JPドメイン名のサービス案内、ドメイン名・DNSに関連する情報提供サイト
増刊号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2006-04-05━ ◆ FROM JPRS 増刊号 vol.51 ◆ ━!JP━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━JPRS━━ ___________________________________ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ICANNウェリントン会合報告 ~ccTLD関連動向~ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今号では、ICANNウェリントン会合における、ccTLD(Country Code Top Level Domain)関連の動向をお伝えします。 ccTLDの会合は2006年3月26日から28日の3日間にわたって開催されました。3月 26日には情報交換を中心とするwwTLD(World Wide Alliance of Top Level Domain)会合、続く3月27日と28日の両日にはccNSO(Country Code Names Supporting Organization)の会合が行われました。 ◇ ◇ ◇ 1.wwTLD会合 wwTLD会合では、小規模TLDレジストリのための共同運用レジストリシステム Coccaの紹介、.ukレジストリのWhoisサービスを悪用した組織が有罪判決を受 けたときのレジストリの経験と教訓の共有、IDNに関する検討状況の共有、ド メイン名レジストリ用ベンチマークの共用などについて情報交換・意見交換が なされました。レジストリ用ベンチマークについては、JPも含む幾つかの ccTLDレジストリが参加し、その機能のあり方や結果の使い方について検討を 開始することとなりました。 2.ccNSO会合 ccNSO会合では、情報交換だけでなく、ccTLDレジストリがICANNと関わってい く上で重要となる案件に関し、意見交換、意思決定を行いました。この会合で は、ccNSO会員に加え、非会員のccTLDレジストリ(ccNSOに未加入のccTLD)も 参加して、約60のccTLDレジストリによる議論が行われました。 ここでは、その中の主な話題であった、(a)ccTLDレジストリとICANNの間の契 約に替わる新たな枠組みAccountability Frameworkの進め方、 (b)IANA (Internet Assigned Numbers Authority)業務に関する検討状況、(c)ICANN 予算とccTLDの関わりに関する検討状況についてご報告します。なお、もう一 つの時間を割いて議論した大きな話題としてIDNがありますが、これについて は、関連話題だけを取り出して、別途報告することとします。 (a) Accountability Frameworkについて ccNSO内の作業部会(チェア:JPRS 堀田博文)を中心にccTLDレジストリが議 論し、検討を進めた結果として、Accountability Frameworkのガイドラインを 2005年12月にICANNに提案しました。これに呼応して、2006年1月に、ドメイン 名レジストリとICANNの間で従来使われてきた形態の契約に代わる次の2つの枠 組みとそのための文書内容が、ICANNから提案されました。 ・2者間契約(ただし、通常の契約とは異なり、たとえば2ページ程度の非常 に軽装なもの) ・一方的な宣言文書のやりとり(自組織の役割の宣言文書を作成し、交換す る) 今会合では、ICANN事務総長からその趣旨の説明と今後の進め方の提案があり ました。ICANNは、必要に応じその文書内容の詳細は変更可能としており、今 後、このいずれかの方法で各ccTLDと合意すべく話し合いを開始したいとして います。また、いくつかのccTLDレジストリとは、話し合いを始めているとの 発言もありました。 (b) IANA業務に関する検討状況について ccNSOでは、IANA作業部会を作り、IANA業務のあるべき姿と現状改善策、ccTLD との関わりのあり方に関する検討を続けています。この検討には、IANAのメン バーも参加しています。特に、これまで、IANAへの情報変更申請後、その変更 実施までに1週間以上も時間がかかっているという問題に関し、いくつかの ccTLDから不満が出されていました。これについて、自動化できる業務部分を 増やし、また申請者の認証を自動化するなどにより、処理の迅速化をサポート する仕組みがポーランドのccTLDレジストリなどにより開発され、IANAに提供 されました。IANAは、この仕組みも使いつつ、さらに処理を迅速化し、レジス トリの満足度を向上させる施策を打っていくとしています。 (c) ICANN予算とccTLDの関わりについて ICANN総予算のうちどれくらいの割合をccTLDが負担すべきか、そしてその額を ccTLDレジストリ間でどう分担すべきかという議論が継続しています。今回、 この前者に関する議論が中心に行われました。予算に関する作業部会から、 ccTLDがICANNから受けているサービスとそのサービスレベルを明確化し、それ にかかるコストを積算するという具体的な検討状況の中間報告がなされ、その 妥当性についてccTLDレジストリ間で議論しました。今後、そのサービス内容 について、各ccTLDがサービスとしてICANNから享受すべきと考えているかどう かについての調査を実施し、検討を深めていくこととなりました。 ◇ ◇ ◇ ◎関連URI - ICANNホームページ http://www.icann.org/ - ICANNウェリントン会合 http://www.icann.org/meetings/wellington/ - wwTLDホームページ http://www.wwtld.org/ - wwTLDウェリントン会合資料 http://www.wwtld.org/meetings/cctld/20060326.Wellington-documents.html - ccNSOホームページ http://ccnso.icann.org/ - ccNSOウェリントン会合アジェンダと会合資料 http://www.icann.org/meetings/wellington/ccnso-agenda.html - IANAホームページ http://www.iana.org/ - 用語辞典(IANA) http://jpinfo.jp/glossary/index.php?ID=0027 ━!JP━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━JPRS━━ 編集・発行:株式会社日本レジストリサービス(JPRS) http://jprs.jp/ http://日本レジストリサービス.jp/ 会議報告: http://jpinfo.jp/event/ メールニュース配信解除: http://jpinfo.jp/mail/ ご意見・ご要望: from@jprs.jp 当メールマガジンの全文または一部の文章をホームページ、メーリングリスト、 ニュースグループまたは他のメディア等へ許可なく転載することを禁止します。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright(C), 2006 Japan Registry Services Co., Ltd. 2006年04月05日