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増刊号

vol.6

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003-11-07━
                       ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.6 ◆
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             ICANN ccNSOの最新動向 ~ccTLD Meeting報告~
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2003年10月26日から28日まで、北アフリカのチュニジアにて、ccTLD
(Country-code Top Level Domain)レジストリの会議が開催されました。こ
の会議は、同じくチュニジアで開催されたICANN(the Internet Corporation
for Assigned Names and Numbers)第5回年次会合に併設して開かれたもので、
世界各国・地域の約50のccTLDレジストリから約80名が参加して行われました。
.JPのレジストリとして、JPRSも出席しました。

          ◇                     ◇                     ◇

▼ccNSOとは

ICANNの設立以来、ccTLDレジストリは、ICANN理事会に勧告する立場にある
DNSO(Domain Name Supporting Organization)を構成する一組織「ccTLD
Constituency」として、ccTLDに係わるローカルインターネットコミュニティ
の立場から関連する提案を行ってきました。その後、2002年2月から始まった
ICANN組織改革に伴い、DNSOはccNSO(Country Code Names Supporting
Organization:ccTLDの連合組織)とGNSO(Generic Names Supporting
Organization:gTLDの連合組織)とに二分されました。これにより、ccTLDは、
ICANNの理事会に対して直接勧告できるようになりました。2003年6月のICANN
モントリオール会議においてこの組織変更が確定した後、ccNSOの正式設立へ
向けた加入者集めが行われています。

▼ccNSO設立に向けた進捗状況

しかし、ccNSOの設立に向けた作業は、当初の予想よりも進捗していません。
ccNSOが発足するためには、世界の5地域(アジア太平洋、アフリカ、ラテンア
メリカ、北米、ヨーロッパ)から4ずつ以上、合計30以上のccTLDレジストリが
加入しなければなりません。ところが、11月1日現在、加入しているccTLDレジ
ストリは、合計で28です。世界のccTLD数は243、うちアクティブなレジストリ
は約80と言われています。それに比して、現状のccNSO加入は思うように進んで
はいません。

現在の加入内訳は、アジア太平洋…6(.JPを含む)、アフリカ…10、ラテンア
メリカ…8、北米…3、ヨーロッパ…1となっており、北米とヨーロッパの加入数
が足りません。もともとは今回のチュニジア会議までにccNSOを成立させること
を目指していましたが、それはかないませんでした。従って、ccNSOが正式化し
ていない状況での今回のccTLD会議は、「World Wide Alliance of ccTLD 
Managers Meeting」などとも呼ばれます。

▼ccNSOに関する論点

この加入状況を受け、今回のccTLD会議では、ccNSOを成立させるためにccTLDが
今後どうすべきかについて議論を行いました。

参加者のccNSOに対する意見は大きく2つに分かれました。

一方は、ICANN定款に文言上十分に明確でない部分があり、ccNSO加入レジスト
リが理事会から不要な拘束を受ける可能性があるのではないかと懸念する意見
です。ヨーロッパのいくつかのccTLDがこのように考えています。彼らは、この
懸念を払拭するような内容の明文化がccNSO加入の条件であるという立場を取っ
ています。

ccNSOは、グローバルレベルで決定する必要のあるccTLD関連のポリシーを策定
し、ICANN理事会に勧告する役割を持っています。ccTLDはローカルインターネ
ットコミュニティの利益を最優先してドメイン名の登録管理方針を定めるべき
であり、グローバルに話し合うべきポリシーというのは、レジストリとIANAと
のやりとりに関することなどに限定されます。ヨーロッパのccTLDは、その原則
がより明示的に記されることを要求しています。

他方は、ccNSOに関する基本的な考え方が一致していることに基づき、多少の不
明確点は今後明確にしながら進めることを前提に、最初からccNSOに加入して組
織化に参画し、ローカルインターネットコミュニティの利益を適切に守れる
ccNSOを、自ら作っていこうという意見です。アジア太平洋、ラテンアメリカか
らの主な参加者はこのように考えています。ccNSOをまず成立させなければ、
ICANNの改革は完了せず、ICANNの組織がいつまでも未完成のままになってしま
います。従って、まずccNSOに加入して、内側からccNSOを、ひいてはICANNを支
えていこうというのが、彼らの立場です。

▼Vint Cerf(Chairman of the Board)がコメント

3日間の会議期間を通じ、両立場の議論はしばらく平行線をたどりました。しか
し、途中でICANN理事会のChairであるVint Cerfが会議に参加し、ccTLDレジス
トリには、まず具体的にどの点が懸念になっているのかをリストアップし、理
事会に相談してほしいとの意見を述べました。

このコメントにより、ccTLDは、あらためて懸念事項を整理しなおすことにしま
した。

▼今後の動き

今後、ccTLDレジストリは、各ccTLDに対するICANN理事会からの拘束範囲などに
ついて、明文化すべきことを整理することになります。検討にあたっては、2003
年6月にモントリオールで合意された原則、すなわち、民間主導のボトムアップ
プロセスに基づいた、ローカルインターネットコミュニティの意思を反映した
ccNSO作りが、全ての原点になります。この検討の過程で上記両立場の合意が形
成できれば、ccNSOへの加入が必要数まで増える可能性はあります。

次回のccTLD会議は2004年の3月に予定されています。それまでに、ccTLDレジ
ストリは、CENTRやAPTLDなどの地域連合組織の会議およびメーリングリストに
おいて、検討作業を早急に進めていく予定です。

           ◇                     ◇                     ◇

◎関連URI

・ccTLD (World Wide Alliance of Top Level Domain) Website
 http://www.wwtld.org/

・ccNSO Website
 http://ccnso.icann.org

・Communique of the World Wide Alliance of ccTLD Managers meetings
 in Carthage, Tunisia
 26-28 October 2003
  http://www.wwtld.org/communique/20031026.ccTLDcarthage-communique.html

・Report of the ccNSO Launching Group
  http://www.wwtld.org/communique/20031030.ccTLDcarthage-ccNSO-communique.html

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