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ドメイン名関連会議報告

2012年

ICANNコスタリカ会議報告

~新gTLDの申請状況とIDN ccTLDの恒久的ポリシー検討の話題を中心に~

2012年3月11日から16日にかけて、第43回ICANN Meetingがコスタリカの首都サン・ホセで開催されました。申請受け付け開始となった新gTLDに注目が集まりましたが、特に目立った議論や決定は行われませんでした。また、IDN ccTLDについては、正式導入に向けた恒久的なポリシー検討が引き続き進められています。今回のFROM JPRSでは、会合で取り上げられた内容や議論を中心に、以下の内容を皆さまにお届けします。

  • ■新gTLDの申請受け付けに関する話題
  • ■引き続き恒久的なポリシー検討が進むIDN ccTLD
  • ■運用25周年のTLDへICANNから創設25年記念の証明書を授与
  • ■ICANNがコンプライアンスチームを強化
  • ■次回のICANN会合
第43回ICANN会合(コスタリカ会合)の様子

第43回ICANN会合(コスタリカ会合)の様子

新gTLDの申請受け付けに関する話題

新gTLDの申請状況について

申請受け付け開始となった新gTLDについて、申請する際に必要となるTAS(TLD Application System)へのアカウント登録が、会期中の2012年3月16日時点では290件あったことが公開されました。3月25日時点では、839件となったことがICANNのWebページにて公開されました。
ところが、受け付けシステムの不具合により、申請受け付けは4月12日に一時停止。5月8日、ICANNからアナウンスが出され、申請受け付けの再開は5月22日、申請締め切りは5月30日に延長する予定であることが伝えられています。なお、5月4日時点では、ICANNが申請者から申請料金を受領している申請が2,091件、ICANNが申請料金を未受領であるものの3月29日までにアカウント登録が完了し、手続きが進んでいる申請が214件あるとしています。

申請のバッチ手順などは未定

ICANNは、新gTLDの申請が500件以上あった場合には、一定の件数でひとまとめ(バッチ)にした上で順に処理するとしており、その具体的な手順に関心が集まっていました。
しかし、今回の会合では、具体的な手順の決定方法をはじめ、Trademark Clearinghouseサービスプロバイダーの選定や緊急時のバックエンドレジストリオペレーターの選定といった事柄に関しては検討中・選定中ということで、それらについての具体的な新しい情報の公開はありませんでした。

新gTLD申請の次回募集実施と申請を取り巻く環境

2012年2月、ICANN理事会で「新gTLD申請の次回募集を実施する」という内容の決議が行われました。これを受け、今回の会合においても、Public Forumなどの場では、「ICANNは次回ラウンドの見通しをもっと具体的にすべき」といった意見が聞かれました。しかし、TLD空間の拡大に対する慎重な意見も根強く、次回の新gTLD導入時期や導入方法の具体的議論は始まっていない状況です。

引き続き恒久的なポリシー検討が進むIDN ccTLD

恒久的なポリシー検討は継続中

IDN ccTLDについては、正式導入のために必要となる「ポリシー策定プロセス(ccPDP)」の検討と並行して、早期に必要とされるIDN ccTLDを限定的に迅速導入するための「ファストトラックプロセス」による申請受け付けが、引き続き行われています。
2011年6月に開催されたシンガポール会合中に、ICANNにおいて資源管理・調整機能を担うIANAが提示した資料によれば、ファストトラックプロセスにおいては37の文字列が文字列審査を通過し、27の文字列のIDN ccTLDがルートゾーンに登録されているとのことでした。その後、ファストトラックへの申請数にほとんど変化はなく、IDN ccTLDを希望するccTLDについては、既にほとんどが申請済みとなっている模様です。
IDN ccTLDの正式導入に向けた恒久的なポリシー検討については、JPRSも参加するccNSO(*1)の二つのワーキンググループにおいて、検討が続いています。

(*1)
ICANNの活動を支える支持組織の一つです。ccTLDの連合体としてICANNの他の支持組織や委員会などと協調しながら、ccTLD全体にまたがるグローバルな課題についてポリシー案を策定し、ICANN理事会に勧告を行う役割を担います。

 

IDN ccTLDの文字列や委任に関する検討がIDN PDP WG 1で行われており、検討は最終段階に入ってきているものの、variant(等価文字)の扱いをどうするかについては、引き続き、課題として残っています。こちらについては、2012年6月に開催されるICANNプラハ会合までに報告書を作成するとしています。IDN PDP WG 2においても、引き続き、IDN ccTLD導入に際して必要となるICANN定款見直しの検討が進められています。

同一のレジストリからの似ているIDN ccTLD申請について

IDN ccTLDの表記がASCII ccTLD表記と似ている場合には、原則そのIDN ccTLDは申請が不可とされていましたが、今回のICANN理事会において、IDN ccTLDと同一のレジストリが似ているIDN ccTLDを申請した場合には、申請が可能であることが決議されました。この決議後、.EU(Eurid)が、IDN ccTLDを申請することを表明しています。

運用25周年のTLDへICANNから創設25年記念の証明書を授与

Public Forumでは、1985年から1987年に運用を開始した27のTLDの管理事業者に対して創設25年記念の証明書が贈られました。これは、25年にわたってTLDを継続的かつ安定的に運用してきたことが評価されたものです。1986年に村井純氏に運用が委任され、現在はJPRSが管理する「.jp」もその対象となっており、JPRSに対しても証明書が贈られました。

ICANNがコンプライアンスチームを強化

今回の会合では、登録者保護を目的に、契約関係にあるレジストリ及びレジストラに対する契約遵守をさらに強化していこうとするICANNの積極的な活動が目立ちました。

ICANNのコンプライアンスチームの増員

契約遵守の徹底に向け、ICANNはコンプライアンスチームのスタッフ体制の強化を図っています。2011年からスタッフの増員が続いており、2012年2月時点では12名体制となったこと、今後は15名までスタッフを増員する予定であることが今回の会合で発表されました。
また、スタッフの対応可能言語を英語、仏語、西語、アラビア語、中国語、ウルドゥ語、ヒンディー語に広げるとし、レジストリ及びレジストラに対して、契約に基づくコンプライアンスの監視に対応できる体制作りを進めています。

契約違反の警告プロセスの標準化

また、契約違反が起きた際の警告プロセスの標準化についてもICANNから発表が行われました。ICANNは、契約違反が起きた場合には対象事業者に対して通知を3回実施するとし、1回目はメールのみ、2回目はメールと電話、3回目にはメールと電話、ファックスによって通知を行うとしています。なお、3回目の通知までは第三者に通知の事実は公表されず、計3回の通知が行われてなお、契約違反が是正されない場合には、正式な違反通告が実施され、違反通告の対象事業者の情報もICANNのWebサイト公表されるということです。

次回のICANN会合

次回の第44回ICANN会合は、2012年6月24日から29日にかけてチェコ共和国の首都プラハで開催される予定です。

本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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