gTLD等ドメイン名登録等に関する技術細則
株式会社日本レジストリサービス
公開:2010年11月1日
改訂:2011年6月20日
改訂:2011年11月1日
改訂:2012年5月21日
改訂:2013年11月12日
改訂:2014年7月14日
改訂:2015年4月13日
改訂:2016年2月3日
改訂:2018年11月6日
改訂:2019年9月18日
改訂:2022年7月27日
実施:2022年7月27日
gTLD等ドメイン名登録等に関する技術細則
目次
1. 登録可能なgTLD等ドメイン名の文字種別と文字列
2. gTLD等ドメイン名の種類と構成
3. 申請文字列の正規化
4. ネームサーバ設定における日本語ラベルのエンコーディング
5. gTLD等ドメイン名に設定可能な署名鍵の形式
6. 制限事項
6.1 ネームサーバホスト名における制限事項
6.2 電子メールアドレスにおける制限事項
6.3 URIにおける制限事項
6.4 ネームサーバ設定における制限事項
6.5 署名鍵における制限事項
7. 予約ドメイン名
8. 各gTLD等ドメイン名個別の技術上の制限事項
9. 本技術細則の例外
付録1 互換用文字
付録2 正規化における文字置換の方式
付録3 正規化における文字合成の方式
付録4 日本語文字一覧
1. 登録可能なgTLD等ドメイン名の文字種別と文字列
株式会社日本レジストリサービス(以下「当社」という)が取り扱う「gTLD等ド
メイン名登録等に関する規則」(以下「登録規則」という)別表「gTLD等ドメイン
名一覧」のドメイン名(以下「gTLD等ドメイン名」という)における文字種別と文
字列を以下に規定する。
「ドメイン名」は、ラベルをピリオド(".")で区切って連結した文字列である。
「ラベル」は、本技術細則により定められるASCIIラベルおよび日本語ラベル
により構成される。
「ASCIIラベル」は、英字("A"から"Z")、数字("0"から"9")、ハイフン("-")か
らなる文字列である。ただし、ASCIIラベルの先頭と末尾の文字はハイフンであ
ってはならない。ASCIIラベルの長さは、63文字以下でなければならない。ASCII
ラベル中では、英字の大文字・小文字の区別はなく同じ文字とみなされる。
「日本語ラベル」は、本技術細則により定められる日本語文字を1文字以上含
む、日本語文字および英字("A"から"Z")、数字("0"から"9")、ハイフン("-")か
らなる文字列である。ただし、日本語ラベルの先頭と末尾の文字はハイフンであ
ってはならない。日本語ラベルの長さは、15文字以下でなければならない。日本
語ラベル中では、英字の大文字・小文字の区別はなく同じ文字とみなされる。
「日本語文字」は、「JIS X 0208:1997 7ビットおよび7ビットの2バイト情報交
換用符号化漢字集合」(以下「JIS X 0208:1997」という)における符号表のうち、
次にあげる文字により構成される。
(1) 4区の文字(平仮名)
(2) 5区の文字(片仮名)
(3) 16区から84区の文字(漢字)
(4) 1区のうち、次にあげる文字(中点、仮名又は漢字に準じるもの)
区点 UCS 文字
-------------------
1-6 30FB ・
1-19 30FD ヽ
1-20 30FE ヾ
1-21 309D ゝ
1-22 309E ゞ
1-24 4EDD 仝
1-25 3005 々
1-26 3006 〆
1-27 3007 〇
1-28 30FC ー
-------------------
区点: JIS X 0208:1997における区点番号。
UCS: The Unicode Standard, Version 3.2.0(以下「Unicode」とい
う) の符号表における文字位置を示す番号。
「区切り文字」は、次にあげる文字により構成される。ラベルには、区切り文
字は含まれない。
(1) 「JIS X 0201:1997 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集
合」(以下「JIS X 0201:1997」という)における区切り文字
8ビット符号(16進数) UCS 図形記号
-------------------------------------
10/1(A1) FF61 。
-------------------------------------
8ビット符号: JIS X 0201:1997の8ビット符号表における位置。
(2) JIS X 0208:1997における区切り文字
区点 UCS 文字
-------------------
1-3 3002 。
1-5 FF0E .
