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委員会資料

第66回JPドメイン名諮問委員会議事録

株式会社日本レジストリサービス  第66回JPドメイン名諮問委員会  議事録

1. 日 時: 2019年9月26日(木) 15:30 ~ 16:34
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 大会議室 東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館13F
3. 出 席 者: 後藤滋樹 委員長 浦川伸一 委員 岸川徳幸 委員 佐々倉秀一 委員 山路栄作 委員 唯根妙子 委員
4. 同 席 者: 堀田博文 (JPRS 取締役) 宇井隆晴 (JPRS 事務局) 北村和広 (JPRS 事務局) 常山敬秀 (JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会 2. 議題 (1) 第10期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代について (2) JPドメイン名に関する状況報告 3. 閉会
6. 資 料:
資料1 第10期JPドメイン名諮問委員会委員一覧 資料2 JPドメイン名諮問委員会 委員推薦書 資料3-1 「ドメイン名登録者の意図しないドメイン名移転」に関する         対応状況について 資料3-2 「登録資格を満たさないAC.JPドメイン名の登録」に関する         対応状況について   参考資料1 JPドメイン名諮問委員会規則 参考資料2-1 ドメイン名登録者の意図しないドメイン名移転の更正の経緯 と今後の対応 参考資料2-2 登録資格を満たさないAC.JPドメイン名の登録の経緯と今後の 対応 参考資料3 Webトピックス「JPドメイン名登録者の意図しないドメイン名 移転に関する再発防止のための取り組み状況について」

7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局) ------------------------------------------------------------------------ <開 会>
《出席状況の報告》
●出席状況の報告の前に第10期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代に ついて事務局から報告する。

●一般企業分野から委員に就任いただいていた、武山芳夫様が、5月31日付で辞 任し、後任として、7月25日にJPドメイン名諮問委員会より浦川伸一様をご推薦 いただいた。
これを受け、JPRSでは、8月7日に取締役会が開催され、浦川伸一様をJPドメイン 名諮問委員に任命することが決議された。その後、浦川伸一様より就任の承諾を いただき、8月20日付で委員に就任いただいた。
以上、委員の交代について報告した。

●本日の委員会には、後藤滋樹委員長、浦川伸一委員、岸川徳幸委員、佐々倉 秀一委員、山路栄作委員、唯根妙子委員、以上6名全員の出席をいただいている。 従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、開催に必要な 定足数を満たしていることを報告する。
また、本日、金子宏直副委員長については、ご都合によりご欠席の旨、予めご 連絡をいただいている。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、北村和広、常山敬秀が同席する。

<議題(1) 第10期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代について>
◎「第10期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代について」は、委員会の 冒頭で、事務局より報告いただいたのでそれ以上の報告と議論は行わないという ことでよいか。

○異議なし

◎浦川委員より、一言ご挨拶をいただければと思う。

[浦川伸一委員よりご挨拶]

<議題(2) JPドメイン名に関する状況報告>
◎5月22日に開催された、前回、第65回委員会ではJPRSから、「ドメイン名登録 者の意図しないドメイン名移転」及び「登録資格を満たさないAC.JPドメイン名 の登録」に関し、経緯と対応について説明があった。その後の対応及び検討状況 について、報告いただく。

[事務局より資料について説明] - 資料3-1 「ドメイン名登録者の意図しないドメイン名移転」に関する対応 状況について - 資料3-2 「登録資格を満たさないAC.JPドメイン名の登録」に関する対応 状況について - 参考資料2-1 ドメイン名登録者の意図しないドメイン名移転の更正の経緯と 今後の対応 - 参考資料2-2 登録資格を満たさないAC.JPドメイン名の登録の経緯と今後の対応

