの対応をしているようだ。

◎引き続き、進展があれば報告をお願いしたい。


<議題(2) JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況に関するご説明>

◎「JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況」について、JPRSより説明
をお願いしたい。この議題は、2008年度の諮問委員会で議論していく上での基礎
となる部分である。

●今年の諮問事項を決める前に、JPドメイン名も含めたレジストリの状況やドメ
イン名に関連する新しい市場などについて紹介する。それに対し、委員の皆様か
ら忌憚ない意見や追加の検討課題等があれば提起してほしい。8月下旬開催予定
の次回の諮問委員会で、本日の議論の状況に基づいて、諮問書を提出する。内容
については、事務局から説明する。

[事務局より資料について説明]
 - 資料3  JPドメイン名の概況とドメイン名を取り巻く状況について

○バックオーダーは、レジストラが在庫としてドメイン名を抱え、そのドメイン
名に対して一番高い金額を提示した人が登録できるようにすることも可能であり、
レジストラが儲かる仕組みである。レジストラはドメイン名の申請に関する取次
ぎを行っているに過ぎないにも関わらず、そのような利益を得ることは許され
るのか。

●gTLDの世界では、仕組みとして許されている。

○各ccTLDでルールを決めることができるわけだが、日本では許されているのか。

●JPRSでは推奨も禁止もしていない。また、日本においては、まだそのような市
場が立ち上がっていないようである。

○ドメイン名は商標などに似てきているようだ。大阪万博の時に「クパンバ」と
いう名前を登録した人がいた。これは左から読むと「バンパク」となり、大きな
お金を払って取り戻したということがあったようだ。

○レジストラは、ドメイン名を将来高く売ることを考え、多くのドメイン名を登
録し、押さえておくことができる。この場合、一旦レジストラの名義でドメイン
名を登録し、その後、買った人の名義に変更するという手続きになるのか。

●そのように行っているところもある。レジストラの名前を出したくない時は、
レジストラに代わって個人の名前で登録するというケースもあり、表面的には見
えないように、その仕組みを作ることもできる。

○ドメイン名を登録し、長い間使わない場合は、取り消しになるということはな
いのか。

●現在、そのようなことを行っているTLDはほとんどないと思う。

◎ドメイン名が使われている/使われていないことを判定するのは難しいだろう。

●最近は、.comで新たに登録されるドメイン名の半分以上が、転売目的や広告収
入を得るためのWebページ用に登録されているという状況になっているという話
もある。

◎ccTLDでは、外貨を獲得するためにローカルプレゼンス要件による登録制限の
緩和を行ったところもある。

●ドメイン名売買の仲介業者の一例では、10%程度の仲介手数料を取っていると
ころもある。

○登録資格の緩和とあるが、日本に住んでいないにも関わらず、JPドメイン名を
登録することが可能になると、JPドメイン名の信用が落ちるのではないか。また、
登録資格を緩和すると、何のために国別にccTLDを付与してるのかわからなくな
る。

●ローカルプレゼンスを緩和・撤廃しているccTLDの考え方は、国境のないイン
ターネット上の住所と、国境の中にある登録者の物理的な住所とのつながりが薄
くなっていることから、登録を制限することはインターネットを使う人たちの利
益に結びつかないというものである。

○グローバルに使いたければgTLDを使えばよく、わざわざローカルプレゼンスを
緩和・撤廃しているccTLDを使うのは、ビジネスだけを見ているという意図を感
じる。

●JPRSに対して、外国からJPドメイン名を登録できないのかという問い合わせが
ある。たとえば、アメリカ企業が日本で通信販売をしたいと思った時、JPドメイ
ン名であれば日本の顧客がアクセスしやすく、日本語の商品ページとも親和性が
高いので、JPドメイン名を使いたいというものである。

○それはJPドメイン名のブランドがあるからだろう。登録資格を緩和すれば、そ
のブランドも崩れるのではないか。

○予約ドメイン名は一部開放したのか。

●学校名や省庁名などの登録者が一意に決められる文字列に関しては開放した。
一般名詞や地名などは現時点では予約ドメイン名のままである。

○数字のみの登録を認めているccTLDもあるということだが、JPドメイン名でも
登録を認めることを考えているのか。

●数字のみの登録はもともと登録が可能である。ただし、3桁以上としている。

○資料3の23ページに「日本のインターネット利用者に健全に作用するようにす
る必要がある」とあるが、緩和する/しないのどちらなのか。

●それについては検討すべき事項と考えており、委員の皆様から意見をもらいた
いと考えている。

○ハードウェアなどの製品では、原産地証明書というものがある。これがエンド
ユーザからすると購入する際の1つの判断基準になっていると思う。同じことが
ドメイン名においても言えるのではないか。

