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増刊号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004-08-06━ ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.23 ◆ ━!JP━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━JPRS━━ ___________________________________ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ Joint ICANN/ITU ccTLDワークショップ報告 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1週間にわたるICANN会合が終わった週末の2004年7月24日、ICANNとITUの共催 で、ccTLDに関するワークショップが約100名の参加を得てクアラルンプールに て開催されました。ここでは、その概要を紹介します。 ◇ ◇ ◇ ■ITUのZhao氏とICANNのTwomey氏による開会の辞 ITUのTSB(Telecommunication Standardization Bureau)局長であるHoulin Zhao氏から、ICANNおよびccTLDに関連するこれまでの取り組みとして、ASO、 NomCom、ICANN改革、ENUMトライアル等でITUが果たしてきた役割の紹介があり ました。その上で、「技術面やビジネス面では民間部門が重要な役割を果たさ ねばならない。ICANNとITUが二者択一だという意見もあるが、そうではなく協 調が必要である」という考えが述べられました。 続いて、ICANN CEOであるPaul Twomey氏は、ccTLDがインターネット全体にお いて大きな役割を果たしていることに触れ、ccNSOが結成されるなどICANNの枠 組み内でのccTLDコミュニティの積極的な取り組みを評価している旨を述べま した。その上で、ccTLD間での経験の共有が重要であり、本ワークショップを その目的で活用してほしい、という話がされました。 ■ccTLD全体の概要 オタワ大学のMichael Geist氏、および地域ccTLD連合で活動しているPaul Kane氏(CENTR)、Oscar Robles氏(LACTLD)、Chris Disspan氏(APTLD)か ら、ccTLDには種々の位置づけのものが存在し、一様の扱いをすることの無意 味さ、危険さが述べられました。 特に、Geist氏は70カ国に及ぶ調査に基づきccTLDのモデル分類を行ってきてお り、それぞれのモデルのccTLDが公益性と顕在需要のバランスを取りつつ運用 されていること、事業としてccTLDを運用している民間企業は市場要求を満た し競争に勝てるサービスを目指していること等が述べられました。また、うま く機能しているccTLDでは、政府が適切な距離を保ってその役割を果たしてい るということにも言及がありました。 各地域ccTLD連合からは、ccTLDはインターネット発展のスピードで技術革新や 需要増に対応せねばならず、また、商業上の責任を負ってサービスを提供する ものでなければならないものであるため、民間活力なしではうまく運営できな いことが強調されました。また、第一義には、ccTLDはそれが属する国や地域 のために存在すべきものであるため、ccTLD運営組織は政府とも協調すべきで あるということも述べられました。 ■各ccTLDからの報告 日本を含む9カ国のccTLDから、ccTLDポリシーの策定方法やレジストリの運営 方法に関する報告がありました。全体として、 - ccTLDポリシーの大部分は、世界レベルで決めるべきものでなく、各国で 決めるべきものであること - 各国ごとに特徴はあるが、コミュニティの意見に基づきccTLDを運営する 仕組みが整いつつあること - 規制によって運営がうまくいくわけではなく、市場と技術がccTLDの在り 方を決めるべきであること ということが強調されました。 日本からは、民間会社JPRSがコミュニティと協力しながらJPドメイン名を運営 する仕組み、JPNICがコミュニティの代表として政府とともにccTLD運営組織の 適切さを確認するというモデルを紹介しました。また、このモデルの下でこれ までに達成してきた成果(「JPドメイン名レジストリレポート」掲載のもの) を紹介しました。 ■まとめ 今回は、昨年3月にITUが主催したワークショップに続く、第2回という位置づ けでした。今年は、ICANN会合と併催されたこともあり、政府関係者としてGAC のメンバが多く参加していました。このためか、昨年のジュネーブでの会合と は異なり、インターネット関連ポリシー策定や運営のあり方に対する理解も共 通の部分が多く、ICANNに代わり政府間組織がインターネット資源管理を仕切 るべきという議論は起こりませんでした。今後も経験共有、情報共有の場とし て同様のワークショップが開催される予定となっています。 ◇ ◇ ◇ ◎関連URI - 今回のワークショップ資料 Joint ICANN/ITU ccTLD Workshop(2004年7月 ICANN/ITU共催) http://www.itu.int/ITU-T/worksem/cctld/kualalumpur0704/index.html - 昨年のワークショップ資料 Workshop on Member States' Experiences with ccTLDs (2003年3月 ITU主催) http://www.itu.int/ITU-T/worksem/cctld/geneva0303/index.html - JPドメイン名レジストリレポート(2004年7月6日公開) http://jprs.co.jp/doc/report/registry-report-200407.pdf ━!JP━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━JPRS━━ 編集・発行:株式会社日本レジストリサービス(JPRS) http://jprs.jp/ http://日本レジストリサービス.jp/ 会議報告: http://jpinfo.jp/event/ メールニュース配信解除: http://jpinfo.jp/mail/ ご意見・ご要望・おたより: from@jprs.jp 当メールマガジンの全文または一部の文章をホームページ、メーリングリスト、 ニュースグループまたは他のメディア等へ許可なく転載することを禁止します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright(C), 2004 Japan Registry Service Co., Ltd. 2004年08月06日