●諮問委員会という観点でいうと、先ほど調査の中で検討課題としているとご報告 した点があるが、ac.jp、ed.jpはある意味「学校」でありわかりやすい属性とも思 うが、たとえば大学はac.jp、小中学校や高校はed.jpと登録資格の真ん中あたりは 明確だが、登録資格の境界あたりは、解釈が揺れたり難しかったりするところ。
さまざまな種類の学校があったり、学校であっても根拠が法律であったり、届け出 であったり、そうでなかったりというところがある。そのあたりについて、もっと 分かりやすくする、時代に合わせて変えるべきところがあるか検討し変える、規則 条文の説明だけでなく、もっと皆様にわかりやすく説明する努力をする、といった 対応が考えられ、ルールに及ぶところもあると思うため検討したいと考えている。
また、学校ではあるが厳密には登録資格は満たしていないものや、登録時は登録資 格を満たしていたがその後登録資格を喪失したもの、またはその可能性があるもの は、調査の結果何件かあったが、果たして廃止して良いのかという点がある。もち ろん登録者自身が消滅している場合は、実態がなくなっており、ドメイン名もなく なればよいかもしれないが、活動が形を変えて継続している、組織が存続している といった場合に、登録者としての権利維持や、ドメイン名を利用する人々に混乱が ないか、といった点を含めて検討が必要と考えており、ルールを適用しバッサリ切 る、というだけではいけないのでは、と考えている点もある。
必要に応じて諮問委員会に相談させていただくことも含めて検討を進めているとこ ろである。

◎ただいまのご説明について、ご意見・ご質問等があればご発言いただきたい。

〇資料3-2の課題について、初期登録時の指定事業者の対応並びに確認に関する JPRSの業務手順というポイントと、その後の認定資格のトラッキングで再確認をし たところ資格を満たしていなかったとのことだが、初期登録時と初期登録以降、と いう2つのポイントがあるように思う。初期登録時の確認は、業務改善でクリアし ていくように思うが、初期登録後はどうか。

ac.jpとed.jp以外にもJPドメイン名は相当数あると思うが、それらの登録資格の 定期的な確認というのは、事務手続き上、あまり現実的ではないと思う。今回こ のようなきっかけがあり、9,000件という大変なチェックを行ったと思うが、その あたりはどのように考えているか?

●主に属性型JPドメイン名の話になるが、JPドメイン名は現在、全部で約160万件、 そのうち、属性型JPドメイン名は約50万件である。ac.jpとed.jpで9,000件という 話はしたが、属性型JPドメイン名のほとんどがco.jpであり、40万件ほど。おっし ゃる通り、これを定期的に人の目でチェックすることは、不可能に近いと考えて いる。
そもそも、どういうサービスを我々が提供しているかという点を振り返ると、ド メインの登録資格を定めている以上、登録の際には、その組織を確認するという 意味で審査している。その後、そのドメイン名が維持される、ということは、指 定事業者を通してサービスが提供されている、言い換えると、指定事業者と登録 者の間で契約が維持され、お客様の使わなくなったタイミングで契約が終了とな る。
情報を適切にと更新していただく、資格がなくなった際にはサービスを終了して いただく、ということは、あくまで契約上はお客様側で適切に対応いただくこと となる。
そのため、登録されているドメイン名が登録要件を満たしているかどうかを定期 的に確認する、といったことは今まで行っていない。また、今回はac.jpとed.jp について、一通りの確認を行いはしたが、これを定期的に実施することは、年間 数千円というドメイン名のサービスの中では困難。
今後、ドメイン名のサービスがどういうものなのか、インターネットユーザーや ドメイン名の登録者の方たちに、特に登録者として行っていただく必要があるこ とは何か、といったことは単なる義務としてではなく、ご理解いただく必要があ ると考えている。たとえば、登録情報を適切に更新していただかなければ、我々 レジストリもだが、インターネットユーザーの方々も困る上に、登録者ご自身に も色々な悪影響がでる。そういったことをご理解いただき、適切に対応いただく のが良い、というのが現在のレジストリとしてのスタンスである。
ただ、それでよいのか、ということはまた別の話ではある。ただし、それはJPド メイン名に限った話ではないため、社会的要求を踏まえ、今後の対応を考えてい く必要があるということを課題として認識している。