◎JPドメイン名ではローカルプレゼンスを緩和・撤廃してほしいという声はある
のか。

●そのような声はある。大勢を占めているかどうかはわからない。

○資料3の4ページを見ると、NE.JPドメイン名の登録数が相対的に多い印象を受
けるが、ネットワークサービスを提供していることと無関係に登録できるのか。

●登録申請時に、ネットワークサービスを提供するということを確認し、印鑑証
明など必要な書類を提出していただいた上で登録している。

○CO.JPドメイン名がすでに登録されている場合、同じ文字列をNE.JPドメイン名
やOR.JPドメイン名で登録したいというニーズはあるのか。

●NE.JPドメイン名においては、そのような動きは若干見受けられる。OR.JPドメ
イン名は、企業では登録できないので、そのようなニーズはない。

○ローカルプレゼンスを緩和・撤廃しているccTLDがあるということだが、最初
にICANNが作ったカントリーコードとは何だったのか。

●ISOで定義されている国名コード表があり、そこから各地域や国にドメイン名
を割り当て、その国の人が自由に使い方を決めることができるという程度のこと
が決まっていた。

◎当時は、その国の中でもめないかという点を重視していた。たとえば、その国
のドメイン名の登録管理に関して、政府と大学が対立している場合は、解決する
まで認めないということもあった。しかし、オーソリティ自身がその国の人では
ないという状況がでてきてしまった。

○ICANNは、ccTLDの使い方などをきちんと決めるということをしないのか。

●ICANNは、ccTLDの登録管理方法に関してはその国が決めるべきもので、ICANN
が中央集権的に決めるべきものではないという立場をとっている。

○JPRSがオークションを行うことは可能か。

●可能である。最近、.asiaがオークションを行った。オークションを行う際に
は、そこで得た収入をどう使うのかという点をきちんと表明することが必要にな
る。JPRSでも一般名詞などの予約ドメイン名を開放する際には、オークションも
一つの選択肢であると考えている。

○ドメイン名の登録者が亡くなられた場合はどうなるのか。

●JPドメイン名では、他の人に移転できる。また、1年ごとに更新手続きがある
ので、その時に連絡がつかなければ廃止になる。

○資料3の14ページにある、「新しい形態での利用方法が拡大中」とあるが、具
体的にどういうことか。

●ブログでみてみると、自分のブログのURLをブログの運営会社のドメイン名の
サブアドレスで設定するのではなく、独自にドメイン名を登録して設定するとい
うことが増加している。また、メールアドレスでも独自ドメイン名を使うという
ことが増えてきている状況にある。

また、最近、ヨーロッパでは、個人によるドメイン名の使い捨てのような利用法
が流行っているようである。たとえば、「welcome-party-tonight.de」などを登
録し、今夜のパーティーの情報をWebサイトに掲載し、パーティーの参加者にURL
を案内するということが行われているようだ。パーティーが終わればWebサイト
を閉じる。私たちがこれまで想定していた使い方とは大きく離れた使われ方であ
る。

○登録料が安くなってきていることが、そのような使われ方を生み出しているの
か。

●そのような面もあると思うが、工夫すればおもしろい使い方ができ、それが流
行ってきているということではないか。

◎最初からドメイン名を長く使うつもりはないということである。しかし、登録
手続きをする必要があり、準備はしなければいけない。以前に比べれば手続きに
要する時間も短くなってきているのかもしれない。

●即時に登録することができる。JPドメイン名でもそのようになっている。また、
JPドメイン名では1年更新だが、使い捨てのような使い方であれば1ヶ月登録すれ
ば十分であると思われるので、登録期間を短くすることも検討している。ISPの
料金は基本的に1ヶ月ごとであり、それと組み合わせることも可能になる。.deで
は、短い期間での登録が可能であり、それによってクリエイティブな使い方が広
がってきていると考えている。

○URLを入力するなら短い方がよいので、上記のような事例があるのかもしれな
いが、普通は検索してクリックするだけなので、ドメイン名が長くても構わない
のではないか。

●敢えてパーティー用にドメイン名を登録するところがファッションなのではな
いか。

◎URLをパーティーの案内状に書くということがあるからではないか。ドメイン
名はトレードマークに近いものがあるのではないか。

○一方で、悪質な業者に使われるという面も出てくるだろう。

●そのような点も慎重に検討していく必要がある。

○登録料は、ドメイン名を使う期間が1年でも3日でも同じなのか。

●JPドメイン名の場合は、1年契約しかないので、どのような使い方でも1年分の
登録料としている。

◎短い期間の登録が可能になると、ヨーロッパのような事例が日本でも流行るか
もしれない。しかし、悪いことをする人にとっては、たくさんのドメイン名を登
録しても、コストが抑えられるようになり、フィッシングなどを促進してしまう
可能性がある。

◎本日の議論に基づいて、次回の委員会にてJPRSより諮問書の提出をお願いした
い。


<議題(3) その他>

《今後の予定について》

◎次回の諮問委員会の開催については、第25回を2008年8月に予定している。具
体的な日程については、事務局から相談する。

◎以上をもって、第24回諮問委員会を閉会とする。

<閉会>

                                                                    以上

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