第3回 地域型JPドメイン名再構築検討部会 議事録
日時 | 2010年7月9日 16:00-18:00 |
場所 | JPRS会議室A |
参加 (敬称略、五十音順) |
検討部会委員 奥山徹、河北隆生、佐野晋、芝勝徳、曽根秀昭、中山雅哉、平出水充伸、本間誠治、三膳孝通、山口健太郎、山本芳人
JPRS事務局 深野哲洋、藤井清吾
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欠席 | 検討部会委員 小林和真 |
アジェンダ
- (1)アジェンダ確認
- (2)アンケート集計結果報告
- (3)検討の軸に関する利点/課題の確認
- (3)再構築方針検討
- (4)今後の予定
会議資料
- 1.アジェンダ
- 2.検討の軸に関する利点/課題
会議内容
(1) アジェンダ確認
特になし
(2) アンケート集計結果報告
- →事務局より地域型JPドメイン名に関するアンケートの結果が報告された。
- →アンケート結果は、判りやすく要点をまとめ、説明を加えた資料にした上で公開する。
(3) 検討の軸に関する利点/課題の確認
資料2を用いて各設問に対する利点と課題を確認し、また、方針についても議論した。
■設問1. 地域型JPドメイン名の登録に申請者の地域属性を必要とするか?
▼アンケートの分析
- →アンケートでは、「不要である」との回答が半数を占めた。また、対象者ごとの集計では、指定事業者と登録者では「必要である」との回答が多く、一般利用者では「不要である」との回答が多い。
- →「必要である」の回答理由に、地域との結び付きが保証されるためとの意見がある。しかし、現在の登録ルールでは、転居や市区町村名の変更があってもドメイン名は継続利用できる。すなわち、現状でも地域との結び付きが保証されているとは言えない。
- →「必要である」との回答理由で、「tokyo.jp」などの地域名が入ったドメイン名を欲しているように読めるものがある。設問を正しく理解されていない可能性がある。
- →地方公共団体からは、信頼性が高いから制限を緩めないで欲しいとの意見が見られる。地方公共団体型と一般地域型で対応を変えても良いのではないか。
- →地域型JPドメイン名は地方公共団体専用の空間ではない。このため、地方公共団体用としての信頼性を上げる目的で、LG.JPが作られたと考えている。
- →アンケート結果の数値のみ参考にするのではなく、回答理由も含めて参考とすべきである。
▼方針
- →地域型JPドメイン名を使いやすいドメイン名にすると言うことは、今まで地域型JPドメイン名の登録を検討したことない方に、登録を検討してもらえるようなドメイン名にすることであろう。
- →検討部会として「(1-b) 不要である」を方針とする。
■設問2.地域型JPドメイン名の登録に1組織1ドメインの制約を継続すべきか?
▼アンケートの分析
- →アンケートでは、「不要である」との回答が大半を占めた。また、対象者ごとの集計では、登録者では「必要である」との回答が多く、指定事業者と一般利用者では「不要である」との回答が多い。
- →1つの組織がサービス・商品・拠点ごとにドメイン名を登録し利用することが予想される。
▼方針
- →検討部会として「(2-b) 不要である」を方針とする。
■登録ドメイン名の形式について
▼第3レベルの登録
- →現在の地域型JPドメイン名には第3レベルに市区町村名が入る。市区町村内での活動には使いやすいが、都道府県単位での活動には使いずらい。
- →第3レベルに自由な文字列を登録できるようになると、上記の問題が解消される。
例えば、岐阜国体用のドメイン名として「kokutai.gifu.jp」、東京オリンピック用として「olympic.tokyo.jp」などの需要が考えられる。
- →検討部会として、第3レベルに希望の文字列を登録できるようにすることを方針とする。
例: 第3レベルの登録 example.tokyo.jp
▼第4レベルの登録
- →第4レベルの登録は継続しなくて良いのか?第3レベルが登録済のラベルの下に第4レベルの登録をすることは技術的に無理なのは承知している。一方で、「city.shinjuku.tokyo.jp」が登録済みである場合、新規に「example.shinjuku.tokyo.jp」を登録することは、技術的に可能である。
- →第4レベルの登録は現行制度の継続である。2009年に13件しか登録されないことから考えて、第4レベルの登録には需要はない。制度が複数あることは混乱の基である。
- →第4レベルに対する割り当ては停止する。
▼example.<政令指定都市名>.jpの登録
- →<政令指定都市名>.jpの第3レベルを登録の対象とするか?
- →現在の地域型JPドメイン名では、第2レベルに用意できていない政令指定都市名がある。今後も状況は変わらないと思われる。
- →一般利用者の混乱を避けるため、<都道府県名>.jpの第3レベル登録に限り、<政令指定都市名>.jpの第3レベル登録は行わない。
▼予約語の設定
- →現在の地域型JPドメイン名で都道府県や政令指定都市を表すラベルの「pref」や「city」は、一般利用者の混乱を避けるため予約語としたほうが良い。
- →その他の予約語については、汎用JPドメイン名の予約語を準用することが考えられるが、「www」等の新たな予約語については検討が必要である。
- →現在登録されていない市区町村名を予約語とするか?
- →第三者に登録されないようにする場合には、次の2つの方法がある。
- o サンライズピリオドで市区町村を優先させ、必要ならば登録してもらう
- o 予約語として誰も登録できないようにする
- →example.<市区町村名>.<都道府県名>.jpなど、第4レベルの登録が全て無くなった<市区町村名>.<都道府県名>.jpは登録可能になるのか?
- →市区町村名を予約語としなければ、技術的に登録可能である。予約語にするかは、サービスの詳細化の課題であろう。
- →一般利用者の混乱を避けるため予約語は必要であるが、予約語の取捨選択は、サービスの詳細化の際に検討してはどうか。
▼サンライズピリオド
- →汎用JPドメイン名や地域型JPドメイン名を登録した個々の経緯は不明であり、地域型JPドメイン名の現登録者にのみ優先登録を行うのは不公平である。
- →サンライズピリオドは必要であるが、地域型JPドメイン名の登録者に対する優先登録は不要である。
■設問6. 地域型JPドメイン名の今後の利用の意向について
▼現在の登録ドメイン名の取り扱い
- →記念としてドメイン名を取っておきたい方がいらっしゃる。
- →長年使っているから変えたくないとの意見もある。
- →検討部会として、現在の登録ドメイン名は希望すれば使い続けられることを方針とする。
■管理運営の委譲について
- →管理運営の委譲は必要か?
- →委譲先の募集方法や選定基準を定める必要がある。また、委譲先が倒産した場合の対応なども検討する必要がある。
- →委譲先ごとのサービスが均質でないと、一般利用者や登録者が混乱する可能性がある。
- →所在要件を必要としない方針としたため、県などへ管理委譲する必要はない。
(4) 再構築方針検討
議題(2)の結果を踏まえ、再構築方針を次のように合意した。
- 1.申請者の所在要件は不要にする
- 2.1組織1ドメインの制約は不要にする
- 3.第4レベルの登録から第3レベルの登録にする
- 4.example.<政令指定都市名>.jpのドメイン名は登録できない
- 5.登録済みのドメイン名は希望すれば利用し続けられる
- 6.登録管理の委譲は必要ない
- 7.一般利用者の混乱を避けるため予約語は必要である
- 8.サンライズピリオドは必要である
(5) 今後の予定
本日検討した再構築方針を事務局で取りまとめ、メーリングリストにて各委員の確認を受けて完成させる。
最終確認を第4回検討部会で行う。
以上