委員会資料
第76回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第76回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時: 2024年12月4日(水) 13:00~14:03
2. 場 所: 株式会社日本レジストリサービス 東京本社 会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館12F
3. 出 席 者: 浦川伸一 委員長
金子宏直 副委員長
大津康治 委員
恩賀一 委員
曽根秀昭 委員
長田三紀 委員
藤嶋久 委員
4. 同 席 者: 堀田博文 (JPRS 取締役)
宇井隆晴 (JPRS 取締役)
遠藤淳 (JPRS 事務局)
小口信 (JPRS 事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議題
(1) 第12期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代について
(2) 諮問「第13期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2024001)について
(3) JPRSからの情報提供
(4) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 第12期JPドメイン名諮問委員会委員一覧
資料2 諮問書「第13期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法につい
て」(JPRS-ADV-2024001)
資料3 インターネットガバナンスに関する国連の動向とドメイン名業
界の関わり
参考資料1 JPドメイン名諮問委員会規則
参考資料2 プレスリリース「JPRSがInternet Watch Foundationに入会
- 子どもの性的虐待表現物の削除に向けて連携、不正行為に用
いられるドメイン名への対応を強化 -」
7.議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局)
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<開 会>
《出席状況の報告》
●出席状況の報告の前に、第12期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代に
ついて事務局から報告する。
●第12期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代2件について報告する。
まず、JPドメイン名指定事業者分野から委員に就任いただいていた金井俊夫様
が、5月27日付で辞任し、後任として、6月18日にJPドメイン名諮問委員会より
藤嶋久様を推薦いただいた。
これを受け、JPRSでは、6月26日に取締役会が開催され、藤嶋久様にJPドメイン
名諮問委員に就任いただくことが決議された。その後、藤嶋久様より就任の承諾
をいただき、7月5日付で委員に就任いただいた。
また、7月5日付の総務省人事異動にて、総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部
データ通信課長が西潟暢央様から恩賀一様に交代となった。
日本国政府の分野については、定期的な人事異動を考慮し、個人名でなく、デー
タ通信課長という所属/役職で推薦いただいており、異動の際には後任の方に就
任いただいている。新しくデータ通信課長に就かれた恩賀一様には就任の承諾を
いただき、7月10日付で委員に就任いただいた。
以上、委員の交代について報告した。
●本日の委員会には、浦川伸一委員長、金子宏直副委員長、大津康治委員、
恩賀一委員、曽根秀昭委員、長田三紀委員、藤嶋久委員、以上7名全員の出席を
いただいている。従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、
開催に必要な定足数の「委員の過半数」を満たしていることを報告する。
本日、JPRSからは、堀田博文、宇井隆晴、遠藤淳、小口信が同席する。
<議題(1) 第12期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代について>
◎「第12期JPドメイン名諮問委員会における委員の交代について」は、委員会の
冒頭で事務局より報告いただいたため、詳細は割愛させていただく。新しく就任
されたお二方には、一言ずつご挨拶をいただきたい。
[恩賀一委員よりご挨拶]
[藤嶋久委員よりご挨拶]
<議題(2) 諮問「第13期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2024001)について>
◎諮問書の内容について、JPRSより説明いただきたい。
[取締役宇井隆晴より諮問書について説明]
- 資料2 諮問書「第13期JPドメイン名諮問委員会委員の選任方法について」
(JPRS-ADV-2024001)
◎委員の皆さまにおかれては、これまでのご経験等からお気づきの点を含め、委
員選任の方法についてご意見やご質問をいただきたい。
私がJPドメイン名諮問委員会の委員を拝命して以降のこの数年間で、インターネ
ットを取り巻く環境には様々な変化や進展があったかと思う。諮問委員の交代も
何度か経験しているが、インターネットを取り巻く様々な立場からのバランスが
取れた選任という観点では、委員構成や選任方法等について、個人的には特に変
更すべき要件はないと考えている。
特にご意見等はないということでよろしいか。
○異議なし
◎本日の委員会での討議の趣旨を整理して私と事務局で答申書の案を作成し、委
員の皆さまにご確認いただき、答申書にまとめさせていただきたい。答申書(案)
は、12月末までに正式にまとめたいと思う。内容についてはメールで確認をさせ
ていただくこととしたいが、いかがか。
