社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
公開: 2000年11月2日
改訂: 2002年2月1日
株式会社日本レジストリサービス
改訂: 2003年3月10日
改訂: 2003年7月2日
改訂: 2004年8月17日
改訂: 2005年8月30日
改訂: 2005年12月 5日
改訂: 2010年8月12日
改訂: 2010年11月16日
改訂: 2012年5月16日
改訂: 2013年11月12日
改訂: 2019年7月18日
改訂: 2021年5月19日
実施: 2021年8月22日
汎用JPドメイン名登録等に関する技術細則
目次
0. はじめに
1.登録可能な汎用JPドメイン名の文字種別と文字列
2.汎用JPドメイン名の構成
3.申請文字列の正規化
4.ネームサーバ設定における日本語ラベルのエンコーディング
5.汎用JPドメイン名に設定可能な署名鍵の形式
6.制限事項
6.1 ネームサーバホスト名における制限事項
6.2 電子メールアドレスにおける制限事項
6.3 URIにおける制限事項
6.4 署名鍵における制限事項
7.予約ドメイン名
付録1 互換用文字
付録2 正規化における文字置換の方式
付録3 正規化における文字合成の方式
付録4 日本語文字一覧
付録5 ABNFによる汎用JPドメイン名の定義
0. はじめに
本技術細則では、「汎用JPドメイン名登録等に関する規則」第3条第2項に
基づいて、汎用JPドメイン名に関する技術上の要件を定める。
1.登録可能な汎用JPドメイン名の文字種別と文字列
汎用JPドメイン名における文字種別と文字列を以下に規定する。
「ドメイン名」は、ラベルをピリオド(".")で区切って連結した文字列であ
る。
「ラベル」は、本技術細則により定められるASCIIラベルおよび日本語ラベル
により構成される。
「ASCIIラベル」は、英字("A"から"Z")、数字("0"から"9")、ハイフン("-")
からなる文字列である。ただし、ASCIIラベルの先頭と末尾の文字はハイフン
であってはならない。ASCIIラベルの長さは、63文字以下でなければならない。
ASCIIラベル中では、英字の大文字・小文字の区別はなく同じ文字とみなされ
る。
「日本語ラベル」は、本技術細則により定められる日本語文字を1文字以上
含む、日本語文字および英字("A"から"Z")、数字("0"から"9")、ハイフン("-")
からなる文字列である。ただし、日本語ラベルの先頭と末尾の文字はハイフン
であってはならない。日本語ラベルの長さは、15文字以下でなければならない。
日本語ラベル中では、英字の大文字・小文字の区別はなく同じ文字とみなされ
る。
「日本語文字」は、「JIS X 0208:1997 7ビット及び7ビットの2バイト情報
交換用符号化漢字集合」(以下「JIS X 0208:1997」という)における符号表の
うち、次にあげる文字により構成される。
(1)4区の文字(平仮名)
(2)5区の文字(片仮名)
(3)16区から84区の文字(漢字)
(4)1区のうち、次にあげる文字(中点、仮名又は漢字に準じるもの)
区点 UCS 文字
-------------------
1-6 30FB ・
1-19 30FD ヽ
1-20 30FE ヾ
1-21 309D ゝ
1-22 309E ゞ
1-24 4EDD 仝
1-25 3005 々
1-26 3006 〆
1-27 3007 〇
1-28 30FC ー
-------------------
区点: JIS X 0208:1997における区点番号。
UCS: The Unicode Standard, Version 3.2.0(以下「Unicode」と
いう) の符号表における文字位置を示す番号。
「区切り文字」は、次にあげる文字により構成される。ラベルには、区切り
文字は含まれない。
(1)「JIS X 0201:1997 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字
集合」(以下「JIS X 0201:1997」という)における区切り文字
8ビット符号(16進数) UCS 図形記号
-------------------------------------
10/1(A1) FF61 。
-------------------------------------
8ビット符号: JIS X 0201:1997の8ビット符号表における位置。
(2)JIS X 0208:1997における区切り文字
区点 UCS 文字
-------------------
1-3 3002 。
1-5 FF0E .
-------------------
ドメイン名を構成する最も右側のラベルを「トップレベルドメイン名」と呼
び、以下左へ順に「第2レベルドメイン名」、「第3レベルドメイン名」、...
