第5回 地域型JPドメイン名再構築検討部会 議事録
日時 | 2011年2月3日 10:00-11:30 |
場所 | ベルサール神保町 Room D |
参加 (敬称略、五十音順) |
検討部会委員 奥山徹、河北隆生、小林和真、佐野晋、芝勝徳、曽根秀昭、中山雅哉、平出水充伸、本間誠治、三膳孝通、山口健太郎、山本芳人
JPRS事務局 深野哲洋、藤井清吾、松丸真紀子
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欠席 | なし |
アジェンダ
- (1)アジェンダ確認
- (2)JPドメイン名諮問委員会の検討結果の確認
- (3)サービスを実現するうえでの留意事項について
- (4)今後の予定
会議資料
- 1.アジェンダ
- 2-1.諮問書「地域型JPドメイン名の再構築について」
- 2-2.答申書「地域型JPドメイン名の再構築について」
- 2-3.地域型JPドメイン名の再構築における基本方針の検討結果報告書
会議内容
(1) アジェンダ確認
特になし
(2) 地域型JPドメイン名の検討結果報告書の確認
地域型JPドメイン名の検討結果報告書を詳細に確認し、内容を精査した。修正結果を公開する。
(2) JPドメイン名諮問委員会の検討結果の確認
答申内容に関する確認を行った。
- →答申書の主文の5番目の「地域との結びつきの強さやその実現方法について」について、検討部会では「不要」という結論だったと思うが、改めて言及されている理由を聞かせてほしい。
- →諮問書のなかで「地域との発展に寄与する」という目的を提示したため、主文の5つ目のような意見が出てきた。ただ「所在要件を設けて厳密に確認すべし」というわけではなく「何らかの関連を持たせたほうがよいのではないか」という程度の意見である。
- →「詳細について検討する」とは、要件を撤廃することも含めて検討するということか?
- →そうである。
- →地域要件をなくした場合、ただ単に都道府県名と同じ、あるいは、都道府県と同じ綴りの空間と言うことか。
- →そうなる。
- →地域要件がなければ、kentaro.yamaguchi.jpが登録されても構わないことになるが、これを地域型JPドメイン名と呼ぶのは違和感がある。名称は性格付けに関連すると思うので、議論しておいたほうがよいのでは。
(3) サービスを実現する上での留意事項について
地域との関連付けについて議論を行った。
- →「地域との関連性」の強さで、”その地域が好きだ”という気持ちでも良いとする場合、好きであるかの真偽をチェックするのは無理ではないか。地域との関連性のチェックを完璧にできないが、8割程度の多くの人が地域のことを考えて利用している状況ならば良いと思う。
今までは、JPRSが都会の一等地を開放していなかったようなもの。
使いたくても使えない状況は地域の発展を阻害しているようなものである。
- →諮問委員会での「地域との関連性」に関する議論はどんな雰囲気か?
- →よからぬ人がたくさん登録して、地域の人が登録できないという困った状況になるのは避けたい。地域と関連する情報がWebに出ると思ったが出ないなど、空間が荒れるのは困るとの考え。
空間が荒れないための施策が必要という認識。
- →「.jp」が「日本」を表しているのと同様、「nagano.jp」は長野県を表している。ドメイン名の使われ方は気にしなくても、全体として、県名を表すと認識されていればよいのではないか。
- →審査内容は、汎用JPドメイン名と同じように扱えばよいと思う。
汎用化する際に、地域の発展に寄与するような使い方をしてくださいとの精神論を言う以上のことはできないと思う。その方法で、使われ方を担保できるかといわれると、難しいと思う。
サービス開始時の広報などは慎重に対応すると良いだろう。
- →申請書に「地域との関連」を記載してもらうことを考えていた。「その地域が好きだから」という記載は想定していなかったが、「都道府県向けの情報提供サービスを提供する予定」と書かれていれば、登録を許すしかないと思うし、確認は難しいと思う。したがって、何か書いていればよいという基準になると考えていた。
- →「予定」と書かれていたら事前に調べることはできない。
- →「地域との関連」の記載内容で判断するのは難しいと思う。指定事業者から見て「この内容で登録されて良いのか」と思うものまで登録されてしまう恐れがあり、結果的に形骸化してしまうことを危惧している。
- →「地域との関連」の記述欄を設けるのは反対である。記述内容を読んだ側の責任も出てくる。日本語で書いてあればよいが、日本語にもなっていない場合はどうするのか。
- →「地域との関連」の記載内容をWHOISで公開してはどうか。いい加減なことが書いてあれば、信頼されないだろう。公開を前提にするれば、抑止力になるのではないか。
- →公開することは審査することにはならない。
- →一般消費者はWHOISを参照しない。
- →「関係なし」と書かれたらどうするのか。何か書いていればよいという判断では、「関係なし」と書いていても合格となってしまう。
これらに対応した判断基準を作る必要があり、書いてあれば合格と言うのは問題がある。
- →ドメイン名の使い方や「地域の発展に寄与する」という精神が、JPRSから利用者へ説明してあれば良いと思う。
- →あまり活用されていない現状を改善して、使いやすくするようにしただけでも良いことだと思う。
- →例えば、千葉県では、房総を地域と思っている。県単位だけが地域ではないので「地域型」という文字よりも「都道府県」という文字がサービス名についているのがよいのでは。申請者が、申請時に千葉県などに関連した使い方をしなければならないと思うようになれば良いと思う。
- →行政という区域の「県」というのが崩れ始めている。「関西広域連合」や「房総」というように、県より大きい/小さい単位で使用したいと言う要望もある。だけど、これは47都道府県名のドメイン名とのイメージで良いと思う。
- →「地域型」だと「kansai.jp」を設けて欲しいというリクエストがあるかもしれない。
新しいドメイン名空間の特徴や位置づけの広報活動について議論を行った。
- →現在の地域型JPドメイン名では所在要件があるということと、目立った使い方をしているのがほとんど地方公共団体であったことから、一般利用者から安心したドメイン名との認識を持たれている。
新しいサービスになっても地方公共団体がやっているように誤解されるのは困るという意見が、地方公共団体側から出ている。
新しいサービスに移行する際はきちんと広報してほしい。
- →ただ単に名称が変わっただけではなく、位置づけが変わったということを理解してもらう必要がある。
JPRSに対する意見提示方法について議論を行った。
- →答申書では新しい名称について言及されていないが、検討部会の報告書には、新制度にふさわしい名称へ変更することについて、十分に配慮することが適切と書いている。
このようなことを議論の結果としてJPRSに伝えることが必要であるが、結果をどのように表現するのが良いか?
