委員会資料
第48回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第48回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時: 2014年5月21日(水)10:00 ~ 12:00
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス内 会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出席者: 後藤滋樹 委員長
林一司 副委員長
金子宏直 委員(11:30退席)
武山芳夫 委員
原隆一 委員
唯根妙子 委員
4. 同席者: 堀田博文 (JPRS 取締役)
常山敬秀 (JPRS 事務局)
宇井隆晴 (JPRS 事務局)
松丸真紀子(JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議題
(1) 諮問書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」について
・審議
(2) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 JPドメイン名諮問委員会 委員一覧
資料2 諮問書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」 (JPRS-ADV-2014001)
資料3 都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン (2LD)
への日本語ラベルの導入について
資料4 過去の答申に基づいたサービス改定状況
資料5 総務省 情報通信審議会ドメイン名政策委員会の状況
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局の発言)
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<開 会>
《出席状況の報告》
●本日の委員会には、後藤滋樹委員長、林一司副委員長、金子宏直委員、
武山芳夫委員、原隆一委員、唯根妙子委員、以上6名全員の出席をいただいてい
る。従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要
な定足数の「全委員の過半数」を満たしていることを報告する。
本日、JPRSからは、堀田博文、常山敬秀、宇井隆晴、松丸真紀子が同席する。
<議題(1) 諮問書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」について>
◎JPRSより、都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン(2LD)
への日本語ラベルの導入についてという諮問書が提出されている。諮問書の内容
について、JPRSより説明をお願いしたい。
[取締役堀田博文より諮問書について説明]
- 資料2 諮問書「都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン
(2LD)への日本語ラベルの導入について」 (JPRS-ADV-2014001)
●詳細については事務局より説明する。
[事務局より資料について説明]
- 資料3 都道府県型JPドメイン名におけるセカンドレベルドメイン (2LD)
への日本語ラベルの導入について
○今回は、都道府県型JPドメイン名の3LD以降の関連付けに関する議論であるが、
「.日本」も現在検討している枠組みと同様の形で行われることとなるのか。
●以前の諮問委員会において、「.jp」と「.日本」は、一対一のマッピングによ
る関連付けを行い、「○○.jp」と「○○.日本」の登録者を同一とした形でサー
ビスを行うのが良いという答申をいただいているため、その答申に従った形で
再度サービス面からの検証を行うことになると考えている。
○ASCIIと日本語のマッピングルールは、一つが単純で良いと考える。「.jp」と
「.日本」が一対一のマッピングを行うのであれば、他のラベルも一対一のマッ
ピングとするのが良いと思う。
◎ご指摘のとおり、将来の展望も考えると単純で明快な一つのマッピングルール
の方が良いということは、意識して検討した方が良いだろう。
