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ドメイン名関連会議報告

2004年

CENTR Technical Meeting報告

2004/02/03
2004年1月26日に、CENTR主催の第12回Technical Meetingが開催されました。これは、オランダのアムステルダムで開かれた第47回RIPE Meetingに併設開催されたものです。会合には、ヨーロッパを中心とする12のccTLD組織から約20名が参加し、ドメイン名レジストリの観点から種々の技術について情報共有・議論をしました。今回、その中から主なものをピックアップしてご報告します。


CENTR Technical Meetingの様子
CENTR Technical Meetingの様子(NH Grand Hotel Krasnapolsky, Amsterdam)

ドメイン名登録管理システムとDNS

汎用JPドメイン名では、指定事業者からのドメイン名登録に関わる申請がトランザクション形態で即座に処理されるようになっています。しかし、この申請処理を未だ電子メールで行っているレジストリも多く、迅速化・効率化・人手ミス削減が大きな課題となっています。これに関し、EPPと呼ばれるプロトコルを用いたトランザクション処理への移行が多くのレジストリで進められていることが報告されました。EPPは、ドメイン名以外でも、ENUMのように迅速な申請受付処理が必要なサービスに適しているため、各ccTLDの注目を集めています。


whoisシステムに関し、特定のユーザからの大量のドメイン名検索をどう扱うかについて各ccTLDから報告がありました。大部分のccTLDでは、同一IPアドレスからのwhois検索は1日100件までに制限するなど、whois検索が大量に行われないような運用をしています。これは、whoisサービスが、そもそもネットワーク運用に関わる問題を解決する等の限定した用途のために存在するにもかかわらず、ダイレクトメール送付先アドレス収集のために検索する等の事象が増加してきたことを考慮し、不適切な使用を抑止する施策として行われているものです。

DNSに関しては、各ccTLDは、その安定化、高信頼化、安全化を目的とした活動を強化しています。日本からJP DNSにおいて準備中のIP Anycast技術に基づくシステム構成について報告を行った後、各ccTLDから同様の技術の採用を検討していることが報告されました。また、DNSが全世界からのアクセスに対して健全に動作していることを監視するための仕組みをccTLD間で共有することについて話し合われ、今後、具体的共有方法を詳細化していくこととなりました。

IDN

IDN登録サービスは、アジアのccTLDを中心に始まりましたが、ヨーロッパのccTLDでも、昨年第4四半期からポーランド、スウェーデンを皮切りに次々と始められています。会合では、まずドメイン名に使える文字の制限や等価とみなす文字の有無等、サービスの内容が報告されました。ヨーロッパでは、言語、文字が国をまたがって使用されるため、各国でのIDNを構成する文字に関する扱いをCENTRとしてまとめて整理・共有していることも報告されました。

JPRSからは、IDN利用環境整備の重要性を訴え、日本語JPドメイン名に対して実施している次の2施策を紹介しました。

  1. IDN対応でないWebブラウザから日本語ドメイン名を使ってWebページにアクセスしようとしたときのIDN用ブラウザ紹介ページの表示(日本語JPナビ(仮称))の検討内容の公開とパブリックコメントの募集 
  2. 携帯電話から日本語ドメイン名を利用するためのWebページの導入

また、ccTLDが連携して下記を実施することが提案され、その方向性が合意されました。
 
  • 各種アプリケーションへのIDN対応機能実装を目指し、アプリケーション開発社に協力して働きかける 
  • アプリケーションへのIDN対応機能実装までの過渡的な仕掛けと活動を共有する

関連URI



本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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