ドメイン名関連会議報告
2005年
アジア全域から若者が集い、様々な角度からインターネットについて議論
~ 第6回 Asia Pacific Next Generation Camp 報告 ~
2005/03/11
2005年2月21日から23日の3日間に渡り、京都で第6回Asia Pacific Next Generation Camp(APNG Camp)が開催されました。アジア太平洋地域の若い世代が「インターネット」をキーワードに多くの意見交換を行いました。
今回APNG(Asia Pacific Networking Group)は、前回(第5回)Campと同様にFellowship Programを実施しました。Fellowship Programは、スポンサーの協力により、参加希望者に対して渡航費と滞在費の支援を行う制度です。前回は7ヶ国11名が、今回は16ヶ国25名がこの制度を利用し参加しています。アジア全体からの参加者を得ることで、非常に国際色豊かとなり、各地域のインターネット事情を把握することに留まらず、国際交流を図るという意味でも大変意義のある場となりました。
また、APNG Campの母体であるAPNGの総会も合わせて開催され、チェアの松本敏文氏によるAPNG全体の報告と共に、Next Generation Camp、InternetHistory Museum、At Largeの3つのCommitteeの活動報告が行われました。
会議風景
今回APNG(Asia Pacific Networking Group)は、前回(第5回)Campと同様にFellowship Programを実施しました。Fellowship Programは、スポンサーの協力により、参加希望者に対して渡航費と滞在費の支援を行う制度です。前回は7ヶ国11名が、今回は16ヶ国25名がこの制度を利用し参加しています。アジア全体からの参加者を得ることで、非常に国際色豊かとなり、各地域のインターネット事情を把握することに留まらず、国際交流を図るという意味でも大変意義のある場となりました。
また、APNG Campの母体であるAPNGの総会も合わせて開催され、チェアの松本敏文氏によるAPNG全体の報告と共に、Next Generation Camp、InternetHistory Museum、At Largeの3つのCommitteeの活動報告が行われました。
会議風景
APNG Campとは
APNG Campは、これからのインターネットを担う人材の発掘・育成を目的として、APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)をはじめ、多くのAP地域のインターネット組織の母体となったAPNGの枠内で2002年にスタートした活動です。これまでにバンコク(2002年2月)、上海(2002年8月)、台北(2003年2月)、釜山(2003年8月)、ケアンズ(2004年7月)で開催され、今回が6回目となります。APNG CampはAPNGが発足以来掲げている"Open Membership"を継承しており、様々なバックグラウンドを持つ人が誰でも自由にそれぞれのセッションに参加できるオープンな形で行われています。今回は、アフガニスタン、バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、パキスタン、フィリピン、スリランカ、台湾、タイ、アメリカ、ヴェトナムから50名程の参加者が集いました。
第6回 APNG Campのプログラム
今回のCamp全体のプログラムは大きく4つに分けることができます。1つ目はコミュニティを牽引している方々からのチュートリアルです。APNIC、APAN(Asia Pacific Advanced Network)などのアジア太平洋地域のインターネット組織からの報告、DNSやセキュリティなどの技術に関する最新動向の紹介、アジア太平洋地域におけるインターネットの歴史についての発表、Blogがもたらす社会的変化や学校教育におけるインターネット利用について考えるセッションなどが行われました。日本からは、東京大学の加藤朗助教授、江崎浩助教授、奈良先端科学技術大学院大学の山口英教授、KDDI研究所の小西和憲氏、ICANN理事の伊藤穣一氏が講演を行いました。
2つ目は参加者によるプレゼンテーションで、Fellowship Programにより参加した南アジア・東南アジアからの参加者を中心に、それぞれの国におけるインターネットの歴史、現状についての報告と質疑応答が行われました。日本からの参加者の発表としては、広島市立広島工業高校3年生の荒木雄二氏から、日本の高校におけるIPv6を用いた取り組みについてのプレゼンテーションが行われました。
3つ目は参加者それぞれの関心領域に沿ったグループに分かれての討論です。今回のCampでは、(1)Internet Technology、(2)Internet Culture、(3)Blogの3つに加え、2004年12月26日に発生したスマトラ沖大地震およびインド洋津波をきっかけに、自然災害の被害者に対し、インターネットを用いてどのような国際的な支援を行えるかについて議論するグループも誕生しました。Campの場での討論は、今後もメーリングリストやメッセンジャーを用い、オンラインで継続して実施することが確認されました。
4つ目は参加者の自己紹介や、各国・地域の活動紹介を行う時間枠です。各国・地域でNext Generation Camp活動が行われているスリランカ、中国、台湾、韓国、日本からの報告が行われました。今回の報告の中で特筆すべきものはスリランカにおける活動です。前回のAPNG Camp(2004年7月)にスリランカから参加したメンバは、帰国後、国内活動の準備を始め、LKiNG(Lanka Internet Network Group)を組織し、2004年11月に第1回LKiNG Campを行いました。APNG Campへの参加をきっかけに新たな活動が始まった、東アジア地域以外での初めてのケースとなりました。
今後のAPNG Camp
次回の第7回APNG Campは2005年8月23日から8月25日の3日間、台北でAPAN会合に併せて開催することになりました。今回のCampの参加者によって結成された第7回CampのCamp Committeeが中心となり、その準備にあたっていくこととなりました。関連URI
- 6th Asia Pacific Next Generation Camp
http://www.apng.org/xoops/modules/camp/6th_index.php/ - APNG(Asia Pacific Networking Group)
http://www.apng.org/ - LKiNG (Lanka Internet Network Group)
http://www.lking.lk/
本会議報告は、JPRSのメールマガジン「FROM JPRS」の増刊号として発行した情報に写真などを交えてWebページ化したものです。
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