委員会資料
第79回JPドメイン名諮問委員会議事録
株式会社日本レジストリサービス 第79回JPドメイン名諮問委員会 議事録
1. 日 時:2025年12月3日(水)11:00-11:53
2. 場 所:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)東京本社 会議室
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館12F
3. 出席者:浦川伸一 委員長
金子宏直 副委員長
小川義隆 委員
鎌田俊介 委員
曽根秀昭 委員
長田三紀 委員
藤嶋久 委員
4. 同席者:堀田博文 (JPRS取締役)
遠藤淳 (JPRS事務局)
小口信 (JPRS事務局)
松丸真紀子(JPRS事務局)
5. 次 第:
1. 開会
2. 議題
(1) 諮問「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン名の検索結果に管理
指定事業者名を表示することについて」(JPRS-ADV-2025001)
(2) その他
3. 閉会
6. 資 料:
資料1 第13期JPドメイン名諮問委員会委員一覧
資料2 諮問書「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン名の検索結
果に管理指定事業者名を表示することについて」
(JPRS-ADV-2025001)
資料3 諮問事項説明資料「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン
名の検索結果に管理指定事業者名を表示することについて」
参考資料1 JPドメイン名諮問委員会規則
参考資料2 登録者・レジストラ・レジストリの関係
7. 議 事:(◎は委員長、○は委員、●はJPRS取締役及び事務局)
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<開 会>
《出席状況の報告》
●本日の委員会には、浦川伸一委員長、金子宏直副委員長、小川義隆委員、鎌田
俊介委員、曽根秀昭委員、長田三紀委員、藤嶋久委員、以上7名全員の出席をい
ただいている。従って、JPドメイン名諮問委員会規則第13条に規定されている、
開催に必要な定足数の「委員の過半数」を満たしていることを報告する。
本日、JPRSからは、堀田博文、遠藤淳、松丸真紀子、小口信が同席する。
<議題(1) 諮問「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン名の検索結果に管理指
定事業者名を表示することについて」(JPRS-ADV-2025001)>
◎JPRSより、「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン名の検索結果に管理指定
事業者名を表示することについて」という諮問書が提出されている。
諮問書の内容について、JPRSより説明をお願いする。
●お手元の資料2を読み上げさせていただく。その後、事務局より資料3を用いて
説明を行う、という流れで進めさせていただきたいと思う。
[取締役堀田博文より、諮問書を読み上げ]
- 資料2 諮問書「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン名の検索結果に管理
指定事業者名を表示することについて」(JPRS-ADV-2025001)
[事務局より、資料を説明]
- 資料3 諮問事項説明資料「JPRSのRDAPサービスにおいてJPドメイン名の検索
結果に管理指定事業者名を表示することについて」
◎本日は本諮問事項の説明について質疑いただき、次回の委員会にて議論いただ
く、という流れで進めたいと思うが、委員の皆さまよろしいか。
○異議なし
◎JPRSとしてもその進め方でよろしいか。
●そのようにお願いする。
◎では、ただいまの説明について、質疑をお願いする。
<質疑応答・意見交換>
○指定事業者の立場からコメントをさせていただきたい。グローバル標準に合わ
せていくことで関係者の利便性を高めたり、インターネットの安全性を高めたり
していく点においては、非常に検討に値する施策であると思う。指定事業者にお
いては、今までなかった業務が増えてくる可能性もあるという説明だったと思う。
指定事業者としては、JPドメイン名に関しては管理指定事業者名が公開されてい
ないという前提で様々なプランを立てている可能性もあるため、影響があるケー
スも出てくるのではと考える。海外では、管理レジストラ名が公開されるように
変更になった際の負担を減らしていくための方策は、何かされているのか、ある
いは、海外では管理レジストラ名が公開されるという前提でレジストラとなる必
要がある、ということなのか。先に管理レジストラ名の公開に対応している地域
の状況を教えていただきたい。
●gTLDにおいて、管理レジストラ名が公開されていることもあり、多くの国にお
いて公開される前提でサービスが作られており、各種問い合わせに対して、レジ
ストラが対応する形になっている。レジストラとして事業を営んでいる事業者と
リセラとしてレジストラの下で事業を営んでいる事業者の棲み分けが、JPドメイ
ン名よりもはっきりしているのではないかと思う。リセラになると問い合わせ対
応をしなくてもよいというわけではないが、登録されたドメイン名で不正行為が
行われた際は、基本的にはレジストラが対応をするという考え方である。レジス
トリが全て対応するのではなく、レジストラ、リセラレベルでもインターネット
健全化に向けて取り組む必要があるという認識と思われる。
○海外の事例は参考にならないかもしれないと感じた。JPドメイン名で管理指定
事業者名の表示を実施していく際に、例えば移行期間を設けるなど、指定事業者