-------------------
ドメイン名を構成する最も右側のラベルを「トップレベルドメイン名」と呼び、
以下左へ順に「第2レベルドメイン名」、「第3レベルドメイン名」、...と呼ぶ。
「ネームサーバホスト名」は、ネームサーバ設定の際に指定されるドメイン
ネームサーバ(以下「ネームサーバ」という)の名称である。ネームサーバホスト
名は、3つ以上のラベルをピリオド(".")で区切って連結した文字列である。
2. gTLD等ドメイン名の種類と構成
当社が取り扱うgTLD等ドメイン名の種類は、登録規則別表「gTLD等ドメイン名
一覧」で規定する。
gTLD等ドメイン名の構成は、次の通りである。
<ラベル>.<TLD>
<TLD>は、登録規則別表「gTLD等ドメイン名一覧」で規定しているトップレベ
ルドメイン名のいずれかである。<TLD> が"ASIA"であるgTLD等ドメイン名を
「ASIAドメイン名」、"BIZ"であるgTLD等ドメイン名を「BIZドメイン名」、...
と呼ぶ。
「ASCIIドメイン名」は、gTLD等ドメイン名のうち、<ラベル> がASCIIラベル
であるドメイン名である。ASCIIドメイン名の <ラベル> は、3文字以上でなけれ
ばならない。
「日本語ドメイン名」は、gTLD等ドメイン名のうち、<ラベル> が日本語ラベ
ルであるドメイン名である。日本語ドメイン名の <ラベル> は、1文字以上でな
ければならない。
3. 申請文字列の正規化
「申請文字列」は、当社への登録申請の際に、ドメイン名およびネームサーバ
ホスト名として指定される文字列である。
申請文字列には本技術細則により定められる互換用文字を含んでよい(付録1
「互換用文字」を参照)。
「正規化」は、申請文字列によって構成された各文字を、後述の手順に従って
変換することである。
正規化は、ピリオド(".")または区切り文字で分割した文字列単位で行う。ラ
ベルは正規化後の文字列である。ラベルの連結はピリオド(".")で行う。
gTLD等ドメイン名における正規化は、次の手順により行う。
(1) 付録2「正規化における文字置換の方式」により定められる方式
(2) 付録3「正規化における文字合成の方式」により定められる方式
当社がレジストリに対して登録するドメイン名およびネームサーバホスト名は、
正規化後の文字列を使用する。正規化後の文字列に日本語文字が1文字も含まれ
ないラベルは、ASCIIラベルとして取り扱う。
4. ネームサーバ設定における日本語ラベルのエンコーディング
ネームサーバ設定の際に、対象となるドメイン名およびネームサーバホスト名
に日本語ラベルが含まれている場合、本技術細則「3.申請文字列の正規化」に
規定する方式により正規化を行う。その正規化した日本語ラベルをUnicodeに変
換し、RFC5891で定義される次の手順によりエンコーディングした文字列と置き
換える。
(1) RFC3492で定義されるアルゴリズムによりエンコーディングを行う
(2) RFC5890で定義されるプレフィックスを前置する
JIS X 0208:1997からUnicodeへの変換の際の対応表として、付録4「日本語文
字一覧」により示される対応表を使用する。
5.gTLD等ドメイン名に設定可能な署名鍵の形式
「署名鍵」は、DNSのリソースレコードであるDSレコードのRDATA部である次に
あげる(1)から(4)の4要素(RFC4034参照)の値を空白文字にて連結した文字
列である。登録原簿には、その署名鍵の形式で記載する。
(1)鍵タグ
対応するDNSKEYレコードから生成した整数値
(2)アルゴリズム
対応するDNSKEYレコードのアルゴリズムを示す、次にあげる整数値の
いずれか
整数値 アルゴリズム 参照RFC
------------------------------------
3 DSA RFC4034
5 RSASHA1 RFC4034
6 DSA-NSEC3-SHA1 RFC5155
7 RSASHA1-NSEC3-SHA1 RFC5155
8 RSASHA256 RFC5702
