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増刊号

vol.22

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004-08-03━
                       ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.22 ◆
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                       ICANNクアラルンプール会合報告
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2004年7月17日から24日まで、マレーシアのクアラルンプールにて、ICANN会合
と、これに関連するワークショップなどの会議が行われました。ICANNとその
関連組織が並行して様々な会議を開催し、それぞれの課題が議論されましたが、
ここでは、特に関心の高かった話題についてご紹介します。

          ◇                     ◇                     ◇

■IDN(国際化ドメイン名)

IDNに関しては、GAC(ICANNの政府諮問委員会)が半日のオープンワークショッ
プを開催したあと、ICANNも1日かけてのワークショップを開催しました。

これら両会合およびパブリックフォーラムを通し、今回のICANN会合では、IDN
推進の重要性に注目が集まりました。総じて、JPRSを含むアジア各国の参加者
からはIDNの技術開発と運用の経験が紹介され、ヨーロッパ各国やアラブ各国
の参加者からはIDNの必要性・重要性が訴えられました。ただし、アラブ各国
は、IDNがデジタル・デバイドの解決のために必要であるなど、まだ概念的な
必要性を訴えるのみであり、十分な検討は進んでいないようです。ヨーロッパ
やアラブでは複数の国でひとつの言語を使うケースが多く、似た文字も多いた
め、アジア各国が解決してきたものよりも問題はより複雑であり、その解決に
は大きな努力が必要となりそうです。

■ccNSOの動き

7月19日と20日には、ccNSOの第2回会合が開催されました。今回のccNSO会合に
おいて正式にccNSO Councilメンバーが決まり、ようやくccNSOはICANNの枠組
みにおけるccTLD組織として、実質的に動き出したと言えます。また、今回の
会合には、ヨーロッパの非ccNSO会員の参加も含め、世界5地域から約70名の参
加がありました。このことから、まだccNSOに加入していないccTLDも、ccNSO 
を共通のポリシー議論の場として意識し、加入できる形に改善していくべく、
既存のccNSO会員と協同して取り組み始めたことが見て取れました。

なお、ccNSO Councilは世界の各地域から3名ずつ選出されたメンバーによって
構成されます。アジア太平洋地域からは、Chris Disspain氏(.au)、Young
Eum Lee氏(.kr)、堀田博文(.jp)が代表となっています。また、Chris
Disspain氏はccNSO Councilの暫定チェアに任命されました。Councilの確定を
受け、クアラルンプールではこれから議論を進めていくための枠組みや手続き
の検討が行われ、組織として大きく前進しました。また、IANA、ICANNの幹部
と共に実務的な情報交換セッションも行われ、ccTLD間およびICANNとccTLDの
間での情報共有が進みました。
 
■WSISワークショップ

7月20日、ICANNでは2回目となるWSISワークショップが開催されました。午前8 
時30分の開始当初から、会場には300名以上の参加者がつめかけ、WSISに対す
る関心の高さがうかがえました。今回は、国連のWorking Group on Internet
Governance(WGIG)事務局長Markus Kummer氏より、国連におけるインターネッ
トガバナンス検討の状況報告が行われました。

WGIGは、インターネットガバナンスの定義と、今後のあるべき姿について検討
し、2005年にチュニジアで行われるサミットに報告を提出する予定です。現状、
WGIGとしては、インターネットガバナンスについて、ドメイン名等の資源管理
調整に限定されない広い視野を持って検討しています。具体的には、ネットワー
クセキュリティ、知的財産権、データ保護、スパム、多言語化の課題等も検討
範囲に含めています。今後のロードマップも発表されました。WGIGでは、自ら
のロードマップを三つの段階に分け、以下のように計画しています。

  (1)第1段階(準備期間)   2004年7月~10月
     WGIG事務局の立ち上げ
  (2)第2段階               2004年11月~2005年6月
     検討報告書作成
  (3)第3段階               2005年7月~11月
     検討報告書説明、サミットにむけた準備

現在WGIGは第1段階にあり、広範囲な利害関係者と十分なコンサルテーション
を行いながら、報告書作成の準備に入ることになります。また、あらゆる利害
関係者の意見を汲み上げられるような体制を整備することも急務となっていま
す。
 
■ルートサーバへのIPv6アドレスが登録可能に

7月20日、ICANNは、ルートゾーンに初めてIPv6アドレスを登録したことを発表
しました。登録されたのは、.JP、.KR(韓国)のDNSサーバに付与されたIPv6
アドレスです。 これにより、JPドメイン名のサーバやホスト、機器などへの、
IPv6でのアクセス環境が大きく前進しました。

この登録に伴い、JPRSは、ICANNのIPv6推進におけるTLDとしての主導的な貢献
が認められ、7月22日のICANNパブリックフォーラムにおいてICANNチェアの
Vint Cerf氏から表彰を受けています。

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◎関連URI

  - ICANNホームページ
    http://www.icann.org/

  - ICANNクアラルンプール会合
    http://www.icann.org/meetings/kualalumpur/

  - ICANN WSISワークショップ
    http://www.icann.org/meetings/kualalumpur/captioning-wsis-workshop-20jul04.htm

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