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ドメイン名関連会議報告

2011年

Interop Tokyo 2011 JPRS活動報告

国内最大級のネットワーク関連イベント「Interop Tokyo」が、千葉県の幕張メッセで開催されました。JPRSもブース出展を行った展示会には、開催期間である6月8日から10日までの3日間で13万人近い来場者が集まり、各出展社による製品・サービスの紹介やデモンストレーションに熱い視線が注がれていました。
展示会の初日に当たる6月8日が、世界規模のIPv6トライアル「World IPv6 Day」と重なったこともあり、IPv6関連の展示やセッションが数多く見受けられました。JPRSでは、2004年にJPドメイン名をトップレベルドメイン(TLD)として世界で初めてIPv6に完全対応させていたことに加え、今回のトライアルにも参加者として名を連ねていたことから、その点に関心を持ってブースを訪れてくださった方もおられたのではないでしょうか。
JPRSは、例年と同様に出展ブースにおいてドメイン名とDNSにまつわる情報を幅広くご提供し、多くの皆さまにお越しいただきました。今回のFROM JPRSでは、JPRSブースで行ったミニセミナーの内容や配布資料について、読者の皆さまにご紹介いたします。

Interop Tokyo 2011の様子

Interop Tokyo 2011の様子

ミニセミナー

各回15分ほどのミニセミナーを通じて、ドメイン名・DNSの基礎知識や最新トピックスをご紹介しました。
インターネットユーザーとしてドメイン名・DNSを日常的に利用していても、その仕組みや技術について学ぶ機会は少ないこともあってか、多くの回で立ち見が出るほどの盛況ぶりとなりました。特に、DNSのセキュリティ拡張技術である「DNSSEC」を取り上げたパートでは、導入に向けた流れが世界的に加速している状況もあり、セミナー後には具体的な設定手順や運用方法について熱心に質問する参加者の姿が目立つなど、DNSSECを「差し迫った必要課題」として認識する機運の高まりが実感されました。
以下に各セミナーの内容を簡単にご紹介します。

知っておきたいドメイン名の基礎知識

URLやメールアドレスに欠くことができず、インターネット上の住所としての役割を果たすドメイン名。「.jp」や「.com」といったTLDごとに存在する「レジストリ」と呼ばれる組織によって登録管理がなされていること、全体的な調整・管理を行う存在として「ICANN」という非営利組織があることなどを解説しました。
また、会社や個人で独自のドメイン名を登録する際のポイントとして、セキュリティ企業が発表している安全性評価などを踏まえた「TLDを選ぶ」という視点が重要であるといった点をご紹介しました。

ドメイン名とDNSのトピックス

ドメイン名が有効に機能するために欠くことができないDNS。インターネット上で通信相手を指定する際には本来IPアドレスが必要であること、数字の羅列であるIPアドレスを人間にとって扱いやすいドメイン名と対応付ける重要な役割を担っているのがDNSであることなどを解説しました。
その重要性から、JPRSではJPドメイン名を用いたURLやメールアドレスへのアクセスを支える「JP DNS」を国内外26拠点に設置し、高い耐障害性を確保していることなどもご紹介しました。

DNSのセキュリティ向上 ~DNSSECの仕組みと対応方法~

DNSの応答に公開鍵暗号方式によるデジタル署名を付加することで、応答を受け取った側が正当性を検証できるDNSSEC。その仕組みをご説明するとともに、キャッシュ/権威DNSサーバーそれぞれにおける対応のステップを解説しました。
また、DNSSEC対応を進める上での注意点として、必要となるサーバーやネットワークのリソースをあらかじめ見積もっておくことや、検証に利用する鍵を定期的に更新することなどの必要性について紹介しました。

配布資料をWebサイトでも公開しています

JPRSブースで配布したドメイン名やDNSの解説コラム「JPRS トピックス&コラム」をJPRSのWebサイトでも公開しています。
Interop Tokyo 2011で新たに配布を開始した「No.19 DNSサーバーの引っ越し ~トラブル発生を未然に防ぐ手順とポイント~」では、サービスプロバイダーなどの変更に伴う権威DNSサーバーの変更に際するトラブルを未然に防ぐ方法とポイントを解説しています。ご来場の叶わなかった皆さまは、ぜひこちらでご覧ください。

ブースにお越しいただいた方々の関心が特に高かったDNSSECについては、No.13からNo.18にかけて解説するとともに、導入に向けた流れを本格化させる契機となったカミンスキー型攻撃手法についてもNo.9で解説を行っています。
この他、JPRSが監修したDNSの解説書籍『実践DNS――DNSSEC時代のDNSの設定と運用』においては、DNSSECやIPv6などの最新の技術規格に基づいた、現在あるべきDNSの設定手順や運用方法を豊富な図版と設定例を交えて詳細に記しています。本書も多くの皆さまにご活用いただけますと幸いです。

本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。「FROM JPRS」にご登録いただいた皆さまには、いち早く情報をお届けしております。ぜひご登録ください。