○近年、スマートフォンによるインターネット被害が増加しているが、URLやド
メイン名が表示されないブラウザ等により、利用者にはどこから発信された情
報なのかの見分けができなくなっている。特に、スマートフォンやタブレット
利用者から相談を受ける際には、閲覧しているWebページのURLが分からないと
答える利用者が多く存在している。日本語のドメイン名の方が分かりやすく、
使いやすいとは感じるが、より危険な方向へ助長することのないように手立てを
含めて導入していただきたい。
◎社会的混乱が発生しないのかという議論は、重要な話題であるだろう。
○2LDへ日本語ラベルを導入した場合、文字化けが発生することはないのか。利
用者に注意喚起を行う際に、「.jp」が一番安全であると伝えるものの、実際の
画面やメールを受信した際などに、利用者としてはどこを見れば真偽の確認がで
きるのかということが気になるのではないか。
◎文字化けについては、日本語は意図通り表示されるであろう。慣れている利
用者であればブラウザの機能やメールヘッダーを確認するということも考えら
れるが、スマートフォンのように画面が小さい場合は、そこまでは難しいとい
うのはあるだろう。
●スマートフォンやタブレットは、画面が狭いため情報が表示されなくなる傾向
にある。そのため、URLが表示されないブラウザも増えてきており、普通に利用
するだけでは利用者がURLを確認できないことも確かである。今回の議論に限ら
ず、URLが確認できないと困るという話はあるものの、なかなかメーカーで対応
できていないという状況だろう。URL表示の必要性やWebページの管理者の確認方
法等は、業界や利用者を含めて積極的に意見を出していく必要があると考えてい
る。
◎JPRSも検討はしていると思うが、様々な関係者との連携や業界としての取り
組みが必要となってくることだろう。
○平仮名による都道府県ラベルの導入も検討しているのか。検討するとした場合、
例えば三重県の「みえ」は、人名としても考えうる文字列であり、都道府県名以
外の要素も出てくるのではないかと思う。
●現状では、漢字と平仮名の両方の都道府県名を予約ドメイン名としている。た
だし、漢字は意味が限定されるが、平仮名は、より幅広い様々な解釈がされる可
能性があるということは、確かだと思う。
○資料3において「北海道.jp」は、関連行政機関で使用する可能性があるため、
「行政・司法・立法に関する日本語JPドメイン名リスト」に基づいて予約されて
いるということだが、ASCIIの「HOKKAIDO」は、関連行政機関用でなく、一般利
用が認められているということなのか。また、関連行政機関用に漢字の「都道府
県名.jp」が必要とされるニーズが、どの程度存在しているのか。
●ASCIIの都道府県ラベルは、地域型JPドメイン名の頃からJPドメイン名のサー
ビスとして使用されてきており、関連行政機関用とはなっていない。また、全国
での「○○県.jp」の使用実態は、3件となっている。現状においては、そこまで
ニーズは高くないが、今後の日本語ドメイン名に対する認知度向上等による、将
来のニーズも見据えて調整した方が良いと考えている。
◎「HOKKAIDO」は、地域型JPドメイン名の頃からの経緯を引きずっている。過去
の諮問委員会での議論により、北海道庁が「北海道.jp」を使用したいと考える
時に使用できるよう予約しておく方が良いという結果になった。
○過去諮問委員会で整理を行ってから時間が経過し、関連行政機関からの使用に
関するニーズが高くなく、漢字の都道府県ラベルを使用した文字列を登録したい
というニーズが一般からあるのであれば、47都道府県名が揃っている方が自然だ
と思う。そのために、関連行政機関と調整し進めるという整理が良いのではない
か。例えば、北海道のみ「北海道庁.jp」を使用してもらう等も考えられる。
◎北海道庁との調整には少し時間がかかることも考えられるため、調整の詳細に
ついては、JPRSが責任を持って行う旨を書き添え、諮問委員会からの答申を行う
ことも考えられる。
○利用者がトラブルに巻き込まれるというのは、日本の消費者が海外の危険なWeb
ページに飛ばされることで被害にあうというのが中心かと思うが、最近、中国の
企業が「.jp」を使用して、海外製の商品を日本品質として販売する事例が存在
した。アドレスに漢字が導入されることにより出所表示の意味合いが強くなり、
利用者に誤解を与えてしまう可能性はあると思う。