- →コメントで良いと思う。
- →「地域との関連」を審査するならば、申請書に地域との関連を記載する項目を追加するのが良いのではないかという意見があり、これに対して審査要件を決める必要があるのでやめたほうが良いとの意見があった。記述してもらうならば、公開していればよいと言う案がある。
このように、1つの結論にするのではなく、コメントなので反対意見もあってよいと思っている。
- →8割程度、だいたい正しく使われていれば良いだろう。
- →どう使われるのがよいのか初めに言うのが重要と思う。
- →広報活動について、答申書より具体的に記述したほうが良いのか。
- →新しいドメイン名が、どういう意味なのか、どう変わるのか、今まで使っている人はどうなるか、などが書かれているとよいと思う。
このようなことをまとめてコメントするのが良いと思う。
新しいドメイン名空間の「混乱を回避するための施策」について議論を行った。
- →優先登録は行わないほうが良い。同時申請期間はあったほうがよい。
- →同時申請期間が終わったら、先願登録を開始してよいと思う。
- →同時申請の期間は長めに設定してほしい。行政機関が申請するためには調整期間が長くかかる。
- →同時申請の期間を長くするのではなく、申請方法やスケジュールなどを早目に公開すれば、同時申請の期間は短くてもよいのか?
- →申請書に書く内容や、受付期間が明確になっていればよい。
- →今年の5,6月頃に方針を決めてアナウンスを行い、来年の4月から登録受付でよいのではないか。
- →周知は重要なので、半年くらいは必要ではないか。
- →同時申請期間のとき、当選確率を上げるために多数派工作をすることを考える人がいると思う。
- →申請料を取るのか?
- →汎用JPドメイン名の導入時は申請手数料を頂いた。登録が確定した際に別途登録料も頂いている。
- →申請手数料を取ることにすれば無茶はないと思う。
- →汎用JPドメイン名の時は、どの様に抽選したのか。
- →ある日の平均株価を使った。
- →ランダムな数値で抽選したと言うことか。今回もそれで良いと思う。
日本語ドメイン名も登録できるようにするのか議論を行った。
- →日本語ドメイン名も登録できるようにするのか?
- →第2レベルがASCIIであることも踏まえて検討が必要であると思う。
- →日本語ドメイン名の登録は、今のところ考えなくても良いと思う。やっても混乱が無いならば、サービスしても良いと思う。
- →ac.jpの下に日本語ドメイン名を登録できるのかと言う事と同じか。
- →「.日本」の検討の中で、「co.jp」は「会社.日本」として使えるのかの質問もあった。当初は汎用JPドメイン名空間のみを関連付ける予定である。
「yamaguchi.jp」を「山口.jp」としてサービスするのは、他の属性のことも踏まえて検討したほうが良いと考えている。
ASCIIの登録は行うが、日本語ドメイン名についてはニーズやご意見を伺いながら、検討したいと考えている。
- →「汎用JPドメイン名と同等」という説明をすると、日本語ドメイン名も登録できるような印象になるので、注意すべきである。
- →説明の際は考慮する。
その他の議論
- →料金はどのくらいにするのか。
- →使われ方を考えると、汎用JPドメイン名程度の料金を基準に考えたい。
- →良いと思う。
- →指定事業者が「47個パック」的なサービスを提供するのは問題ないか。
- →その登録が、登録者の意思であれば問題ない。登録者の意思に関わらず、47個セットでしか登録できないのは問題と思う。
(4) 今後の予定
- →本日頂いたコメントを列挙してJPRSに報告するという形でよいか。
- →異議なし。
- →コメントはML上でまとめ、今回で検討部会の会合は最後としたい。
以上