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増刊号

vol.13

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004-02-05━
                     ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.13 ◆
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                          RIPE 47 Meeting報告
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2004年1月26日から30日の日程で、第47回RIPE(Reseaux IP Europeens) Meeting
がオランダ・アムステルダムで開催され、ドメイン名やIPアドレス等のインター
ネット資源とその管理に関わる技術的な議論がなされました。会合には、欧州の
インターネット関連技術者のみならず、世界中から300人程度が参集しました。
ここでは、その会合の中から、DNSに関する会議、および、ENUM BoFの状況につ
いてトピックスをご紹介します。

 ●用語辞典:RIPE → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0110
 ●用語辞典:ENUM → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0105

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▼DNSルートゾーンへのIPv6アドレスの登録

ドメイン名、IPアドレス、AS番号等、一意性の保証が必要なインターネット資源
の大元の管理を行っているIANAは、インターネット全体にとって非常に重要な位
置を占めます。そこでICANNは、IANAサービスの強化を目指して、インターネッ
ト資源管理技術に精通したDoug Barton氏を、2003年12月に専任のGeneral 
Managerとして迎え入れました。今回、そのBarton氏より、IANAの最近の活動に
関して報告がありました。

Barton氏は、最大のホットな話題であると前置きして、ルートゾーンへのIPv6ア
ドレスの登録についての検討状況を紹介しました。これは、1年以上前より、TLD
のネームサーバにIPv6アドレスをつけて運用することを目的として、いくつかの
ccTLDレジストリがIANAに申請してきたものです。Barton氏によると、ICANNとし
て、ルートゾーンへのIPv6アドレスの登録がインターネット全体の安定性やセキ
ュリティに悪影響を及ぼさないための条件の明確化や技術検証を続けてきており、
RSSAC、SECSAC等の技術専門家グループの検討を経て、問題なく登録するための
条件と運用方法がほぼ明らかになったとのことです。今後、本年3月上旬に開催
されるICANNローマ会合で議論ができるように、2月中に検討結果を公開し、コミ
ュニティからの意見をもらい、そのフィードバックをもってルートゾーンへの
IPv6アドレス登録を開始すると述べました。したがって、早ければ4月にも登録
が開始されるであろうとのことでした。これにより、インターネットにおける
IPv6の展開がさらに推進されることになります。

 ●用語辞典:IANA   → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0027
 ●用語辞典:IPv6   → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0035
 ●用語辞典:RSSAC  → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0054
 ●用語辞典:SECSAC → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0112

▼DNSモニタリング

DNSは、ドメイン名登録者も含め、数多くの独立した組織や個人が持つネームサ
ーバが分散協調して動作するデータベースシステムです。DNSはインターネット
の根幹を支えるシステムですが、全体としてのDNSの健全な運用を常に維持する
ためには、分散した各ネームサーバが持つそれぞれのデータが互いに無矛盾であ
ること、各ネームサーバが正常に動作していること等を常時確認し、問題がある
場合は適切に対処することが重要です。

サーバ動作の正常性を確認しておくために、たとえば応答の有無、応答が得られ
るのにかかる時間等のQoSを常時測定し、リアルタイムに確認することは重要で
あり、いくつかの組織からそのモニタリングを行う仕組みの提供が行われていま
す。RIPE NCCでは、dnsmonというモニタリングツールにより、ネームサーバに対
して世界中からその動作状況をモニタリングする仕組みが提供されており、ルー
トサーバやいくつかのccTLDネームサーバに対するモニタリングの結果が公開さ
れています。

また、データの無矛盾性に関しても、RIPE NCCが割り振ったIPアドレスに対し、
いくつかの観点でネームサーバの設定内容の正当性をチェックし、その結果をIP
アドレス登録者に通知するサービスが2004年の1月から2月にかけて実施されてい
ます。3月1日以降は、矛盾を持つデータが検出された場合は、インターネット全
体に与える影響を軽減するため、そのデータをRIPE NCCが管理する逆引きネーム
サーバから削除するという措置が予定されています。

 ●用語辞典:RIPE NCC → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0111

▼ENUMトライアル

RIPE NCCは、ITUと協力して、国番号(Country Code; 国を表す電話番号:日本は
81)をENUMトライアル用ドメイン名として、e164.arpaの配下に登録する活動を行
っています。この活動の現状報告として、24の国番号がこれまでにドメイン名と
して正式に登録されていることが報告されました。

続いて、アイルランド、日本、英国、ポーランド、スウェーデン、オランダより、
各国のENUMトライアルの状況が報告されました。総体としては、各国とも技術ト
ライアルのフェーズにあるところが多く、技術トライアルを終了したところでも、
ビジネスモデルをさらにその技術の上に積み重ねるための検討、調整をしている
という段階であることが報告されました。JPRSからは、ETJP(ENUM Trial Japan)
の活動状況とともに、トライアルで使われているENUMのアプリケーションソフト
ウェアの紹介をしましたが、その結果、アプリケーションソフトウェアの国間の
共有利用の可能性について議論がありました。また、電気通信に関するヨーロッ
パの技術標準化組織であるETSI(The European Telecommunications Standard 
Institute)からは、国を横断したENUMの連動試験の開始が提案されました。

 ●用語辞典:ITU → http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0039

          ◇                     ◇                     ◇

◎関連URI

    ・RIPE/RIPE NCC
    http://www.ripe.net/ 

    ・RIPE 47 Meeting
     http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-47 

    ・dnsmon 
   http://dnsmon.ripe.net/

  ・ENUMトライアルジャパン(ETJP)
   http://etjp.jp/ 

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              編集・発行:株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 
                            http://jprs.jp/
                            http://日本レジストリサービス.jp/
                会議報告: http://jpinfo.jp/event/
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