の負担を低減するような方策はありえるのだろうか。それとも、移行期間などは
なく、ある時点から全体を一度に切り替えるということになるのだろうか。
●指定事業者とコミュニケーションをとりながら、過度な負担とならないように
導入していく必要があると認識している。
○承知した。
●これまでに、管理指定事業者名を公開することに関する相談は一部指定事業者
の皆様にさせていただいており、概ね、インターネット全体の安全と、自分たち
の業務が少し増えるかもしれない、ということのバランスの問題として、イン
ターネット全体の安全は大事だと、理解をいただいている感触持っている。ただ
し、仰っていただいた通り、実際に業務として実装しようとすると対応が必要な
点もあると思うため、指定事業者と密に相談しながら進められればと思っている。
懸念や良い点も含めて、諮問委員会で色々議論いただきたいと考えている。
○諮問の論点となるという点を理解した。
○指摘があった、レジストラの観点での懸念は、ISPという立場が、インター
ネットを生業としてお客様にサービスを提供する以外にも、ドメイン名を使って
生業をするという側面が多分にあるため、大変理解できる。ただし、ドメイン名
を利用してWebのサイトを作る、メールを提供する、インターネットを通じてお
客様にアプリケーションの提供を行う中で、指定事業者名が非公開であるため、
トラブルシュートに時間がかかるというのが実際に起こっている。gTLDの場合に
は、お客様から質問があった際にこちらの方で動けるのだが、JPドメイン名につ
いてはお客様に全て委ねてしまっており、お客様のスキルレベルによっては非常
に時間がかかり、トータルでお客様に不便をおかけすることも実際に起きている。
広い視点から、ドメイン名を利用してインターネットでサービスを提供する、と
いうことを考えたときは、指定事業者名の公開はメリットの方が大きいのではな
いか。
もう1つは、もし非公開から公開に変わる、となった時の情報公開というのを、
どのような形で行うか。レジストラだけでなく、ドメイン名登録者に対しても情
報共有をしていかなければならないのではないかと考えている。そこのプロセス
は、時間をかけて、どのような手段で行っていく、というところは十分に議論を
していかなければいけないのかなと考えている。
○もし実施するとなった時、周知の期間や、指定事業者での対応期間が必要に
なってくると思うが、そのあたりのタイムラインや手順について、もしすでに検
討のところがあれば教えていただければと思う。
●2026年以降のサービスリリースを前提に、今回、諮問委員会にお諮りしている
が、具体的に何月というところまでは現時点では決まっていない。委員会での議
論を踏まえ、しっかり準備していきたい。
○十分な期間を確保していただけるよう、配慮いただければと思う。
◎ほかに質問はあるか。
○素人の基本的な質問だが、今のJPRS WHOISでドメイン名を検索すると、連絡先
というのが出てくる。連絡先と、いま議論されている指定事業者情報との違いを
うかがいたい。
●汎用JPに関しては、登録者名の他、公開連絡窓口という「このドメイン名に連
絡をとりたい場合の連絡先」を登録するよう登録者にお願いし、それがWHOISで
公開されているという状況になる。こちらに関しては、連絡が取れる窓口であれ
ば誰でもよいということになっているため、指定事業者の連絡先が登録されてい
る場合もあれば、実際の登録者や指定事業者のリセラの連絡先が登録されている
場合もある。登録する連絡先はドメイン名の登録者が選択する形になるため、一
概に公開連絡窓口に登録されているのは指定事業者とは言えないという状況であ
る。
○世界的に広く提供されている情報項目を追加することが、セキュリティを高め
ることになるだろうというのがこの諮問の出発点なのではと思うが、今のお話を
伺うと、例えばJPドメイン名の登録者自身が連絡先に出ている場合に比べ、それ
が指定事業者に統一されるとなると、段階が増えることになる。何段階かになっ
ていると、連絡を取ろうとする場合かえって手間が増えてしまう場合があるので
はないか。連絡が取れるかどうかが大事なのか、世界的な基準に統一することが
大事なのか、ということかもしれない。インターネットの世界では、統一な形に
合わせることがセキュリティや安定性を保つことにつながるので、なぜ今回変え
たいのか、といったあたりの理由付けを整理する必要があるように感じた。
○別な質問をしたい。影響を受けるステークホルダーの中に特に商標権者が出て
くる理由は何か。例として商標権者というのは考えられると思うが、商標権者以
外の知的財産権者や一般的なインターネットの不法行為の被害者もステークホル
ダーに含まれるかもしれない。商標権者に絞った理由があれば、教えていただき
たい。
●指摘の通り、多様な知的財産権者が存在しており、商標権者以外も影響がある
と考えている。特段、商標権者に絞る意図はなかったが、商標と同一の文字列、
あるいは類似の文字列のドメイン名紛争が今もこれまでも多かった。そのような
観点から、代表的な知的財産権者として商標権者を挙げさせていただいている。
商標権者に限らず、各種知的財産権者も含まれるという理解に基づき議論いただ
けるようにしたいと思う。
◎ほかにあるか。
○特になし。
◎それでは、質問等も出尽くしたようにお見受けするため、本日皆さまから質問
や意見をいただいた内容について、事務局にて論点等を再確認・整理した上で、
次回以降の委員会で議論いただきたいと思う。
<議題(2) その他>
◎本日、事務局で準備した議題は以上だが、その他、委員の皆さまから何かおあ
りか。
○特になし
《今後の予定について》
◎それでは、第79回JPドメイン名諮問委員会の議事は、以上をもって終了とする。
感謝を申し上げる。なお、次回の諮問委員会については、後日、事務局より案内
するため、よろしくお願いする。
<閉会>