10 RSASHA512 RFC5702
12 ECC-GOST RFC5933
13 ECDSAP256SHA256 RFC6605
14 ECDSAP384SHA384 RFC6605
15 ED25519 RFC8080
16 ED448 RFC8080
------------------------------------
(3)ダイジェストタイプ
ダイジェストタイプを示す、次にあげる整数値のいずれか
整数値 ダイジェストタイプ 参照RFC
------------------------------------
1 SHA-1 RFC4034
2 SHA-256 RFC4509
3 GOST R 34.11-94 RFC5933
4 SHA-384 RFC6605
------------------------------------
(4)ダイジェスト
対応するDNSKEYレコードのメッセージダイジェストを16進数で表し
た文字列
6. 制限事項
6.1 ネームサーバホスト名における制限事項
ネームサーバホスト名のトップレベルドメイン名がgTLDの場合、そのネーム
サーバホスト名は、当該gTLDのレジストリデータベースに登録されているgTLD等
ドメイン名に含まれるものでなければならない。当社は、この制限事項に反する
ネームサーバホスト名を登録原簿から抹消することができる。
ネームサーバホスト名には、次にあげるラベルを含んではならない。
(1) "**--"("*"は任意の1文字)で始まるラベル
6.2 電子メールアドレスにおける制限事項
登録者またはAdminコンタクトなどの申請情報として登録される電子メールア
ドレスのドメイン名部分(電子メールアドレスにおける"@"の右側)には、次にあ
げるラベルを含んではならない。
(1) "**--"("*"は任意の1文字)で始まるラベル
(2) 日本語ラベル
6.3 URIにおける制限事項
登録者またはAdminコンタクトなどの申請情報として登録されるURIのホスト名
部分には、次にあげるラベルを含んではならない。
(1) "**--"("*"は任意の1文字)で始まるラベル
6.4 ネームサーバ設定における制限事項
gTLD等ドメイン名に対してネームサーバ設定を行う場合、設定するネームサー
バが2つ以上ないと、当該gTLDレジストリのドメインネームサーバに登録されな
い場合がある。
6.5 署名鍵における制限事項
gTLD等ドメイン名に設定可能な署名鍵のアルゴリズムとダイジェストタイプは、
当該gTLDレジストリの定める技術上の要件により、レジストリデータベースに登
録されない場合がある。その場合、当社は登録原簿に署名鍵を記載しない。
gTLD等ドメイン名に設定された署名鍵がセキュリティやその他の問題を引き起
こす可能性があると当社が判断した場合、当社は署名鍵を登録原簿から抹消する
ことができる。
7. 予約ドメイン名
ICANNまたはレジストリは、特定のgTLD等ドメイン名を、すべての組織が登録
できないドメイン名として、ないしは特定の組織を除いて登録できないドメイン
名として指定する場合がある。これを予約ドメイン名と呼ぶ。
8. 各gTLD等ドメイン名個別の技術上の制限事項
各gTLD等ドメイン名個別の技術上の制限事項は、次の通りである。
gTLD等ドメイン名 制限事項
-----------------------------------------------------
INFOドメイン名 日本語ドメイン名は登録できない
MOBIドメイン名 日本語ドメイン名は登録できない
ORGドメイン名 日本語ドメイン名は登録できない
WORKドメイン名 日本語ドメイン名は登録できない
-----------------------------------------------------
9. 本技術細則の例外
本技術細則の定めにかかわらず、当社は、個別事情に基づき、ICANNまたはレ
ジストリの定める技術上の要件に反しない範囲で、本技術細則の例外を認める場
合がある。