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ドメイン名関連会議報告

2003年

DNS技術支援を目的とするTechnical Workshop開催へ

~APTLD Meeting報告~

2003/08/28
(2003/09/01更新)

2003年8月23日、韓国は釜山にて、APTLD(Asia Pacific Top Level Domain Forum)Members Meetingが開催されました。会場には、JPRSをはじめ、多くのアジア太平洋地域のccTLDレジストリの代表が集まりました。今回の議題の中心は、この地域におけるccTLDレジストリ同士の技術協力と、いわゆるインターネット発展途上地域に対するDNS技術支援でした。そして、その第一歩として、2003年11月にニュージーランドでAPTLD Technical Workshopを開催することが決定されました。

APTLDは、アジア太平洋地域のccTLD レジストリによる、情報交換、国際協力などを目的として1998年に発足した団体です。現在の会員は、JP(JPRS)、AU(auDA)、CN(CNNIC)、KR(KRNIC)などを含む、17のccTLDレジストリです。

釜山会議では、この地域でいかにccTLDレジストリ同士が技術協力、技術支援を行っていくかが中心的な議題となりました。アジア太平洋地域には、距離的な面から国際会議などへの参加が困難なため、レジストリ運用の際に必要な技術、ノウハウの獲得や情報交換ができないccTLDレジストリが数多くあります。グローバルな通信の安定のためには、地球全体の中でも広大な部分を擁するアジア太平洋地域のDNS健全化、安定維持が欠かせません。そして、現在アクティブなAPTLD会員は、ほとんどが北東および東南アジアのccTLDレジストリとなっいます。従って、太平洋、中央アジア、西南アジアなどのccTLD と協力し、地域全体のDNS運用技術レベルを上げること、組織自体の基盤を強化していくことが、APTLDの大きな課題となっています。

このような課題意識のもと、今回のAPTLD会議では、2003年11月ニュージーランドにおいて「APTLD Technical Workshop」を開催することが決定されました。このWorkshop は、主に太平洋地域のccTLDレジストリをターゲットにしています。次回以降のWorkshopについても、太平洋地域のccTLDレジストリができる限り参加しやすい開催地を選ぶことになっています。

また、APTLDは、APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)、APRICOT(Asia Pacific Internet Conference on Operational Technologies)などと共同で教育セッションを開催することも検討しています。これら、他のアジア太平洋地域団体と協力することにより、さらに包括的な技術情報の交換を可能とすることを目指しています。

APTLDは、地域のccTLD同士での情報交換を主な目的として発足したにもかかわらず、ICANNが設立され、さらにICANN組織改革が始まってからは、ICANNの制度や枠組みに関する議論に時間が割かれ、技術・運用のノウハウ共有や情報交換といった活動がややおろそかになっていました。この状況に対する反省から、また、前回のICANN 会議において組織改革が一段落したことをきっかけに、今回のMembers Meetingでは、APTLDが今後、地域規模での技術力向上を目指した教育、情報サービスに活動の重点を移していくことが確認されました。

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本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。

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