地域型JPドメイン名再構築検討部会 > 地域型JPドメイン名の再構築における基本方針の検討結果報告書
地域型JPドメイン名再構築検討部会(以下、検討部会)では、 JPRS からの検討依頼を受け、地域型JPドメイン名の利用状況変化やアンケートの結果等を踏まえ、 地域型JP ドメイン名再構築の是非及び再構築する場合の基本方針を検討した。 以下にその検討結果を報告する。
地域型JPドメイン名は、1993年の新設から今日に至るまで、種々の周辺状況変化(3章にて後述)により、サービス仕様が現状の要求に合わなくなってきている。 このため、それぞれの地域の方々にとって登録・活用しやすいドメイン名とし、地域の発展に寄与できるドメイン名であり続けるための見直しを検討した。
検討部会では、以下の基本方針に基づき、地域型JPドメイン名の制度を再構築すべきであると考える。 (個々の基本方針については、4章にて説明する。)
なお、新制度導入においては、混乱を防ぐため、以下の事項に十分に配慮することが適切である。
地域型JPドメイン名は、1993年12月から実験プロジェクトとして登録が開始され、1996年4月から本格的な運用が開始された。 累計登録数は、2002年6月の4338件をピークに年々減少しており、2010年7月時点では、2712件となった。 また、新規登録数も減少しており、2009年の1年間では13件である。
累計登録数及び新規登録数の減少の原因としては、いわゆる「平成の大合併」による地方公共団体数の減少と、 以下に示す新設ドメイン名により地域型JPドメイン名以外へ選択肢が広がったことが挙げられる。
新設したドメイン名 | 新設時期 | 主な対象 |
---|---|---|
ED.JPドメイン名 | 1999年2月 | 初等中等教育機関等 |
汎用JPドメイン名 | 2001年2月 | 日本国内の個人や組織 |
LG.JPドメイン名 | 2002年10月 | 地方公共団体 |
ドメイン名の登録が広がり普及が進む中で、ドメイン名の覚えやすさや分かりやすさに対する要求が顕在化し、 地域型JPドメイン名に関して「長くて使いにくい」「登録ルールが複雑で分かりにくい」といった一般からの意見や、 指定事業者からの見直し提案がJPRS に寄せられるようになった。
上記の状況を受け止めJPRS は、本検討部会を設置し、再構築の是非と方針検討を開始した。 検討部会設置の際に、JPRS からは以下の大方針が提示された。
検討部会では、地域型JPドメイン名の再構築の是非と今後の扱いについて、以下の3通りの対応を考えた。
地域名を冠したドメイン名の登録を望む声が、指定事業者の顧客等から実際に上がっており、 地域型JPドメイン名を適切に再構築すれば、地域の発展に寄与するサービスになる可能性があると検討部会は判断した。
再構築の適切な基本方針を検討するに当たり、まず検討の軸となる事項として「所在要件の必要性」や「1 組織1 ドメイン名制限の必要性」等を洗い出し、 それらに関するアンケートによって広く意見を収集し、これも参考とした。
4章では、2章で示した再構築の四つの基本方針について説明を行う。
アンケートの結果得られた以下のような要求に応え、利活用の幅を広げるため、登録時の申請者の当該地域への所在要件を撤廃するのが適切である。
アンケートの結果得られた以下のような要求に応え、ドメイン名の多様な使い方に対応するため、1組織1ドメイン名の制限を撤廃するのが適切である。
アンケートの結果得られた以下のような指摘に応え、第2レベルが都道府県名ラベルとなっているものについては、希望の文字列を第3レベルへ登録できるように変更するのが適切である。
また、以下の理由により、第2レベルが、都道府県名ラベルではなく、政令指定都市名ラベル[*3]となっているものについては、現在地域型JPドメイン名として利用されているものも含め、再考するのが適切である。
再構築に当たって、登録済みの地域型JPドメイン名は、混乱や負担を回避するため希望すれば使い続けられるようにするのが適切である。
以下の通り検討部会を開催した。
2010年5月10日 | 検討部会準備会 | 検討部会設置、意見交換会 |
2010年6月 2日 | 第1回検討部会 | 検討課題の確認 |
2010年6月21日 | 第2回検討部会 | アンケート設問の検討 |
2010年7月 9日 | 第3回検討部会 | アンケート結果共有と再構築方針検討 |
2010年7月28日 | 第4回検討部会 | 報告書の確認 |
地域型JPドメイン名に対する意見を広く収集するためアンケートを実施した。
チャーター、会議の資料と議事録、アンケート結果を次のURLで公開している。
URL: http://jprs.jp/geo-wg/