◎正当な権利に基づいてJPドメイン名を登録した人が、そのドメイン名をよく分
からない人に貸し出してしまい、悪用されてしまう場合もある。利便性を拡大す
る時、その悪用防止はJPRS単独で出来るわけでなく、関連団体等と連携を取るこ
とが必要だろう。
●確かにJPドメイン名の信頼性に便乗し、悪用されるケースは存在している。レ
ジストリの立場上、コンテンツの中身には関われないが、登録者情報等を管理し
ているため、コンテンツ運用者へのアプローチを関連機関と調整しながら進めて
いる。例えば違法薬物の販売であれば、厚生労働省と連携して対処するという議
論を行っており、こういった調整は今後も進めていきたい。
◎被害者視点からすると一刻も早く悪いコンテンツを停止して欲しいというのが
本望だろう。必ずしも法律や裁判に頼らなくても、社会全体で信頼感を維持でき
るようにしていく必要があると思う。ただし、JPドメイン名はその中で評価の高
いTLDだと思う。
○技術的には、ASCIIも日本語も別のドメイン名であるが、利用者視点からする
と、例えば「東京」も「TOKYO」も同一と考えられるだろう。従って、ASCIIと日
本語を別のドメイン名と扱うのは、一般的には受け入れられないのではないか。
「.jp」と「.日本」の議論以上に、ASCIIと日本語の都道府県ラベルをマッピン
グする方が良いという意識が強くなるだろう。
◎商標においては、外観(見た目)・称呼(呼び名)・観念(イメージ)の関連
等で類似商標の判断がされている。そのような視点から考えても、今回のASCII
と日本語は同一と解釈するのが自然だろう。
◎今までの議論からすると、都道府県型JPドメイン名の2LDに日本語ラベルを導
入することは問題ない。また、日本語ラベルは漢字の「青森」や「秋田」等とす
るのが自然であり、「○○.<都道府県(ASCII)>.jp」と「○○.<都道府県(日
本語)>.jp」の関連付けは、一致させるのが適切であると言える。「北海道.jp」
は、関連行政機関の都合があるため、JPRSに適切な調整を行ってもらうのが良い
だろう。
●論点3について、どのような関連付けを行うことが適切かについて、もう少し
ご議論いただきたい。
○「.日本」の議論を行った際にも、ASCIIと日本語のドメイン名で示されるWeb
ページやメール送信先を関連付けることにより使用用途まで縛るのは良くないと
いう話があったと思う。一方のドメイン名の登録者のみが、もう一方のドメイン
名を登録できるようにするという案1が適切だと思う。
○「.日本」の議論時から技術も進歩していると思う。利用者にとって安全・安
全で分かりやすいドメイン名になるよう、前向きに取り組んでもらいたい。その
ための手立ては何かないか。
○そういう意味では、ドメイン名の登録者と運用者が一致していると確認の術が
インターネットの利用者に開示されているため、安全と言えるのではないか。ド
メイン名の登録者と運用者を一致させることの取り組みをより確実にする必要が
あるのではないか。
◎ドメイン名の登録ルールからすると使用方法の確認は難しく、あまり規制する
わけにはいかない。ただし、混乱を防ぐことを目的にASCIIと日本語のドメイン名
の登録者を一致させているため、その趣旨に合ったように適切に運用して欲しい
との注意喚起をしてもらうことになるのではないか。
●ルールで縛るのは良くないが、ASCIIと日本語で同一のコンテンツを表示した
いと考える登録者には表示させることができ、そう考えない登録者には別々のコ
ンテンツを表示させるというような自由度をもたせることが重要だと思う。
●混乱回避については、ASCIIまたは日本語のどちらか片方のドメイン名を登録
している人がいる場合に、その登録者の意思と関係なく、もう片方のドメイン名
が登録されるのは避けるべきというのが案1の考え方である。運用方法は、ASCII
と日本語を同一にも別々にも出来るが、別々に使用するという形次第では、登録
者とドメイン名の本来の運用者が異なる状況が生まれる可能性があり、規制を強
くしすぎるのは良くない。そのため、登録時にASCIIと日本語の登録者が同一で
あることというルールを作り、運用の自由度は高めつつ、運用者の情報が正しく
登録者情報として登録されるようきちんと管理していくというのが良いのではな
いだろうか。
◎スマートフォンにおいてはアプリの通信が暗号化されている等、ネットワーク
の運用側でも実態を把握できず、利用者からの相談に対応しにくくなっているよ
