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ドメイン名関連会議報告

2015年

Interop Tokyo 2015 JPRS活動報告

JPRSもブース出展を行った国内最大級のネットワーク関連イベント「Interop Tokyo 2015」の展示会が、6月10日から12日までの3日間にわたり千葉県の幕張メッセで開催されました。今回の展示会には486社が出展し、来場者数も13万人を超える盛況となりました。

JPRSブースでは、ミニセミナーや展示の形式でドメイン名とDNSに関する情報提供を行いました。今回のFROM JPRSでは、ミニセミナーで提供した内容を簡単にご紹介すると共に、会場で配布した資料についてご紹介します。

Interop Tokyo 2015の様子

Interop Tokyo 2015の様子

JPRSブース ミニセミナー

各回20分ほどのミニセミナーを開催し、ドメイン名・DNSに関する基礎知識や技術情報、ドメイン名業界で注目を集めるトピックスについてご紹介しました。

今回実施したミニセミナーは、

  • ドメイン名とDNSの基礎知識
  • DNS登録情報の不正書き換えによるドメイン名ハイジャック
  • 新gTLDの最新動向
の三つで、それぞれ多くの回で立ち見が出るなど、たくさんの方々にご参加いただきました。

以下、各セミナーの内容を簡単にご紹介します。

ドメイン名とDNSの基礎知識

インターネット上の住所としてWebサイトやメールのアドレスに欠かすことのできないドメイン名。特に、ドメイン名の末尾にある「.jp」や「.com」などの文字列を「トップレベルドメイン(TLD)」と呼びます。セミナーでは、ICANN(*1)からTLDごとにドメイン名の登録管理を委任された「レジストリ」と呼ばれる組織が存在することや、JPドメイン名「.jp」のレジストリがJPRSであること、独自ドメイン名を利用するメリットなどをご紹介しました。

(*1)
Internet Corporation for Assigned Names and Numbersの略称で、ドメイン名、IPアドレスなどのインターネット資源管理に関する調整を行うために設立された民間の非営利法人です。

次に、ドメイン名を利用するために必要不可欠なDNS(Domain Name System)の仕組みについても、Webサイトへアクセスする際の流れを例に解説しました。その中で、JPRSの管理する「JP DNS」が日本のインターネットにおいてどれだけ重要であるかについても触れ、安定性・安全性を高めるため、国内外の26拠点にサーバーを設置していることをお話しました。

また、JPRSは「.jp」の登録管理とJP DNSの運用にとどまらず、ドメイン名・DNSに関する技術の標準化や、DNSの運用に携わる方々への情報提供など、さまざまな活動に取り組んでいることをお知らせしました。

DNS登録情報の不正書き換えによるドメイン名ハイジャック

ドメイン名の管理権限を第三者に奪われることを「ドメイン名ハイジャック」と言います。管理権限を奪われることでDNS上の登録情報が不正に書き換えられ、偽サイトへの誘導やフィッシング、ウイルス・マルウェア配布、電子メールの盗聴・盗難など、さまざまな不正行為に悪用される危険性があります。

セミナーでは、国内外での最近の事例と被害状況を挙げながら、ドメイン名ハイジャックの特徴として以下の項目を解説しました。

  • 著名なドメイン名が狙われやすい
  • 脆弱性の悪用やアカウントの盗難など、さまざまな手口が使われる
  • 現時点では、攻撃者による示威行為が主流である
  • 登録情報を扱うすべての関係者が標的となりうる
  • 一度被害を受けた組織が再び狙われるケースがある
  • DNSSEC(*2)による保護の対象外である
(*2)
DNS Security Extensionsの略称で、DNSのセキュリティ拡張機能です。

また、上記を踏まえて登録者やレジストラが取りうる対策や、「.jp」のレジストリとしてJPRSが行っているさまざまな取り組みをご紹介しました。内容の詳細については下記の文書を公開していますので、ぜひご覧ください。

新gTLDの最新動向

TLDのうち「.com」「.net」「.org」などに代表される分野別トップレベルドメイン(gTLD)について、ICANNは2012年に「新gTLDプログラム」と呼ばれる3回目の募集を行いました。過去の2回の募集と異なり、創設する数に制限が設けられておらず、申請条件を満たしていれば一般名称や地理的名称、コミュニティの名称の他、企業名やサービス名といったブランド名称での申請も可能であったこともあり、全世界から1,930件の申請がありました。

セミナーでは、申請された文字列について、委任完了、申請取り下げ、手続き中といった進捗の内訳をお知らせすると共に、実際に登録・利用が始まった新gTLDの事例をご紹介しました。また、申請が競合した文字列やその競合状態を解消するためのオークション結果、日本国内からの申請状況、新gTLDごとの登録数などについてお伝えし、ICANNから時期や内容に関するアナウンスは出ていないものの、新gTLDの募集が今後も行われる見込みであることをお話ししました。

配布資料

JPRSブースで配布した資料の一部は、JPRSのWebサイトでも公開しています。下記関連URIからぜひご覧ください。

本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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