ドメイン名関連会議報告
2003年
Critical Infrastracture整備で先行する日本
~第16回 APNIC Open Policy Meeting 報告 ~
2003/08/28
(2003/09/01更新)
(2003/09/01更新)
2003年8月23日、韓国は釜山にて、APTLD(Asia Pacific Top Level Domain Forum)Members Meetingが開催されました。会場には、JPRSをはじめ、多くのアジア太平洋地域のccTLDレジストリの代表が集まりました。今回の議題の中心は、この地域における2003年8月19~22日の日程で、第16回APNIC(Asia Pacific Network Information Centre) Open Policy Meeting(OPM)が韓国・ソウルで開催されました。APNIC OPMはIPアドレスの割当方針などがオープンに議論され決定される会議です。
APNIC OPMは、初日に行われるTutorial、2~3日目に行われるSIG(Special Interest Group; IPv6やDNSなどトピックスごとに設けられている)Meeting、そしてそれらの結果を総括するAPNIC Member Meetingから構成されます。今回は、その中から、IPv6 SIG、DNS SIG、DB SIG、Member Meetingの話題を報告いたします。
まず、IPv6 SIGではCritical Infrastructure Addressの割当状況が報告されました。Critical Infrastructure Addressとは、RIR、NIR、ccTLDマネージャなどがDNSなどインターネットの重要な基盤サービスを運用するために割り当てられる、プロバイダに依存しない(Provider Independentな)IPアドレス帯で、昨年9月に小倉で行われた第14回APNIC OPMで割当方針が決定されています。
IPv6のCritical Infrastructure Addressはこれまでに4つの割り当てが行われ、そのうち2つは日本から申請されたものです。今回IPv4についてはAPNIC DBを参照すると3つの割り当てが行われており、そのうち1つが日本から申請されたものとなっています。これらのことから、AP地域では日本が先行してCriticalInfrastructureの整備を進めていることが伺われます。
DNS SIGでは逆引きDNSが委譲先で適切に設定されていなかった際に、適切に設定されるまで委譲を停止するためのプロセスが提案されました。提案の概要は、逆引きDNSサーバが1つも立ち上がっていない、もしくは立ち上がっているが正しいゾーン情報が提供されていない状態が15日間継続してAPNICに観測されると、その後45日間の警告と是正の期間が設けられ、是正されない場合は委譲が切られ、Whoisで表示されるようになる、というものです。この提案は22日のMemberMeetingで承認され、今年末から実施されることになりました。
DB SIGではAPNIC DBに登録されているカスタマーのアドレス割り当て情報のプライバシー問題について議論されました。情報の登録は必須ですが、情報に非公開属性を設け、カスタマー情報を非公開とすることが合意されました。IPアドレスの割当を行なうLIRまでの情報やポータブルアドレス(プロバイダ非依存アドレス)の情報は公開情報となります。また、ARINでも同じようなことを議論しているそうです。
最後に、Member Meetingでは多くの報告がありましたが、そのうちルートサーバに関する話題について報告します。APNICでは、F.root-servers.netを運用するISC(Internet Software Consortium)と組み、アジア・太平洋地域にAnycast技術を用いてFのミラーを設置するプロジェクトを進めています。1月に香港で稼働し、現在韓国でテスト中であり、8月中には中国の北京で準備が整うと報告されました。さらに3ヶ所以上で計画されているそうです。会場からF.root-servers.netまでのRTT(Round Trip Time)を調べたところ10ms以下という良好な値が得られ、韓国内にあるF.root-servers.netに到達することがわかりました。
本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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APNIC OPMは、初日に行われるTutorial、2~3日目に行われるSIG(Special Interest Group; IPv6やDNSなどトピックスごとに設けられている)Meeting、そしてそれらの結果を総括するAPNIC Member Meetingから構成されます。今回は、その中から、IPv6 SIG、DNS SIG、DB SIG、Member Meetingの話題を報告いたします。
まず、IPv6 SIGではCritical Infrastructure Addressの割当状況が報告されました。Critical Infrastructure Addressとは、RIR、NIR、ccTLDマネージャなどがDNSなどインターネットの重要な基盤サービスを運用するために割り当てられる、プロバイダに依存しない(Provider Independentな)IPアドレス帯で、昨年9月に小倉で行われた第14回APNIC OPMで割当方針が決定されています。
IPv6のCritical Infrastructure Addressはこれまでに4つの割り当てが行われ、そのうち2つは日本から申請されたものです。今回IPv4についてはAPNIC DBを参照すると3つの割り当てが行われており、そのうち1つが日本から申請されたものとなっています。これらのことから、AP地域では日本が先行してCriticalInfrastructureの整備を進めていることが伺われます。
DNS SIGでは逆引きDNSが委譲先で適切に設定されていなかった際に、適切に設定されるまで委譲を停止するためのプロセスが提案されました。提案の概要は、逆引きDNSサーバが1つも立ち上がっていない、もしくは立ち上がっているが正しいゾーン情報が提供されていない状態が15日間継続してAPNICに観測されると、その後45日間の警告と是正の期間が設けられ、是正されない場合は委譲が切られ、Whoisで表示されるようになる、というものです。この提案は22日のMemberMeetingで承認され、今年末から実施されることになりました。
DB SIGではAPNIC DBに登録されているカスタマーのアドレス割り当て情報のプライバシー問題について議論されました。情報の登録は必須ですが、情報に非公開属性を設け、カスタマー情報を非公開とすることが合意されました。IPアドレスの割当を行なうLIRまでの情報やポータブルアドレス(プロバイダ非依存アドレス)の情報は公開情報となります。また、ARINでも同じようなことを議論しているそうです。
最後に、Member Meetingでは多くの報告がありましたが、そのうちルートサーバに関する話題について報告します。APNICでは、F.root-servers.netを運用するISC(Internet Software Consortium)と組み、アジア・太平洋地域にAnycast技術を用いてFのミラーを設置するプロジェクトを進めています。1月に香港で稼働し、現在韓国でテスト中であり、8月中には中国の北京で準備が整うと報告されました。さらに3ヶ所以上で計画されているそうです。会場からF.root-servers.netまでのRTT(Round Trip Time)を調べたところ10ms以下という良好な値が得られ、韓国内にあるF.root-servers.netに到達することがわかりました。
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