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ドメイン名関連会議報告

2004年

ICANNケープタウン会合報告

2004/12/28
2004年12月1日から5日まで、南アフリカのケープタウンにて、ICANNの2004年度年次会合が行われました。ICANNの発表によれば、今回の会合には、91以上の国・地域から、のべ735名以上が参加しました。また、アフリカ地域で開催されたということもあり、25のアフリカ諸国からの出席がありました。

ケープタウン会合で最も関心を集めた話題の一つは、IDN(国際化ドメイン名)でした。12月1日には、IDNワークショップが開催され、多くの報告や議論が行われました。

IDNは、日本では「日本語JPドメイン名」としてすでに運用されているものです。日本語JPドメイン名については、これまでのWebブラウザ等の対応に加え、最近ではフルブラウザを搭載した携帯電話の登場や、検索サービス、認証サービス、ブログサービスなど多くのサービスが対応し始めたことで注目を集めています。なかでもInternet Explorerをはじめとして、ユーザ環境で大きなシェアを持つマイクロソフト社のアプリケーション群がいつ正式に対応するかについては読者の皆様も気になっているところと思います。今回の会合ではこの点について重要な進展が見られました。

ここでは、そのIDNワークショップの模様についてお伝えします。

会議風景
会議風景

IDNワークショップ

7月のクアラルンプール会合に続き、今回もIDNワークショップが行われました。前回は初歩的なチュートリアルが多くありましたが、今回はIDN普及における課題などの議論も行われ、前回よりも一歩踏み込んだ内容となりました。

ワークショップには150名程度が参加し、昼の1時から夜の8時まで、熱心な議論が展開されました。ワークショップは以下の3部構成で進められました。

セッションI:アフリカ地域でのIDN導入状況報告
セッションII:IDNアプリケーションに関する報告とパネルディスカッション
セッションIII:IDNとポリシーに関する報告とパネルディスカッション

セッションII:IDNアプリケーションに関する報告とパネルディスカッション

次に、セッションIIでは、レジストリの実装(登録と名前解決)、レジストラの実装、ブラウザその他のアプリケーションの対応、EPP(現在標準化が進められているレジストリ・レジストラ間のプロトコル)上のIDNの標準化が議論されました。
.JPについては、JPRSから、日本語JPドメイン名の普及状況について説明が行われました。著名人の公式サイトや商品の販売キャンペーンに日本語JPドメイン名が使用されている事例が紹介され、関心を集めました。また、中国のccTLDレジストリであるCNNICからは、電子メールアドレスの「@」の左側のユーザ名と右側のドメイン名の両方共に中国語文字を使用することができるプラグインを提供していることなどが発表されました。そしてCNNICは「電子メールアドレスの国際化に関する標準化と実用化を求める」という提言を行いました。

パネルディスカッション部分では、JPRSから堀田博文がパネリストとして参加し、Internet ExplorerのIDN対応ロードマップについての質問をマイクロソフト社に投げかけました。マイクロソフト社シニア・プログラム・マネージャのMichel Suignard氏は慎重に言葉を選びながらも以下のように明言しました。

  • 「2006年に予定されている次期Windows『Longhorn』ではIDNに対応する。」
  • 「Longhornとは別に、IDNの基本的な機能について2006年よりも前に対応する可能性もある」
  • 「マーケットニーズ次第でマイクロソフトの行動は変わる」

これらのやりとりのなかで今後1~2年以内にマイクロソフト社製品におけるIDN利用環境が整うことが明らかになり、またそれは短縮される可能性があることが示されました。

JPRSでは、日本での利用者の声を今後も継続してマイクロソフト社をはじめとしたベンダーに伝えていくことによって、さらなる日本語JPドメイン名の普及を後押ししていきたいと考えています。

セッションIII:IDNとポリシーに関する報告とパネルディスカッション

最後のセッションIIIでは、主に知的財産権保護の立場から、IDNを導入した場合の、ポリシー方面での注意点や懸念について議論されました。例えば、IDN のWHOISでの表示、IDN.IDN(国際化トップレベルドメイン名)が創設された場合のUDRP(Uniform Dispute Resolution Policy: 統一ドメイン名紛争処理ポリシー)への影響などが指摘されました。今後も、政策担当者や知的財産専門家は、技術の進展とユーザのニーズを注視しながら、各種ポリシーへの反映作業を行っていくとのことでした。

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本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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