◎ac.jpとed.jpについては、現在使用されているドメイン名を別のものに切り替 える、ということは厳しいものがあると思う。ed.jpは1993年頃に導入を検討して いたが、全国の学校3万6千校のデータについて、教育界の方にも相当な協力を得 ながら当時のJPNICで取り組んでいた。
正確には覚えていないが、その時に、関西の方の高校で既に6校ほどac.jpを出し ていたことがあるが、ed.jpの導入に伴い、ac.jpは高等教育機関にする、と整理 した。変更が生じるドメイン名については説明して納得していただいた。1990年 代中頃は現在とインターネットの普及度合いが異なっていたため、そのような整 理であったが、現在であれば違っていたかもしれない。
たとえば、ne.jpは比較的新しくできた属性だが、プロバイダなどは最初はad.jp でサービスを実施しており、その後ne.jpに移ったケースもある。その移行は、 その組織の方針で行っているが、あとからドメイン名を移行する、というのは難 しい事だと思う。
相当程度の注意を払って調査した結果、今回のように気が付いたのであれば、気 が付いた人に適切な行動をとる責任が生じるため、当事者の方との相談は何らか の形で必要だと思う。ただ、原則として登録資格のチェックはドメイン名の登録 時だと思う。

●全JPドメイン名、という意味では原則確認のタイミングは登録時だと思う。イ ンターネット黎明期まで遡ると、WHOISはドメイン名の登録内容を衆目にさらし 確認してもらうことも目的としていた。しかし、さすがに全世界で何億件のドメ イン名となると、WHOISではその機能は失われ、衆目にさらされているから正し い情報が維持されている、という状況でもない。
今、後藤委員長がおっしゃったような、元から使用されているドメイン名があり、 新しい属性をその後追加した、ルールや登録資格を変えた、といったことは過去 何回か発生している。例えば、ed.jpやne.jpは後から追加した属性。その際には、 既存の登録者に対し、変更を強制してはいない。新しく作った属性について案内 はするが、昔登録資格があったという状況で登録しているものについては、当時 資格があったのであれば、遡って適用しない、というポリシーでJPドメイン名は 対応してきている。

〇定期的に確認していないのは、ある程度仕方ないと思うが、先ほどの報告の際、 申請者との関係を保ち連絡できるようにしておくことが重要、と言っていたと思 う。今、実際の場面として、登録をしている申請者が本当にきちんとメンテナン スしているか、というとなかなかそうならなくなってきていると思うが、現状は 把握しているか?

●おっしゃるように、レジストリが登録者の最新の情報をメンテナンスすること には難しい課題がある。JPRSはレジストリとして全ての登録者の情報を持っては いるが、登録者との手続きや連絡の際には、間に必ず指定事業者がいる。原則と して、レジストリは直接登録者に連絡しない、というようにしている。
登録者に対しては、まず指定事業者からのサービス提供が行われているため、裏 方であるレジストリが出て行っても混乱するという考えから、まず、指定事業者 の皆様に適切に対応いただく、ということを前提としている。指定事業者の皆様 は、登録者の情報について、お客様情報としてきちんとメンテナンスし最新のも のに保つということは、サービスの情報であるためきちんとしていると思う。た だ、ドメイン名の登録者の情報として、JPRSに登録されている内容がメンテナン スされているかというと、それはまた違う場合もある。そのため、いざ何かおき てJPRSとして登録者に連絡を取らなければいけなくなった際に、情報が古かった りする、ということが時々ある。今回も色々な調査をする中で、この情報は古い のでは、というものいくつかあった。これは、登録資格がない、という話ではな く単に情報が古いというもので、それはそれで指定事業者の皆様に情報更新を依 頼している。
レジストリに登録されている登録情報をどうメンテナンスするか、という点は今 回調べてみて判明した課題の一つである。

〇実態をまず把握し、その後に、実態に合わせた対応を指定事業者とともに考え ていく必要があると思う。

●たまたま今回、9,000件全てを調査したため、指定事業者ごとに、どの程度情報 が最新であるかもわかっている。次は、情報が最新でなかったものについて原因 を探り、レジストリと指定事業者の間で何かできることはあるか、指定事業者の サービスとして何か行ってもらえることがあるのではないか、など、調査結果を 今後の検討に活用できれば、と思っている。