○異議なし
◎来年2月には第77回諮問委員会を予定しており、それまでには、具体的な委員
の推薦についても進めていくことにしたい。本件については、事務局を通してご
相談させていただく。委員の皆さま、引き続きよろしくお願いする。
<議題(3) JPRSからの情報提供>
◎インターネットガバナンスに関し、このところ国連の方面で色々と動きがあり、
それに呼応してドメイン名業界の方でもご議論があるとのことで、状況について
JPRSより紹介いただきたい。
[JPRS堀田博文より資料について説明]
- 資料3 インターネットガバナンスに関する国連の動向とドメイン名業界の
関わり
○私もインターネットができた頃からこの業界にいるが、今のインターネットは
まさに民主主義の危機だと思っている。DNSの管理を国家に委ねるか否かという
話が最初にあったが、それと同じ流れで、国が管理をするのか、いわゆる自律・
分散・協調ということで自分たちが管理をして正常にしていくか、という戦いだ
と思っている。本来、民主主義は後者だと思う。ウクライナがICANNに行ったリ
クエストもそうだが、国家が管理すると、国のエゴのようなものに振り回されて
しまい、インターネット本来の趣旨にはそぐわないと考える。様々な意見はある
だろうが、非常に重要な局面だと思う。
○資料の14スライド目に関連して、2006年当時、政府の関係者に正しく理解して
ほしかったポイントと、近年そのような文脈で重要なポイントについて、代表例
を教えていただきたい。
●個人的な認識では、インターネットが社会に普及してきた2006年頃に各国政府
の中で起こっていた議論は、「インターネットは、政府あるいは国連が管理しな
いと危ないのではないか?」という内容が中心だったように思う。そのため、当
時は「インターネットはこのように運用されている」という仕組みを政府に説明
することを通じ「民間に任せても問題がなさそうである」と思っていただくこと
を最も重視していた。しかし、近年はそれだけでは不十分である。on the
Internetの問題が大量に発生すると、政府は「では規制をどこまですればいいの
か」「国家間で何を約束しておけばよいのか」を適切かつ迅速に取り決めたい、
と考える。それは正しい考えだと思うが「規制や法律を制定する際は、政府だけ
ではなく運用者や利用者側の意見も聞かないと、インターネットは上手く動かな
い」ということをしっかりと伝え、理解いただくフェーズにあると感じている。
○私も技術革新が速い分野にこれまで携わってきた経験からマルチステークホル
ダーの方々と議論する重要性は認識しており、このインターネット基盤の世界で
も、より重要性が高まってきていると思う。昨年京都で開催されたインターネッ
トガバナンスフォーラムにも参加したが、そのように感じた。
◎「Governance of the Internet」から「Governance on the Internet」へとい
う流れは、時代を捉えている見方だと思う。経済界では、2019年に政府が提唱し
たDFFTをなかなか活性化できずにいるが、2024年10月15日に経団連から、産業
データスペースに関する提言を発表した。産業データスペースとはDFFTを具体化
するための仕組みであり、安全・確実にデータが流通するインフラを、官民でし
っかりと議論して前に進めていこうという流れである。本提言におけるキーワー
ドの一つが、トラスト基盤である。インターネットのアプリケーションレイヤー
では、SNSや動画配信等、20~30年前は想像もつかなかったようなインターネッ
トの利用形態が急激に広まっており、社会への浸透があまりに急だったため、情
報の真正性に関する議論が起こったり、子供に見せてはいけないものが簡単に見
られてしまう状態が問題視されたりしている。サイトの情報が正しいか否か、特
定のサイトにアクセスできるか否か、といったことに関し、民間企業の中でトラ
スト基盤を構築し続けることに限界を感じている。クラウドの世界でもソブリ
ン・クラウドの話がされているが、インターネット利用に関しても政府によるガ
バナンスについては今後よりいっそう具体的な議論が進んでいくのではないかと
思う。先ほど他委員からご発言があったように、国ごとに政府の考え方は違う。
こういった新しい視点でのガバナンスの在り方に関する議論が、今後国際的によ
り活発に進んでいくことを期待したい。
特にJPドメイン名という観点で考えたとき、デジタルガバナンスのポイントは非
常に複雑だと考えている。現在、データが流通する最も大きなトリガーはAIであ
り、AIの利用は今後爆発的に増える。データがないとAIは機能しないため、様々
な企業、あるいは政府がデータを収集することとなるが、AIを有効にそして正し
く利用するためのモデルの構築や流通に資するインフラの整備を企業や国ができ
るのかといったことが、日本産業の振興上、非常に大きなテーマになりつつある
と思う。それをインターネットレイヤーでカバーする気はあるのか、それともア
プリケーションレイヤーの領域で対応するべきなのかといった議論が、より進ん
でいくとよいと思う。
<議題(4) その他>
◎本日、議題としては以上だが、事務局から1点情報共有があると伺っている。
●2024年11月5日にJPRSが行った報道発表について、委員の皆さまにはすでにご
報告済みではあるが、JPドメイン名のサービスに関連が深いものであるため、委
員会の場でも改めて共有する。
[JPRS遠藤淳より資料について説明]
- 参考資料2 プレスリリース「JPRSがInternet Watch Foundationに入会 -
子どもの性的虐待表現物の削除に向けて連携、不正行為に用い
られるドメイン名への対応を強化 -」
《今後の予定について》
◎第76回JPドメイン名諮問委員会の議事は終了とする。
本日JPRSより提出された諮問書への答申については、本日の委員会を踏まえて私
と事務局で案を作成し、委員の皆さまにご確認いただいた上で、答申書にまとめ
させていただく。
次回委員会は2月18日に開催予定であるため、よろしくお願いする。
<閉 会>