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ICANNは、2010年6月25日にブリュッセルで開催された理事会において、中国、 香港、台湾に相当する漢字のIDN ccTLD(国際化ドメイン名による国別トップレベルドメイン)を、 それぞれ.cn、.hk、.twを登録管理しているレジストリに委任することを承認しました。
既存のccTLD | 委任が承認されたIDN ccTLD | 委任先組織 | |
---|---|---|---|
中国 | .cn | 「.中国」「.中國」 | CNNIC |
香港 | .hk | 「.香港」 | HKIRC |
台湾 | .tw | 「.台灣」「.台湾」 | TWNIC |
IDN ccTLDは、「ファストトラックプロセス(Fast Track Process)(*1)」という手順により、 2009年11月16日より申請受付が始まっています。 この手順では、各国からのIDN ccTLDの申請に対し、まずIDN ccTLDとしての文字列の適切さの確認が行われ、 次にそのIDN ccTLDの委任先組織(レジストリ)の審査と承認が行われます。 今回の漢字のIDN ccTLDもこのファストトラックプロセスの枠組みで申請されていたものです。
これに先立って、2010年4月22日に、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦、ロシアに対し、 IDN ccTLD文字列と委任先組織の承認が行われていますが、 今回の漢字のIDN ccTLDにおいて特徴的なことは、中国と台湾に対し、 それぞれ簡体字(「中国」、「台湾」)及び繁体字(「中國」、「台灣」)による二つのIDN ccTLDを承認したことです。
IDN ccTLDファストトラックプロセスでは国や地域において、原則として一つの言語に一つのIDN ccTLDを認めることとしています。 しかし、簡体字と繁体字についてはこれらは等価な文字であり、同時に承認されない場合混乱が起こるという状況を認定し、 ICANNは「Synchronized IDN ccTLDs」(*2)という概念に基づき、両方のIDN ccTLDを同時に委任することを決定しました。
IDN ccTLDにおけるこうした概念は、日本(JPNIC/JPRS)、韓国(KRNIC、のちNIDA、KISAに組織改編)、中国(CNNIC)、台湾(TWNIC)が中心になり、 協力してIDNの技術開発及びポリシー検討を進めた中で整理されたものです。
中国と台湾は、ICANNによる委任先承認を受けるに当たり、このSynchronized IDN ccTLDsの実現手順を策定し、 公開しています(下記)。特に、台湾(TWNIC)の手順書で述べられている方式は、JPRSとTWNICが共同で技術検証を行った成果が用いられています。
中国と台湾は、IDNの技術開発、標準化議論を進めてきた主な国々の中でも、IDN利用への要求が特に大きく、 ICANNも今回の漢字IDN ccTLDの承認が中国語を用いる多くの人々にとり、インターネットをより円滑に利用可能にするものとして評価しています。
なお、日本からはICANNに対し、IDN ccTLDの申請はまだ行われていません。 総務省による検討で文字列を「.日本」とすることは決まっていますが、 レジストリの選定については現在、日本インターネットドメイン名協議会により、その準備が進められています。