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ドメイン名関連会議報告

2023年

[第77回ICANN会合報告] ccTLD関連の話題 ~ccNSO設立20周年など~

本記事では、第77回ICANN会合における「ccTLD関連の話題」についてご紹介します。

ccNSO設立20周年

ccNSO(Country Code Names Supporting Organisation)では、前回のICANN76でも、設立20周年を迎えるccNSOのこれまでの歩みを振り返るセッションが実施されましたが、今回も、ccNSOに関わりのある人や組織などから贈られた20周年を祝うビデオメッセージの上映や、出席者参加型のクイズ形式でccNSOに関する情報・知識を紹介する催しが行われました。

クイズは、「ccNSOは何の略?(正解:Country Code Names Supporting Organisation)」から始まり、「発足時の会員数は?(正解:35)」、「現在の会員数は?(正解:175)」といった問題が出された他、「一番長くccNSO評議委員を務めたのは誰?」という問題も出されました。ちなみに正解は、JPRSの堀田博文です。

楽しみながらccNSOのこれまでと現在を知ることのできる企画に、会場は大いに盛り上がりました。

ccNSOに関する情報・知識がクイズ形式で紹介された

ccTLDのポリシーに関連する動き

ccNSOは、ccTLD全体に及ぶグローバルな課題についてポリシー案を策定し、ICANN理事会に勧告を行う役割を持っており、この役割を実現するための「ポリシー策定プロセス(ccPDP)」を定めています。

現在検討が進んでいるccPDPの一つであるccPDP3では、Part1「ccTLDの委任終了のプロセス」とPart2「ccTLDの委任終了プロセスのレビュー方法」の二つに分けてポリシーの検討を進めてきています。

Part1については2022年にその活動を終了しており、今回のICANN77では、Part2についての状況共有が行われ、ICANN理事会でのポリシー承認に向けて作成された「Board Report」がccNSO評議委員会で承認されました。引き続き、ICANN理事会での承認を得ることを目標として検討を進めていきます。

ccNSOとしてのDNS Abuseに対する取り組み

ccNSOでは、DNS Abuseに対するロードマップ作成を担うccNSO DNS Abuse Standing Committee(DASC)が、2022年より活動を始めています

DASCでは、主にccTLD管理者のために、DNS Abuseに関する利用価値のあるリンク集及びリポジトリの作成と、ccTLD管理者がDNS Abuseに関する情報交換を行うための(ccTLD管理者専用の)メーリングリストの作成に取り組んでいます。ICANN77では、リポジトリへの情報提供用テンプレートや5月に開設されたリポジトリWebサイトが共有されました。

今後、10月に開催される次回ICANN会合(ICANN 78)に向けて、ccTLD管理者がDNS Abuseに関する情報交換を行うためのccTLD管理者専用のメーリングリストを作成する予定となっています。