と呼ぶ。
「ネームサーバホスト名」は、ネームサーバ設定の際に指定されるドメイン
ネームサーバ(以下「ネームサーバ」という)の名称である。ネームサーバホス
ト名は、3つ以上のラベルをピリオド(".")で区切って連結した文字列である。
2.汎用JPドメイン名の構成
汎用JPドメイン名の構成は、次の通りである。
<ラベル>.JP
「ASCIIドメイン名」は、汎用JPドメイン名のうち、<ラベル> がASCIIラベ
ルであるドメイン名である。ASCIIドメイン名の <ラベル> は、3文字以上でな
ければならない。
「日本語ドメイン名」は、汎用JPドメイン名のうち、<ラベル> が日本語ラ
ベルであるドメイン名である。日本語ドメイン名の <ラベル> は、1文字以上
でなければならない。
3.申請文字列の正規化
「申請文字列」は、株式会社日本レジストリサービス(以下「当社」という)
への登録申請の際に、ドメイン名およびネームサーバホスト名として指定され
る文字列である。
申請文字列には本技術細則により定められる互換用文字を含んでよい(付録1
「互換用文字」を参照)。
「正規化」は、申請文字列によって構成された各文字を、後述の手順に従っ
て変換することである。
正規化は、ピリオド(".")または区切り文字で分割した文字列単位で行う。
ラベルは正規化後の文字列である。ラベルの連結はピリオド(".")で行う。
汎用JPドメイン名における正規化は、以下の手順により行う。
(1)付録2「正規化における文字置換の方式」により定められる方式
(2)付録3「正規化における文字合成の方式」により定められる方式
当社が登録するドメイン名およびネームサーバホスト名は、正規化後の文字
列を使用する。正規化後の文字列に日本語文字が1文字も含まれないラベルは、
ASCIIラベルとして取り扱う。
4.ネームサーバ設定における日本語ラベルのエンコーディング
ネームサーバ設定の際に、対象となるドメイン名およびネームサーバホスト名
に日本語ラベルが含まれている場合、本技術細則「3.申請文字列の正規化」に
規定する方式により正規化を行う。その正規化した日本語ラベルをUnicodeに変
換し、RFC5891で定義される以下の手順によりエンコーディングした文字列と置
き換える。
(1)RFC3492で定義されるアルゴリズムによりエンコーディングを行う
(2)RFC5890で定義されるプレフィックスを前置する
JIS X 0208:1997からUnicodeへの変換の際の対応表として、付録4「日本語
文字一覧」により示される対応表を使用する。
5.汎用JPドメイン名に設定可能な署名鍵の形式
「署名鍵」は、DNSのリソースレコードであるDSレコードのRDATA部である下
記の(1)から(4)の4要素(RFC4034参照)の値を空白文字にて連結した文字
列である。登録原簿には、その署名鍵の形式で記載する。
(1)鍵タグ
対応するDNSKEYレコードから生成した整数値
(2)アルゴリズム
対応するDNSKEYレコードのアルゴリズムを示す下記の整数値のいずれか
整数値 アルゴリズム 参照RFC
------------------------------------
3 DSA RFC4034(注1)
5 RSASHA1 RFC4034(注1)
6 DSA-NSEC3-SHA1 RFC5155(注1)
7 RSASHA1-NSEC3-SHA1 RFC5155(注1)
8 RSASHA256 RFC5702
10 RSASHA512 RFC5702(注1)
13 ECDSAP256SHA256 RFC6605
14 ECDSAP384SHA384 RFC6605
15 ED25519 RFC8080
16 ED448 RFC8080
------------------------------------
(3)ダイジェストタイプ
ダイジェストタイプを示す下記の整数値のいずれか
整数値 ダイジェストタイプ 参照RFC
------------------------------------
1 SHA-1 RFC4034(注1)
2 SHA-256 RFC4509
4 SHA-384 RFC6605
------------------------------------
(4)ダイジェスト
対応するDNSKEYレコードのメッセージダイジェストを16進数で表
した文字列
6.制限事項
6.1 ネームサーバホスト名における制限事項
ネームサーバホスト名のトップレベルドメイン名が"JP"の場合、そのネーム
サーバホスト名は、登録原簿に記載されている属性型(組織種別型)・地域型
JPドメイン名、汎用JPドメイン名もしくは都道府県型JPドメイン名に含まれる
ものでなければならない。
当社は、この制限事項に反するネームサーバホスト名を登録原簿から抹消する
ことができる。
ネームサーバホスト名には、次にあげるラベルを含んではならない。
