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ドメイン名関連情報

2006年 ドメイン名重要ニュース

2006年の多くのニュースの中から、ドメイン名ニュース担当者が選んだ、大きな話題を5つご紹介します。

1DNSの重要性が、サービス面でもセキュリティ面でも注目される

JPRSでは2006年4月に、これまで1日1回としていたJP DNSの更新間隔を、15分間隔まで大幅に短縮しました。
長い間、JPドメイン名は登録した翌日にならないと利用できない、という状況でしたが これにより「登録したらすぐに使える」ドメイン名へと大きく変わりました。
オンラインの手続で簡単・即時に利用開始できる個人向けサービスなど、より便利なサービスの実現に役立てられています。

また、DNSはインターネットの基盤となる重要な仕組みであり、JP DNSだけでなく、最上位階層のルートDNSから、末端の個別のドメイン名のDNSまでが正しく動作することが求められます。しかしこれまでは個々の運用者が自分の持つ知識と経験の中で担っているのが実状でした。
DNSの重要性が増していく中で、より安定した運用や、セキュリティ問題への対処など、 DNS運用者が情報共有や連携した活動を行えるような枠組みを求める声が大きくなりました。
これを受けて、今年6月に「日本DNSオペレーターズグループ(DNSOPS)」が発足しました。

DNSOPSでも話題になった2006年のDNSトピックスは「DNS amp攻撃」です。これは、DNSが小さな問い合わせデータに対して大きな応答データを返す、という特性を悪用したもので、SPFDNSSECなど、DNSで様々な情報が提供されるようになっていく流れの中で、大きな課題となっています。

DNSのセキュリティを支える主要技術の一つであるDNSSECは、DNSキャッシュサーバへの毒入れ(poisoning)などの攻撃を防ぐために有用な技術ですが、 IETFでの標準化議論が大詰めを迎え、運用開始に向けての議論が行われています。 長くインターネットを支えてきた基盤が、セキュリティという面で大きく進化しようとしています。

2IE7の登場で国際化ドメイン名は新たなステージへ

国際化ドメイン名対応が待ち望まれていたWebブラウザシェアNo.1のInternetExplorer(IE)ですが、 2006年11月にリリースされた新バージョンのIE7でついに国際化ドメイン名に対応しました。

主要なWebブラウザでの国際化ドメイン名対応が完了したことで、 日本においても日本語ドメイン名の活用がこれまで以上に普及していくものと考えられます。 JPRSでも、日本語ドメイン名を利用したキャンペーン「http://読ませ大賞.jp」に協力するなど、周知活動に力を入れた1年でした。

2006年は、このように国際化ドメイン名の利用環境が整った年であったとともに、更なる展開に向けた議論が進んだ年でもありました。

ICANNにおいては、TLD(トップレベルドメイン)にも国際化ドメイン名を導入することについての議論が、 ポリシー的な面と技術的な面の両方から開始されました。 言語と文化を背景にした議論となるために多くの課題が提起されていますが、ICANNは2007年末までに検討を進めるとしています。

IETFでは、メールアドレスの国際化に関する議論が標準化に向けた形を見せつつあります。 この中で、国際化ドメイン名の標準化の際に議論した経験が大きく役立っています。 ドメイン名だけでなく、メールアドレス全体が国際化される日も遠くはなさそうです。

3世界的にドメイン名登録数が増加、そしてトラブルも増加

ドメイン名は、1990年代後半にインターネットの爆発的普及とともにその数を大きく増やしました。 また、サイバースクワッティングなどで莫大な利益を手にした事例などがニュースになったことなどもあり、 悪意あるドメイン名登録も多く行われた時期でした。

その後、DRP(ドメイン名紛争処理方針)の整備やITバブル崩壊により、 ドメイン名登録への過剰な熱も冷めて落ち着いた状況が続いていましたが、 最近になって再びドメイン名の登録数は世界的に大きな伸びを見せています。

これは、再びドメイン名を用いたインターネット活動が活性化してきたこともあると考えられますが、 ドメイン名が投機・投資の対象として捉えられてきていることも要因と見られています。

1990年代とは異なり、一般的な名詞のドメイン名売買が多く、sex.comの1,200万ドルなど、高額取引はニュースにもなりました。 一方で、悪意あるドメイン名登録も依然として行われています。これらはDRPや裁判などで解決される傾向にありますが、 2006年は特に有名人の名前のドメイン名に関する紛争がニュースとして取り上げられました。

4ICANNとVeriSignとの和解、.comレジストリ契約の更新

長く係争関係を続けていたICANNと.com/.netレジストリのVeriSignですが、ようやく和解に至り、 ICANN理事会は.comレジストリとしての契約を更新、今後6年間の継続を認めることとしました。

しかし、契約内容のひとつに、レジストラに対するドメイン名料金を前年に比べて最大7%値上げできるという条件が含まれており、 これに対して大手レジストラが契約を再考する要請書をICANNに提出する事態に発展しました。

レジストラの不満は解消されたわけではありませんが、料金に関して米国商務省が監視するという条件で、 2006年11月に米国商務省からICANNとVeriSignとの間で締結する契約を承認することが発表され、 VeriSignの.comレジストリ継続が決定しました。

5新しいTLDに関する動き

2006年は、2005年にICANN理事会により設置が承認された新TLDの登録が開始された年となりました。

EU(欧州連合)における企業や個人を対象とした.euは、2005年12月にサンライズ申請受付が開始され、 2006年の4月7日に先着順による一般登録申請の受付が開始されました。 この日は受付開始から4時間で70万件以上が申請され、1週間で150万件という驚異的な登録数となりました。 しかし、一部のレジストラにより転売目的で大量のドメイン名登録が行われていたことも判明し、 レジストリがレジストラを提訴するなどの混乱も発生しました。

携帯機器用のドメイン名である.mobiも、2006年5月からサンライズ申請受付が開始され、9月から一般登録を受け付けています。 登録数は全世界で30万件を超え、国別ではアメリカ、中国、イギリスの順に多いと発表されています。

また、新TLD募集の際からアダルトエンターテイメント用ということで物議を醸していた.xxxですが、 一時はICANN理事会で設置承認に肯定的な流れになったものの、最終的には2006年5月に否決されました。 これには米国政府からの強い反対圧力があったとされ、.xxxの設置の是非の議論よりも、ICANNのガバナンスに対する議論が巻き起こりました。

アジア太平洋地域を対象とした.asiaは10月に設置が承認され、 12月にICANNとレジストリとの間で契約が締結されました。2007年には登録受付が開始される予定です。

番外編:汎用JPドメイン名とJPRSは5周年

JPRSが2001年の2月に汎用JPドメイン名のサービスを開始して、今年で5年が経過しました。 汎用JPドメイン名は国内の多くの企業と個人の皆様にご利用いただき、おかげさまで2006年11月には登録数が50万件を超えるに至りました。 このうち、日本語ドメイン名の登録は約12万件となっています。