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増刊号

vol.49

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2006-03-15━
                       ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.49 ◆
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                    APRICOT 2006 / APNIC 21参加報告                   
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2006年2月27日から3月2日にかけて、APRICOT 2006がオーストラリアのPerth
Convention and Exhibition Centreで開催されました。APRICOT(Asia Pacific
Regional Internet Conference on Operational Technologies)は、ネットワ
ーク運用に携わる技術者を対象とした実用的な技術や知識の習得を目指す会議
として、毎年2月下旬~3月上旬頃に開催されています。

APRICOTに併設する形で、APNIC OPMも開催されました。APNIC OPM(Asia 
Pacific Network Information Centre Open Policy Meeting)はアジア太平洋
のインターネットコミュニティを対象とした、インターネット関連技術、ポリ
シーを議論するミーティングです。APNIC OPMでは関連技術毎にSIG(Special 
Interest Groups)が設けられており、さまざまな議論が行われます。

ここでは、DNS関連のカンファレンスやSIGを中心に会議模様を報告します。

          ◇                     ◇                     ◇

■ APRICOT Conference DNSセッション

DNSセッションでは、DNSSEC、Anycast DNS、レジストリシステム共同開発に関
する3件の発表が行われました。

▼DNSSEC

AfiliasのEdmon Chung氏から.ORGで行われているDNSSECテストベッドの解説が
行われました。DNSSECテストベッドは2005年10月31日に開始され、DNSSEC対応
のネームサーバおよびEPPベースのゾーン情報登録システムから構成されてい
ます。レジストラが参加対象であり、2005年11月23日では3レジストラから
DNSSEC実験用に15のドメイン名が登録され、現在ではそれが135に増えている
そうです。また、DNSSEC普及のために必要な要素や環境についての考察も解説
されました。DNSSECに対する関心は高く、Edmon Chung氏からの解説の後、会
場からは、以下のような様々な意見が寄せられていました。

  ・「DNSSECの普及はRootの署名と署名鍵の更新が課題だった。」
  ・「DNSSEC対応のインフラがないことが課題だ。TLDがそれぞれ独立したテ
      ストベッドをたくさん作るのは有用ではない。」
  ・「もっと多くの者に利用させる努力が必要だ。」
                                                                 など

▼Anycast DNS

PCHのBill Woodcook氏からPCHで展開しているDNS用BGP Anycast Network構築
を通じて得られたノウハウがいくつか解説され、BGP Anycastでは経由するル
ータの数が少ない経路が選ばれる傾向にあるので、衛星経由などルータ数は少
ないが遅延の大きい経路が選ばれる場合の回避方法や、2つのBGP Anycastサイ
トが用意され、耐障害性や信頼性に優れた構成方法などが紹介されました。

▼レジストリシステム共同開発

AFNICのStephane Bortzmeyer氏から小国のccTLDが協同で開発しているレジス
トリシステムが紹介されました。小国のccTLDは十分な資金がなくレジストリ
業務の多くがまだ自動化されていないため、採用するモデルやIDN対応など方
針の異なるレジストリでも共通で使えるレジストリシステムを共同で開発し、
自動化できるようにするプロジェクトを開始したというものです。現在、
AFNIC、NIC-CI(象牙海岸)、NIC-MG(マダガスカル)が参加しており、象牙海岸
では2006年2月から運用を開始し、マダガスカルも今年中に運用を開始するそ
うです。このプロジェクトの成果はフリーソフトウェアとするそうですが、ま
だWebサイトはなく、口コミで参加者を募集している段階です。

■ APNIC DNS Operations SIG

DNS Operations SIGではAPNICから4件、NIRから1件、TLDから2件の報告が行わ
れました。

▼APNIC

Lame Delegation削除方針適用後の状況、ip6.int廃止プロジェクトの状況、お
よびAPNICのDNS管理システムロードマップ報告などが行われました。Lame 
Delegationに関しては、2005年1月に最初の削除を開始後に減少しており効果
が見られ、現在はAPNICがホストするセカンダリサービスを検討しているそう
です。ip6.int廃止プロジェクトに関しては、現在でもip6.intに5(問合せ/分
)程度のトラフィックがあるが、2005年11月と比較すると1/2~1/4程度まで減
っており、定期的なアナウンスを行った後の2006年5月末にはip6.intを廃止す
るという報告がありました。APNICのDNS管理システムロードマップ報告では、
2005年10月に発生した逆引きDNS障害へのクレームを受けて検討が行われている
システム変更についての解説が行われました。

▼NIR

JPNICの穂坂俊之氏から、2005年10月に発生した逆引きDNS障害に関して起きた
日本国内での混乱と対応、そして日本のコミュニティでまとめられた改善要求
が解説されました。上記、APNICから報告されたDNS管理システムロードマップ
は、これを受けてのものとなります。

▼TLD

DNSSEC登録システムとDNS用Anycast展開の紹介が行われました。DNSSEC登録シ
ステムの紹介では、NeuStarのEd Lewis氏から逆引きのDNSSEC対応についての
提案と、EPPでリアルタイムにDNSSECのDSレコードを登録システムのデモが行
われました。DNS用Anycast展開の紹介では、JPRSの米谷嘉朗がJPRSの調査研究
で行っている海外でのDNS用Anycast展開で検討したサイト構築の検討項目と、
実際の構築・運用を通じて得られた所見を解説しました。

■ APNIC Members Meeting

APNIC Members Meeting(AMM)ではAPNICからの報告、他のRIRからの報告、IANA
からの報告、SIGからの報告、EC(Executive Committee)選挙、オープンディス
カッションなどが行われました。

IANAからの報告では、現在メールで行われているRootゾーンへの変更申請を
Webベースで自動化するためのツールの開発が行われていること、また近い将
来にRootゾーンをDNSSEC署名することが検討されていることなどが報告されま
した。

オープンディスカッションでは、2006年2月末から3月頭にかけてWebメディア
などで報道された、中国が漢字TLDを始めたということについて質問が出まし
た。その質問に対し、CNNICから、中国はICANNでのIDN活動に積極的に参加し
ており独自に漢字TLDを設けるようなことはしていなく、3年前からブラウザ用
のプラグインとして漢字TLDのドメイン名に.CNを補う機能を持ったものを配布
しているがそれが今になって報道されたものである、という説明が行われまし
た。

          ◇                     ◇                     ◇

◎ 関連URL

APRICOT
    http://www.apricot.net/

APRICOT 2006
    http://www.apricot2006.net/

APNIC
    http://www.apnic.net/

APNIC 21
    http://www.apnic.net/meetings/21/index.html

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