(1)"**--"("*"は任意の1文字)で始まるラベル
6.2 電子メールアドレスにおける制限事項
登録者または公開連絡窓口などの申請情報として登録される電子メールアド
レスのドメイン名部分(電子メールアドレスにおける"@"の右側)には、次にあ
げるラベルを含んではならない。
(1)"**--"("*"は任意の1文字)で始まるラベル
(2)日本語ラベル
6.3 URIにおける制限事項
登録者または公開連絡窓口などの申請情報として登録されるURIのホスト名
部分には、次にあげるラベルを含んではならない。
(1)"**--"("*"は任意の1文字)で始まるラベル
6.4 署名鍵における制限事項
汎用JPドメイン名に設定された署名鍵がセキュリティやその他の問題を引き
起こす可能性があると当社が判断した場合、当社は署名鍵を登録原簿から抹消
することができる。
7.予約ドメイン名
当社は、特定の汎用JPドメイン名を、すべての組織が登録できないドメイン
名として、ないしは特定の組織を除いて登録できないドメイン名として指定す
る場合がある。これを予約ドメイン名と呼ぶ。この指定および指定解除、その
他の詳細は指定の都度定める。
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(注1)2021年8月22日より、当該整数値を指定した署名鍵を新たに設定する
ことはできない。
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変更履歴 (2002年4月1日版→2003年3月20日版への変更)
・国際化ドメイン名関連のRFC発行に伴う改訂
・ネームサーバホスト名に日本語JPドメイン名を利用可能とするための改訂
変更履歴 (2003年3月20日版→2003年7月10日版への変更)
・JIS規格・RFC・その他の規格書にあわせた用語および表現の変更
・JIS X 0208規格のリファレンスをJIS X 0208-1990から最新のJIS規格である
JIS X 0208:1997に更新。これによる字形の入れ替え等、Unicodeとのマッピ
ングによる影響はない。
・属性型・地域型JPドメイン名技術細則の用語・表現との整合
・日本語ラベルとして登録可能な文字の追加
「〃」「仝」「〆」「〇(漢数字ゼロ)」
・ラベルを正規化後の文字列に限定し、定義をより厳密化。これにより本技術
細則でのラベルの定義は、RFC3490における定義とは異なる
・正規化の手順をより明確に記述
・日本語ドメイン名のエンコーディング方式決定に伴い、制限事項からサフィッ
クスに関連する次のものを削除
"--**" ("*"は任意の1文字)で終わる文字列
"-8q9" で終わる文字列
・付録の番号を技術細則中の参照順に修正
・ABNFによる汎用JPドメイン名の定義を付録へ新規に追加
変更履歴 (2003年7月10日版→2004年10月18日版への変更)
・登録者または公開連絡窓口などの申請情報のうち、URIに日本語ラベルを利
用可能とするための改訂
変更履歴 (2004年10月18日版→2005年8月30日版への変更)
・日本語ラベルとして登録可能な文字から、「〃」(区点:1-23、UCS:3003)を削除
変更履歴 (2005年8月30日版→2006年1月10日版への変更)
・「5.1 ネームサーバホスト名における制限事項」にネームサーバホスト名の
トップレベルドメイン名が"JP"の場合の制限事項を追加
変更履歴(2006年1月10日版→2010年8月15日版への変更)
・日本語ラベルのエンコーディング手順のリファレンスをRFC3490からRFC5890
およびRFC5891に更新
・日本語ラベルの正規化エンコーディング手順のリファレンスをRFC3491から
本技術細則「3.申請文字列の正規化」に規定する方式に更新
変更履歴(2010年8月15日版→2011年1月16日版への変更)
・汎用JPドメイン名に設定可能な署名鍵の形式を定義
・署名鍵における制限事項を追加
変更履歴(2011年1月16日版→2012年7月16日版への変更)
・「6.1 ネームサーバホスト名における制限事項」の対象に都道府県型JPドメ
イン名を追加
変更履歴(2012年7月16日版→2013年11月12日版への変更)
・「6.1 ネームサーバホスト名における制限事項」「6.2 電子メールアドレス
における制限事項」「6.3 URIにおける制限事項」の変更
変更履歴 (2013年11月12日版→2019年9月19日版への変更)
・技術細則の内容に関する説明を追加
・汎用JPドメイン名に設定可能な署名鍵のアルゴリズムとダイジェストタイプ
を追加
変更履歴 (2019年9月19日版→2021年8月22日版への変更)
・汎用JPドメイン名に設定可能な署名鍵の形式に関する注記を追加
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