◎そこは非常に重要と思う。一回きりのことはなかなか評価が難しいが、反復し て行われるものは以前の状態からどう改善されたか、維持していたのがどう変化 したか、ということがわかる。調査結果を外に出さなくとも、JPRSが実態を把握 していることは非常に重要なことである。
また、ご指摘の通り、昔はWHOISで登録者情報を出すこと、としていたものが最近 はWHOISを見てもほとんど代理の情報が出されており、事実上すべてマスクされて いるケースが多く、問題につながるケースがある。先ほど言及されていた、「本 当の登録者本人」と連絡が取れるのか、という点につながり、間接的になりつつ ある。
昔はIPアドレスでは、Assigned numbersとしてRFCで実名からメールアドレスまで 公開されていた。それに比べ、WHOISはどこまで情報を出すのという点が問題にな っている。JPRSも色々関わり、ICANNでの議論にもかかわっていると思うが、世の 中に出すことと、関係者の中に出すことにまず境界があり、その中でも、ここから 先は信頼できる人であれば共有する、といった話があると思う。
区分けという意味では、オープンとクローズだけの2分類では、WHOISの情報や 「本当に登録者に連絡ができるのか」という状況はキープできないのでは。単純 な二分法が求められているわけではないように思う。

●何年か前に遡るが、WHOISを非表示にできるようにしたほうが良いのでは、とい う点は、この諮問委員会の場でご議論いただいた。当時海外で多くみられるケー スではあったが、ドメイン名の登録を事業者が「代理」という形で肩代わりし、 本当の登録者の情報は隠しておき、レジストリには自分たちの情報で登録すると いうことが流行っており、それを良しとするかといった議論であった。
代理という形で登録されると、事業者の向こう側にいる人が見えなくなってしま い、何かあったとき登録者としても非常に困る事態になる。WHOISに自分の情報を 公開されることが嫌で、回避するために代理という形を選択するのであれば、そ もそもWHOISで自分の情報を公開しないという選択肢を提供すべきなのでは、と いう議論を諮問委員会でしていただいた。
JPドメイン名のサービスとしては、自分の本当の情報を登録してもらうことが一 番大事なことであって、個人や企業が隠したいものがあるということであれば、 誰が登録しているのかという名義に関しては、必要に応じて非公開にできる、と いう方向で整えた経緯がある。世界中を見渡してそうなっているかという点では、 そういう方向ではないTLDもあり、代理情報の掲載をオフィシャルな制度として 定めているTLDもある。

現状は、そういった議論を経て、今の形がある。

◎今回JPで起きたことは、ある意味珍しく、そのことが色々と騒がせてしまった 原因のように思う。そのため、この件が災い転じて福となすよう、色々な見直し につなげたり、将来的起きにくくなるよう対策をしているということを大いに説 明し、抑制につなげるというのはありだと思う。

◎後からルールを作り遡及するような国もあるが、日本では歴史的なIPアドレス やドメイン名などは、全て丁寧に個別に説得して、という手順を踏んでいる。随 分手間がかかり、業界の関係者は苦労をなさっている部分もあるとは思うが、使 っている人の範囲が本当に広く、影響が計り知れない事から、ドメイン名を維持 している人だけではなく、使っている人もなるべく混乱しないように、という点 を意識して対応してきたのが今までの日本のやり方だと思う。
大変ご苦労な事ではあるが、引き続き丁寧な対応をお願いしたい。

(3) その他
◎本日予定していた議題は以上だが、何か委員の皆様から情報共有や今度機会が あれば紹介してもらいたい事項などはあるか?

〇特になし。

●JPRSから1点ご報告がある。本日JPRSとして1件報道発表を行っている。本日の 委員会での議論と直接関係するものではないが、情報セキュリティマネジメント システムの国際規格である「ISO/IEC27001:2013」の認証をドメインレジストリ 事業として取得した。ご報告は以上である。

◎大変良いニュースである。それでは本日の諮問委員会を終了とする。

<閉会>

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