うである。従来までのメールやブラウザとは違った形でそれに近いもののやり取
りが可能となってきており、時代に適した対応を行うことが求められる。
●論点4について、案3をベースにスピード感を持ち、実態に即した方法にて進め
るべきという認識で間違いないか。
○その認識である。
○私もそう感じる。
◎諮問委員会でこのような方向での議論が行われているという前提をもって、
JPRSから関連団体と相談していただくのが良いだろう。
○2020年の東京オリンピックにに向けて、様々な国の人が日本に来ることが考え
られるが、その時に英語を母国語としない人から、ドメイン名のラベルに例えば
アラビア語等のASCII以外の言語を使用したいという要望が出される可能性があ
る。ASCII・日本語以外の言語の導入に関しても検討していく必要があるのでは
ないかと感じる。
●世界的に見ると、欧米諸国のccTLDでは、自国の公用語以外の言語文字を2LD以
降のラベルに使用可能としている場合が多く存在している。現状は、日本では日
本語の要求がもっとも多いが、日本語文字とASCIIだけが使える状況で良いかど
うかの議論は今後必要であろう。
◎ICANNではTLDの多言語化の検討がされている。その議論の知見は、各TLD内に
おけるラベルの多言語化の議論にも活かされると思う。
○その場合は、予約ドメイン名の扱いをどうするのか。
●現状において「.jp」におけるIDNは、日本語しか使用できないという制約が存
在するため、他の言語は、全て予約されている状態であるとも言える。「.jp」
のラベルに日本語以外の言語を導入することになった際に、あらためて議論いた
だくこととなるだろう。
◎ICANNにおけるTLDの多言語化検討に関する状況は、次の委員会で紹介いただけ
たらと思う。
◎論点としては委員の認識は合致していると思う。注意事項等を踏まえ整理のう
え、事務局から答申骨子(案)を提示してもらい、次の委員会には可能であれば
すみやかに答申の段階へ持っていければと思う。スケジュールは、事務局から調
整いただく。
<議題(2) その他>
◎本日、事務局で準備したディスカッション議題は以上だが、JPRSより2点、報
告があるとのことで、まずは、1点目について説明をお願いしたい。
●過去に諮問委員会より答申をいただいた件につき、そのうち3つの状況と内容
を報告する。
[JPRSより資料について説明]
- 資料4 過去の答申に基づいたサービス改定状況
○資料4について、誤って廃止されたドメイン名の廃止後一定期間内であれば、
登録状態に回復可能とのことだが、一定期間とはどの程度の期間か。
●廃止手続完了後、20日間程度である。
◎続いて、JPRSより2点目について報告をお願いしたい。
●現在、総務省のドメイン名政策委員会でJPドメイン名も関係する議論が行われ
ており、その状況について報告する。
[JPRSより資料について説明]
- 資料5 総務省 情報通信審議会 ドメイン名政策委員会の状況
◎通常の案件では、何か問題が発生したことにより議論することが多いが、本話
題についてはそうではない。従って通常のように検討期限が定まりにくく、スケ
ジュールが延期されがちとなっているのではないか。ただし、意見は幅広く出さ
れており、議論の動向は注意深く見る必要があると思う。
●諮問委員会に関連してWGの中で出た意見では、諮問委員会には様々な立場の人
が参加して議論しているが、世界的に見るとマルチステークホルダーの中に政府
関係者が参加すると言うのが最近の動向である。そういう目線から見ると、今の
諮問委員会には政府の立場の人がいないというのは、意見として言えるところか
もしれない、ということがあった。
◎米国政府による通信の傍受問題等を背景として、ITUをはじめ国際的にもイン
ターネットにおけるガバナンスの議論がされている。政府がどこまでの役割や権
限を保有するのかということに関しては、国による差や対立が存在しており、そ
のような国際的な秩序と整合性が取れるよう、日本国内の検討も進めていく必要
があるため、その意味からも見通しは立ちにくいのではないか。
◎本話題には、諮問委員会も当事者として登場しているため、情報にアップデー
トがあれば随時報告を行って欲しい。
《今後の予定について》
◎次回の委員会の具体的な日程については、事務局から案内させていただく。
<閉会>
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